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【心理の天秤】――人間理解による行動予測  作者: 天秤座
第3章:言葉と行動のズレ
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第14話 人は言葉通りには動かない


 人の言葉と行動は、必ずしも一致しない。


 「大丈夫」と言いながら、本当は苦しんでいる人がいる。

 「気にしていない」と言いながら、ずっと根に持っている人がいる。

 「応援している」と言いながら、内心では失敗を望んでいる人がいる。

 「反省しています」と言いながら、同じことを繰り返す人がいる。

 「あなたのため」と言いながら、自分の都合を押しつけている人がいる。


 こうした言葉と行動のズレは、人間関係の中で頻繁に起こる。


 ただし、それをすべて単なる嘘として扱うと、人間理解は浅くなる。もちろん、意図的に相手を騙す嘘はある。自分の利益を守るために事実を隠す人もいる。責任を逃れるために嘘をつく人もいる。相手を操作するために、言葉を綺麗に整える人もいる。


 だが、言葉と行動のズレは、嘘だけで説明できるものではない。


 本音。

 建前。

 恐怖。

 立場。

 利益。

 周囲の目。

 関係維持。

 自己防衛。

 その場の空気。


 それらが絡み合い、人は言葉と行動をずらすことがある。


 たとえば、「大丈夫」と言う人がいる。


 本当に大丈夫な場合もある。だが、本当は大丈夫ではないのに、そう言っている場合もある。相手に心配をかけたくないのかもしれない。弱い人間だと思われたくないのかもしれない。助けを求めても無駄だと思っているのかもしれない。自分の苦しさを言葉にすると、もっと苦しくなるから避けているのかもしれない。


 この場合、「大丈夫」は単純な嘘ではない。


 自分を守る言葉であり、相手を遠ざける言葉であり、場を壊さないための言葉であり、助けを求めることへの恐怖を隠す言葉でもある。


 つまり、言葉には表面の意味だけでなく、その人の心理の天秤が反映されている。


 「気にしていない」という言葉も同じである。


 本当に気にしていないなら、その後の行動にも出ない。しかし、何度も同じ話をする。相手への態度が変わる。距離を置く。別の場面で急に冷たくなる。こうした行動が出るなら、その人は言葉では気にしていないと言っていても、心理の天秤ではまだその出来事が重く残っている可能性がある。


 言葉では処理したことになっている。

 しかし、行動では処理できていない。


 こういうことは珍しくない。


 人は、自分の感情を正確に言葉にできるとは限らない。自分でも何に傷ついたのか分かっていないことがある。怒っているのに、怒っていると認めたくないこともある。悲しいのに、悲しみとして扱えず、相手への不満として出ることもある。


 だから、発言だけを見ると誤る。


 人を見る時には、言葉と行動の両方を見る必要がある。


 言葉は、その人が伝えたい自分を表すことがある。

 行動は、その人の心理の天秤が実際にどちらへ傾いたかを表すことがある。


 もちろん、行動だけで全てが分かるわけではない。行動もまた、環境や体調や立場に影響される。だが、言葉だけを信じれば、相手の本当の天秤を見落としやすくなる。


 たとえば、「反省しています」と言う人がいる。


 その言葉だけなら、反省しているように見える。しかし、その後に同じことを繰り返すなら、その人の心理の天秤では、反省よりも別の重りが強く残っている可能性がある。


 責められたくない。

 その場を早く終わらせたい。

 関係を壊したくない。

 自分の立場を守りたい。

 反省している人間だと思われたい。


 こうした重りによって、「反省しています」という言葉が出ることがある。


 この場合、言葉としての反省は存在している。しかし、行動を変えるほどには天秤が傾いていない。反省が本当に重くなっているなら、次の行動が変わる。再発防止を考える。謝罪だけで終わらせない。自分の癖を見直す。相手に与えた影響を考える。


 言葉と行動がズレる時、そこには理由がある。


 人は、自分に都合の悪い本音をそのまま言うとは限らない。自分が悪く見える言葉を避ける。相手を傷つける言葉を避ける。関係が壊れる言葉を避ける。責任が発生する言葉を避ける。


