最悪な目覚め
「ユン、ベッドに置いてきたぞー。……全く、腕に掴まったまま寝るなよな。」
「お疲れ様です。こちらも、ようやくルミが起きましたよ。」
「おはようですぅー……。」
ルミナスに、いつものような元気は無い。
「事情はシャドウとレインから聞きました。カルはチャジアの塔に行っていたらしいですね?
ルミは、カルがこっそりチャジアの塔に行った心当たりはありますか?」
「分からないですぅー。」
「ったく、カルは何しに行ったんだー?あれだろ?チャジアの搭って、鍵が掛かってる訳でもねぇのに誰も入れねぇんだろ?そんな所へ何しに……。」
「それは、後で本人に聞きましょう。
では、もう一つ。カルのあの怪我は何なのか、心当たりは無いですか?ユンの治癒魔法が効かないような傷など、この世に存在するのでしょうか?」
「……。」
「それは言えないって、さっきも言ったよね!」
黙り込んだルミナスをフォローするようにフゥが口を開いた。
「貴殿方から教えていただけないので、聞いているのです。」
「ぅぅ……。」
何も言えなくなって、俯くフゥ。
その横で、ぶっきらぼうな声が響く。
「…………魔法再生不可損傷。」
そう、ハッキリと告げたのはシャドウ。
「おい、シャド!」
「シ、シャドウ君!」
「マズイねぇ~。」
「……マジか~。」
脱力したように、俺はつい呟く。
「魔法再生不可損傷ですか……。聞いたことありませんね。」
グィーモは首を捻る。
「「「「って!!」」」」
「「カル!?」」 「「ご主人様!?」」 「ごちゅじん様!?」 「主人!?」 「ご、ご、ご主人様!?」「「……。」」
「…………あ、うん。おはよー。」
こちらを凝視するたくさんの瞳に向かって俺は、とりあえず朝の挨拶をした。




