これって救いなのかな
感謝すべきことばかりなのに、それでも感謝よりも謝ることしかできない気がする。
ゼンブわたしが悪かったんだ。
なんで、わたし天使やってるんだろう。
それなのに、この天使の子どもがゼンブ見透かしたようにわたしの手を繋ぐから、またわたしは許される。
それが天使の云うところの救いなのだとしたら、やっぱりわたしが悪いのだと思う。
もし、わたしが本当の意味でいい天使になろうとするなら、このままでもいいのだろう。
けれど、ゼンブわたしが悪いということを認めることでしか、あの悪魔とこれからも話すことはできないと思うから、だから、やっぱりわたしは後悔をずっとしていくのだ。
あの悪魔スズネをもっとラクに、気負わず、平穏にさせられるようにするには、わたしはこの天使界と真っ向からたたかうしかない。
「アヤまた前のこと気にしてるの?」
「ううん。そんなことないよ」
「天使ってもっとずっと素直かと思っていたけど、案外悪魔のほうが総てまっすぐなのかもね」
隣をいくアマツキが、手を繋いだままわたしをみてそう言ってくる。
だから、またわたしは甘えてしまう。
何度このアマツキに救われるのだろう。
どこか果てしなく先では、このアマツキを返さないといけないのに、それが怖くなるほど、もうアマツキがいるということに安心してしまい、それでまた切なくなる。
今回のお仕事は、人を送らないといけないというリストに基づき、人間界に降りていき、そこで死んでいった人やもう生きられない人の残りの魔力を回収することだ。
でも、それらは天使の基本的なお仕事とされながら格好ばかりで説得もせず、天使たちの持つ固有なものを使いながら淡々とそれらを回収していく。
グループのなかリーダーたちが率先するのは、短時間に回収だ。
回収してきた個天使のうち、回収率がよかった天使たちは昇給されたり、魔力を分けられたり、活躍するとランクアップするからだ。
昇格して身分を高くし、魔力を高めスキルを上達し、そしてそのうち仕事さえ辞める。
それがいい天使たちだ。
アマツキに見本としてみせるのはそんな天使たちのはずだけど、それでもなぜかアマツキはわたしについていきたいと言った。
孤児天使で、親に捨てられいつか見たゴミだらけの街で、それでも悪魔たちの手を取ったこの天使アマツキは、離してしまいたくなくなるくらいに可愛らしくて、そして、残酷なほどに悪魔みたいに魔力だけを回収すればいいはずの死んでいく、死んでしまったヒトたちに優しく微笑みかけ、話しを聴きいまそれらの魔力を回収していく。
天使のお仕事なんて、何度もやめてしまおうと思ったし、実際何度かさまざまな出来事から休んでいたこともあったのに、いまこのアマツキに教えることが、わたしの天使としての生きがいになっている。
回収した魔力を丁寧に扱い、アマツキの独自の方法でそれらを留めておくと振り返ってわたしを見る。
天使がいる。
実在誘惑天使がいるというのなら、そして、人が思う天使がそれというのならやっぱりそれはわたしじゃない。
天使、天月だ。