 本音を言うことで得られるものより、失うものの方が重く見えれば、人は本音を隠す。


 だから、言葉には建前が混じる。


 建前とは、単なる嘘ではない。場を整えるための言葉であり、関係を壊さないための言葉であり、自分の立場を守るための言葉でもある。特に、日本社会では、相手の気持ち、場の空気、周囲の目、集団内の調和が心理の天秤に乗りやすい。


 本音では嫌だ。

 だが、嫌だと言うと角が立つ。

 本音では反対だ。

 だが、反対すれば空気を壊す。

 本音では不満がある。

 だが、言えば面倒になる。

 本音では離れたい。

 だが、関係を壊す勇気がない。


 その結果、人は曖昧に笑う。やんわり濁す。表向きは同意する。はっきり断らない。場に合わせる。


 これは、すべてが悪いわけではない。


 建前には、社会を滑らかにする機能もある。何でも本音でぶつければ、人間関係はすぐに壊れる。相手に配慮するために言葉を選ぶことは必要である。場を壊さないために本音を抑えることも、時には合理的である。


 しかし、建前が多すぎると、別の問題が生まれる。


 何が本音なのか分からなくなる。

 不満が蓄積する。

 責任の所在が曖昧になる。

 誰も本当の問題を言わなくなる。

 表面上は平和でも、内側では関係が壊れていく。


 言葉と行動のズレは、ここで大きくなる。


 本人は「大丈夫です」と言う。

 しかし、仕事の質は落ちている。

 本人は「納得しました」と言う。

 しかし、行動では抵抗している。

 本人は「問題ありません」と言う。

 しかし、態度には不満が出ている。

 本人は「協力します」と言う。

 しかし、実際には最低限しか動かない。


 この時、言葉だけを見れば問題はないように見える。


 しかし、行動を見れば、天秤は別の方向へ傾いている。


 恐怖によって言葉と行動がズレることもある。


 相手が怖い。

 怒られるのが怖い。

 見捨てられるのが怖い。

 評価を下げられるのが怖い。

 立場を失うのが怖い。


 こうした恐怖が強いと、人は本音を言いにくくなる。


 上司には同意するが、裏では不満を言う。家族には従うが、内心では反発している。友人には笑って合わせるが、本当は傷ついている。権力のある相手には黙るが、弱い相手には強く出る。


 このズレは、その人の人格だけではなく、関係性や立場によっても作られる。


 人は、誰に対しても同じ言葉を使えるわけではない。


 強い相手には言えない。

 近すぎる相手には言えない。

 失いたくない相手には言えない。

 嫌われたくない相手には言えない。

 反撃される相手には言えない。


 このように、言葉は立場によって変わる。


 だから、人の発言を見る時には、「何を言ったか」だけでなく、「誰に対して言ったのか」「どの立場で言ったのか」「何を恐れていたのか」を見る必要がある。


 利益によって言葉と行動がズレることもある。


 人は、自分の利益を守るために言葉を選ぶ。自分にとって得になる相手には丁寧に振る舞い、利益がなくなれば態度を変えることがある。表面上は善意の言葉を使いながら、実際には自分の利益を通そうとしている場合もある。


 あなたのため。

 みんなのため。

 組織のため。

 正義のため。

 将来のため。


 こうした言葉が、本当にその通りの意味で使われている場合もある。だが、自分の利益を綺麗に見せるために使われている場合もある。


 だから、綺麗な言葉ほど、行動を見る必要がある。


 本当に相手のために動いているのか。

 自分に利益がない場面でも同じように動くのか。

 不利になっても言葉を守るのか。

 他人にだけ負担を押しつけていないか。

 自分の利益を正義の言葉で隠していないか。


 ここを見なければ、言葉に騙される。


 周囲の目も、言葉と行動を変える。


 人は、見られている時には整える。善人らしく振る舞う。正しいことを言う。場に合う言葉を選ぶ。周囲から評価されるように行動する。


 だが、誰も見ていない時には、別の天秤が出ることがある。


 周囲が見ている時だけ親切な人がいる。

 人前では礼儀正しいが、弱い立場の相手には雑な人がいる。

 表では反省したように見せ、裏では何も変わらない人がいる。

 みんなの前では賛成し、あとで不満だけを言う人がいる。


 これも単純に「嘘つき」とだけ見るより、周囲の目が天秤に乗っていると見た方が分かりやすい。


 人は、見られている時と見られていない時で、重くなるものが変わる。見られている時には評価、体面、評判、関係維持が重くなる。見られていない時には、面倒の回避、損得、本音、怠惰、恐怖、自己都合が出やすくなる。


