五十三話:失態と正体と実力
いつからこの時間に投稿しないと錯覚していた?
「イタタ…死ぬかと思ったわい。」
「あら?そうするお爺ちゃん?」
「いや、本当にスマンかった!許してくれ!」
「分かればいいのよ。」
結局ジジイはボロ雑巾の様になりながらも致命傷を負うことなく無事に連れられてきた。
それで今は一応和解して、こうして軽く脅されながらも二人でヒールをかけている。
「テッシン、お主もヒールを手伝ってくれんかの?」
「爺さんくらいの腕があれば余裕だろ?」
先程からジーニャさんが恐ろしいのか、事ある毎に助けを求めてくる。
勿論断ってるけどな。
というかなんやかんや言ってもこの爺さん、結構魔法が使える部類の人間だと思う。
さっき姿を消してた魔法だって相当なものだったし。
一応比較として…もしヴァニラだったら感知の範囲に入った時点で輪郭が揺らいではいただろうし。
だから恐らくあれだけ見てもDランク以上の実力はある。
「ええじゃろええじゃろ!別に減るもんでもないしな。」
「いや減るだろう、魔力が。」
「そう言わずにな?な?」
「はぁ…」
どうしよう?俺の魔力に関して伝えるか?
ぶっちゃけ依頼を受けないだろうから、別に言う必要がないとは思うけど。
しかしどれくらい居るかは分からない以上、こうしてしつこいのも厄介だな…
というかそもそもそんな話、信じるか?
「ちょびっとだけでいいんじゃよ?」
「じゃあこれを塗りな。」
そう言ってヒールジェルが入った瓶を爺さんに渡す。
「何じゃこれ?」
「いつもヒールの代わりに使ってる物だけど。」
「そんなモンより儂はヒールがええんじゃ!」
そういって瓶を投げ返してくる。
まったく…我侭なジジイだな。
というか投げるなよ…割れたらどうするんだ。
「な?先っちょだけでええから?駄目か?」
…爺さんの発言にはあまり関わりたくないな。
色々と危ない発言だぞそれ。
「…俺、ヒールもライトヒールも使えないけど?」
「えぇ!?本当に!?」
んで結局、魔力が無いことを打ち明けようと思った訳だが…
何故か、爺さんよりもジーニャさんが食いついてきた。
「Dランクの冒険者で使えないって流石にそれは嘘でしょう?
だって…ここの住人だってライトヒールは使えるし…
いくらお爺ちゃんが救う価値の無いクズ人間だからって嘘は良くないと思うわよ。」
「うっ…うぅ、そうじゃな。」
まぁ、案の定魔法が使えない事さえ信じては貰えなかった。
しっかしジーニャさんの言葉、妙に毒々しいな。
爺さんの精神ダメージも大きいが俺もちょっと心を抉られた気分だ。
「そう言うならテッシンよ、ステータス見せてはくれんか?
冗談でなく絶対に他言はせんから。」
「他言しないから私にも見せて欲しいな~。」
やっぱそうなるよなぁ…
実際に見ない限りやはり信じないか。
つーかさり気なく爺さん、冗談でなくって付けたな。
そう言わないともう悪ふざけでばらすとか思われてるとか考えてるんだろうな。
…思ってるんだけどさ。
「信じて貰えるなら早いか、それ!」
「お?何じゃこの色は!?」
「見たことない色ですね~」
そう言ってステータスを開き、出てきたウインドウを二人に見せる。
やはり二人共まずは色が違うことに驚いたみたいだ。
「え?レベルが…魔力も…なんか技能も…」
「ふむ…これは……?」
どちらもかなり驚いた様子でステータスを見つめている。
ちなみにステータスは昨日見た時と最大値は変わってない。
で、まじまじと穴が開くほど見つめた後、爺さんはハァ…とため息を吐く。
「のう、テッシンよ。」
「…ん?」
「お主、何故技能まで見せたのじゃ?」
「え?」
「え?ではないわ!全く…」
「えっと…他人に見せるときって色々隠せるんだけど、知らなかったの!?」
「…マジかよ!?」
ステータスを見せられる説明をされた時に言われなかったぞ!?
くそ…アンナめ、説明を省いてたな!
まぁその時はどう見せるか聞いただけだったけどさ…
というかよく考えたらこれ、やらかしたんじゃないか?
「全く、とんでもないもん見せおって…」
「あの…もしかして異世界人って…」
「あぁ、勇者じゃろうな。」
爺さんにはとっくに勇者だってバレてるし…
まぁバレたものはしょうがないか。
「安心せい、言う気は無いわい。」
「そりゃ助かる。
…まぁ色々とあってさ、ノーブル王国から逃げてきた訳さ。」
「成る程、となると召喚したのは暴走姫か?」
「そうだけど…これも内緒ね。」
「あぁ分かっとるわ。
流石の儂もこんな事言えんわい。」
苦い顔をしながら爺さんは吐き捨てるようにそう言う。
ジーニャさんも顔が引き攣ってるしな。
あまりこの事を聞かれるのはこっちも困るな。
ちょっと強引だが話題を変えよう。
「それで話を戻すけど魔力が無いのは確認しただろ?」
「あぁ、となるとさっきの瓶の中身は…」
「ヒール程即効性は無いけど、大抵の傷ならあれで十分効果がある。」
「随分ととんでもない代物じゃの…」
そんなとんでもないものをさっき乱雑に扱ってたけどな、爺さん。
「というか魔物と戦うのはどうしてたの…?」
「ん?色々と道具を使って動きを止めたり、普通に力任せに戦ってたりしてたけど?」
そう答えるとジーニャさんは驚き、爺さんは呆れた顔をする。
で、またため息をついた後…
「はぁ…あれだけの力が出せれば確かにDランクの魔物とも武器強化や肉体活性なし渡り会えるじゃろうな。
じゃからといって魔法が使えないのを道具で補ってDランクになるとは…」
「俺もDランクになれるとは思ってなかったけどな。」
俺がそう言うと今度は二人共呆れ顔でため息を一つ。
自分もまさか成り行きとはいえ、たった二日でこなした依頼だけでDランクになれるとは思ってなかったしな。
しかも出発前に言われて、心残りがなくなったと安心したっけ。
「全く…規格外な奴が来たもんじゃわい。」
「そうだね、お爺ちゃん。」
そんなやり取りをする二人からは何か疲れが滲み出ているように見えた。
なんだか急いで書いたからちょっとグダグダかも…?
何か気になる所が見つかったら修正します。
あと、次回どうしようか…




