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『数億光年離れた遠い星の話』  作者: 健野屋文乃
3章

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9話 機械音の主は

カーン少佐と装甲騎兵20機は、鍾乳洞内に進入すると、


散発的に銃声がする方角に、警戒しながら進んだ。


鍾乳洞内は、太陽が激しく照りつける地上とは違い、


奥の方から、冷たい風が吹いていた。



鍾乳洞の入り口の光が、夜空の星の様になった頃、


少佐は 「ギシッ」 と何かを踏みつけた。



足元を見るとセラミック製の装甲騎兵の装甲を踏みつけていた。



目を凝らすとあたり一面に、その破片が転がっていた。


少佐は首を静かに振った。



さらに歩を進めると、


進行方向で響いていた銃声も、その音を消した。



鍾乳洞の暗闇の中には、


地下水の流れる音だけが響き渡った。







   ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡





今まで感じた事が無い大量の情報が、


ソフィーの思考回路に流れ込んでいた。



今、ソフィーに接続された特殊機械兵20機の、


視覚・聴覚・触覚・嗅覚、そして、それぞれの手足の動く感覚。



意識すると、遠く離れた特殊機械兵の、


指先まで正確に動かすことが出来た。



それだけの情報量は、


一体のアンドロイドの思考回路の処理能力を、


遥かに超えているはずだ。



何が違うシステムの補完を受けているのかも知れない。



思考回路同士の直接接続は、


政府によって厳しく制限されている。



直接接続がばれると、確実に消去されてしまうほどの重罪だ。





アンドロイド社会が出来上がったばかりの頃、


蔓延したウイルスによって、アンドロイド社会は、


崩壊しかけた。



結果、政府は段階的に、


ネットワーク環境の規制を強化し続けてきた。



ちにみに直接接続の罪名は、無罪だ。


「無罪」人間時代に使われていた用語とは違い、


「罪が無い」ではなく、「無になる罪」。


いつごろか使われ始めたかは、不明だが、


アンドロイドたちの「無」への恐怖ゆえだろう。



「無とは?」アンドロイドなら1度は考えた難問だ。


なにせアンドロイド社会は、5000年も続いているのだから。




ソフィーは、20機の特殊機械兵の、


足の先から指先までの感覚を脳にまとめると、敵を意識した。



敵・・・仲間200機を打ち崩した敵。


確実に無へ帰してしまった仲間たち。


もう、5000年分の記憶が再生されることはない。



ソフィーは自らの意思が、澄み切った空間を駆け抜け、


20機の特殊機械兵に伝っていく感触を感じた。



「数の上では五分・・・地の利で我が方に勝機あり。」


冷たい機械音が、思考回路内に響き渡った。




数の上では五分・・・



機械音の主は、


人工知能の搭載されていない意思のない機械にわりに、


その言葉には自信がありふれていた。





つづく


更新は、毎週日曜日です(・∀・)


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