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わがまま女神の開拓誌 ~自分の島を観光地にしちゃおう!!~  作者: 青衣
第3章【火曜の火山《燎煉》】
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世界に贈る瓦版

仕事はササッと念入りに

 博物館のオープンセレモニーに合わせて私は広告を急ピッチで製作を進める。

 無論手は抜かない、否……主の部屋で作業をしている以上は抜けるわけでもなければむしろここからがヤル気を見せつける好機と真骨頂。

 撮ってきた写真を使えそうなものとそうでないものを選別し見映えよく張り付けては、フォントを選別しキャッチーと共に添えつけて……うむ、なかなかの出来映えだ。


 試しに試行錯誤を重ねて印刷をしたポスターも何枚もある、でもそれは印刷してみないとたとえ画面に写っているものと同じものでもポスターとしていざ作って見てみればどこか雰囲気が違うく感じられ【コレジャナイ感】と言うモヤモヤが私の不安と焦りを掻き立てる。

 それでも何十回の修正の行く末に納得の行く形で陽光と夜朧のポスターは完成してある。




 陽の煌めきに反射して美しく写し出される、新しく作り出されたのにどこかレトロチックなレンガの港。

 漁業や運送、そしてメインの旅行客のフェリーすら入港できる大きさを誇る七刻随一の巨大港だ。


 月の影にうっすらと霞み、稲光にその輪郭を写し出すは夜朧城。

 観光地としてはまだまだ施設や設備に難アリだろうがその勇ましき和城を目に焼き付けておいて損はさせない。


「うむむ、展示物をあまり写真に撮れないからメインとなる画像がイマイチだ。 こう、パッとするようなモノがないから難しいな。」


 私の頭を悩ませるこの仕事、だが挫けてなるものかッ!!

 結愛や智美は今もこうしている間にせっせと重い物を運んだりして、私のように座ってのんびりと……たまに手を休めては茶の1つでもすすってる余裕もない仕事をしているのだ。

 だからこちらも負けてられないって話。


「金塊のサイコロとか……これで5400万円。」


 主がゴクリと唾を飲み込む。

 それもそうだろう、彼女のお小遣いが月に本人いわく5000円らしいから大体1000年分……で合ってるかな? とにかくヨダレが垂れてるが。

 それにまだこれはメインの展示物ではなく写してもいい小物のシロモノ、撮影がダメなやつなんかは何億との価値もある超絶なお宝、私は生で見てきたから満足だが……もし見たいのならそれは自分で行って見てみることだぞ。

 と言うかそのメインとなる写真は当然無いから見せようも無いけど。


「冥綾、ステルスマーケティングはダメじゃない?」


「主、ステマは相手に宣伝だと気が付かれないような事を言うはず。 私はモロだ。」


 こう言うホワンホワンした空気もたまには必要さ。

 じゃないと悩みが頭を支配したら出来映えの良いポスターができるはずもないだろう?

 リラックスしなきゃ私とて本音はやってられない。


 けども見てみたいんだ。

 この七刻大陸に人が溢れ、全世界にこの名を轟かせるのを……ね。

 全ては結愛の自己満足なんだろうけど、その点にいたっては私も同じ存在だから仕方ない。

 このアイデンティティーとも言えるアホ毛が久々に誇らしく思えるよ。
















 ずいぶんと大きくて可愛らしいクシャミが館内に盛大に響き渡る。

 結愛はあいにく両手で段ボールを運搬中……となれば手で抑える術は無し。

 これには智美も苦笑い。


 クシャミは人それぞれ特徴があるのはご周知の通りだが、西は天音から東は桃子まで全ての結愛の分離体が似通った感じのクシャミを放つ。


「誰かが噂してるみたいっ!! 誰かしら?」


「さぁ?」


 2人は顔を見合わせては軽く微笑みを交わす。

 もう完成は間近なのは目に見えてる、だから早めに終わらせて……それから冥綾と忘れかけた瑞穂を呼んで盛大にパーティーをしようじゃないかと。

 残る搬入物も数えるほどにまで減ったものだから、従業員もほとんど帰らせて最後のシメはちゃっかり美味しくいただこうって寸法。

 それでいい、それが我ら七曜神のずる賢さと言うか処世術なんじゃないかと思われる。

瑞穂はどこに行ったんだろ

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