六十九話:二人はオレが置いてきた。移動は一緒にしてきたがハッキリいってこの探索にはついてこれそうにない。
サブタイにそこまで意味はないです、ハイ。
爆睡をしては馬車の揺れで目覚め
目が覚めてはまた再び眠りにつく
寝飽きる頃には馬の扱い方を習い
それでも手が余れば筋トレを始める
…とまぁぶっちゃけ、移動が暇でしょうがなかった。
ここってかなり見通しがいいから接近してたら分かるし。
馬の足ならそうそう振り切れない事態にもならない。
まぁ殆ど魔物に会うことすら無かった訳だけど…
で現在、出発してから四日目。
「おぉ…」
「これが呪われた土地…ですか?」
「これはまた見事だなぁ…」
朝に呪われた土地に一番近い村から出発して暫く進むと、そりゃあもう不自然な光景が広がっていた。
ある境界を越えた先には一切、生物が存在していないのだ。
魔物も動物も、草も木さえも。
まぁ辛うじて朽ちた倒木くらいは残ってるが…それでも生命の息吹っていうものは一切感じられない。
近くの村の住民からの話でこうなってる事は聞いていたりするが、実際に目にすると驚きを隠せないな。
で、馬車を降りてその境界ギリギリに近づき、感知を使ってみる。
どうやらこの先から、微妙に魔力が少ないみたいだ。
更に真理理解も使ってみるが…
「どうです?何かわかりますか?」
「いや、全然何も…」
「そうか…」
「ただ、ここから先は魔力が少ないってくらいしか…」
色々と鑑定対象を変えてみるが、真理理解で特に分かることは無い。
どうやら実際に中に入って確かめてみるしかなさそうだ。
だけど今のところ、まだその呪いっていうものははっきりと分かってない。
一応見当はついてるけどそれは確定ではないし…
元々の予定通り、一人で行くか。
「という訳で、ちょっと行って確かめてくるよ。」
「…大丈夫か?それ?」
「それはちょっと…いやかなり心配ですね!」
「えぇ~…」
思ったよりも俺、信頼が無いな…
ちょっと……凹むな!
まぁ心配されてるって事だとも思うんだけど。
「それに一人で行くよりこいつで移動する方がいくらか良いだろ?」
「この子の足なら一日あれば着くでしょうし」
「そりゃあそうだけど…」
ダダンさんさんが馬車を引く馬、ドンソクマルを指差しながら言い、ジーニャさんもそれに賛同する。
ちなみに自分がドンソクマルと命名した。
こいつはちゃんと言う事も聞くし休みもそう取らずに動けて大食らいでも無いけど、移動する速度が…まぁ遅かったからだ。
いや…正確には、俺がジョギング程度に走れば余裕で追い越せるから遅いと感じただけなんだけどさ。
ちょっと急いで歩くくらいで離されないくらいだ。
だけど、こいつ自体は結構速い…らしい。
どうにも平時の移動速度もAGIの高低で変わってくるみたいだ。
一緒に居た二人から聞くまで実感は無かったけど、どうやらステータスのAGIが高い所為で俺の動きは相当に動きが速いらしい。
そう、現段階で馬よりもだ!
どうにもこういう所でステータスって出てくるよな…
嬉しいやら悲しいやら…複雑だ。
まぁ…速さが足りない!ってよりはいいか。
ちなみにあの馬に言ったら妙に不機嫌になった。
で、話を戻すが…そう言われて俺もこいつで移動できればいいとは思う。
ただ、問題があるのを忘れてないか…?
「こいつの食料はどうするのさ?」
「「あっ…」」
二人の声がハモる。
やっぱり考えてなかったのか…
道中は適当に道草で賄えたが、こっからはそうはいかない。
仮に道草があったとしても、食わせない方がいいだろうし。
「これ以上こいつを連れてくならこいつの飯、積まなきゃダメでしょ?」
「確かに…」
「だったら…一旦戻ってからまた来ましょう!ね?」
「二度手間になるなら先に調査してたって良いだろ?」
「そうですけど…」
ダダンさんは納得し、ジーニャさんも言い返すことが出来ずに言葉を探している。
もうひと押しでジーニャさんも納得するか?
「別に二人で引き返してから追いかけてきても、問題ないでしょ?」
「でもぉ…」
「もし呪いってのが仮に魔法だったとしたら対抗できるのは俺しか居ないし、先に行かなきゃどの道危険だって。」
「…分かりましたよ」
渋々って感じだけど、なんとか納得してくれたか。
「で、何処で合流するつもりですか?」
「とりあえずここから真っ直ぐ、北西に向かって進むつもりだけど」
「それってもしかして…?」
「丁度良いんじゃないかな?」
「「・・・」」
あれ?何だか二人共の視線が痛いぞ?
まぁ言いたいことは、分かる。
だってその方向は呪いの中心地なんだから。
「周辺で見つからないんじゃ中心まで直接行って確かめるしかないでしょ?
それにこの調査だって、この土地の安全を確認する為に行うんだからさ」
「そりゃそうですけど…」
さて、結論は出たな。
「という訳で先に言ってるから後から合流しに来て!」
「あぁ、了解した」
「本当、気をつけてね?」
という事で二人は一旦、引き返していった。
その、村まで引き返していく姿を程々に見送りつつ進み、姿が見えなくなった直後すぐにリュックを確認する。
普段から携行している火起こしセットや使ってない薬草に薬、その他の物もしっかり入っている。
出発前に貰ったスコップも紐で括りつけてるから大丈夫だし…
更にリュックの中には馬車から拝借してきた水に非常食に、といった食料がいくつも入っている。
これだけあれば余裕で2~3日は持つだろう。
「よし、ちゃんとあるし大丈夫だろう。」
確認も終わったので結構な重量になっているリュックを背負い、言った通りに北西に向かって再び歩きだす。
で、何でこうして食料持ってきたのかだが…こうして別れる事は既に考えていたからだ。
それにあの二人には悪いけど、合流は確実に明日以降になるだろうし。
というのも現在まだ昼にはまだ早いが、最寄りの村に着く頃にはすっかり昼過ぎになるだろう。
で、そこから荷物を積み直して、食料が減っているのに気づいてここに戻ってくる頃にはいい所で夕方だ。
それであれば恐らく、あの境界を超える前に野営の準備に入るだろう。
無理して夜ギリギリまで強行軍をしてきても追いつけない距離も稼げるだろうしな。
で、更に言えば村で時間がかかればそこから一泊してくるかもしれない。
更に更に何かあれば…って感じだ。
それに食料になりそうな物は無いだろうって聞いてたしな。
どの道調査する際はこうして個別に食料は管理させて貰うつもりだった。
後は…ぶっちゃけこの呪われた土地で採れた物を口にするのが危険だと思ったからだっていうのもある。
人類も魔物も死に絶える、さらに万一生き残っても深刻な病の様な症状…
これが魔法でないと仮定すれば十中八九、毒だろう。
真理理解でも感知でも特に魔法の類に関して何か異常は感じられなかった。
だからいよいよ、何かしらの毒の可能性が濃くなってきた訳だ。
しかし、これが毒のせいだとしてもこっちもまだ何も情報が無い。
今もこうしてこの土地に足を踏み入れている以上、それこそ既に俺も毒の影響があってもおかしくない。
だから…急いで特定したい気持ちがある。
…ミイラ取りがミイラになるのは御免だからな!
という訳で、先を急ごう!
活動報告にも書きましたがネット小説賞に応募してみました。
こう、少しでもモチベになればいいかなぁ…と(笑)
最近いいサブタイ思いつかないんだよなぁ…
地味な所でスランプ気味です。