 だから、人物を見る時には、言葉と行動のズレだけでなく、場面ごとのズレも見る必要がある。


 人前ではどう言うのか。

 一対一ではどう言うのか。

 不利な時にはどう言うのか。

 利益がある時にはどう動くのか。

 誰も見ていない時にはどう動くのか。

 弱い相手にはどう接するのか。

 強い相手にはどう接するのか。


 そこに、その人の心理の天秤が見える。


 人は言葉通りには動かない。


 だからといって、言葉が無意味なわけではない。


 言葉には、その人が見せたい自分が出る。相手にどう思われたいのか、何を隠したいのか、何を守りたいのか、どの立場を維持したいのかが出ることがある。言葉は嘘をつくこともあるが、嘘の内容にも、その人の心理の天秤が出る。


 なぜ、その嘘を選んだのか。

 なぜ、その建前を使ったのか。

 なぜ、本音を言えなかったのか。

 なぜ、その言葉で自分を守ろうとしたのか。


 言葉もまた、資料である。


 ただし、言葉だけでは足りない。


 行動を見る。

 繰り返しを見る。

 場面を見る。

 立場を見る。

 利益を見る。

 恐怖を見る。

 周囲の目を見る。


 そうして初めて、言葉と行動のズレが見えてくる。


 発言と行動が一致しない時、すぐに「嘘だ」と決めつける必要はない。しかし、「言葉ではそう言っているから本心もそうだ」と信じ切る必要もない。


 大切なのは、そのズレが何によって生まれているのかを見ることである。


 本音なのか。

 建前なのか。

 恐怖なのか。

 立場なのか。

 利益なのか。

 周囲の目なのか。

 関係維持なのか。

 自己防衛なのか。


 人の言葉と行動は、必ずしも一致しない。


 それは単なる嘘とは限らない。


 そのズレの中にこそ、その人の心理の天秤が現れることがある。


ミナ「今回の話、日常でかなりあるやつだね。『大丈夫』って言ってるのに、全然大丈夫じゃなさそうな人」


レン「あるね。言葉と行動が一致しない場面は、人間関係ではかなり多い」


ミナ「でも、それを全部『嘘だ』って決めつけるのも違うんだよね?」


レン「うん。意図的な嘘もあるけど、全部が悪意とは限らない。相手に心配をかけたくない、自分の弱さを見せたくない、場を壊したくない、助けを求めるのが怖い。そういう理由で言葉がズレることもある」


ミナ「『大丈夫』って、ただの返事じゃなくて、防御の言葉になってる時もあるんだ」


レン「そう。自分を守るための言葉でもあるし、相手を遠ざける言葉でもある」


ミナ「でも、言われた側は困るよね。本当に大丈夫なのか、大丈夫じゃないのか分からないし」


レン「だから、言葉だけでは足りない。言葉の後にどう動いているかを見る必要がある」


ミナ「『気にしてない』って言いながら、何度も同じ話をするとか?」


レン「その場合、言葉では処理したことになっていても、心理の天秤ではまだその出来事が重く残っている可能性がある」


ミナ「ああ。口では終わったことにしてるけど、心の中では全然終わってない感じ」


レン「そういうことだね」


ミナ「でも、それって本人も気づいてない場合あるよね。自分では本当に気にしてないつもりなのに、態度に出ちゃうとか」


レン「ある。人は自分の感情を正確に言葉にできるとは限らない。怒りなのか、悲しみなのか、悔しさなのか、自分でも整理できていないことがある」


ミナ「言葉って、思ったより頼りないんだね」


レン「頼りないというより、言葉だけで全部を背負わせるには重すぎるんだと思う」


ミナ「ちょっといい言い方した」


レン「そうかな」


ミナ「うん。言葉だけで全部伝わると思うから、すれ違うんだろうね」


レン「言葉は大事だよ。ただ、言葉には建前も混じるし、恐怖も混じるし、立場も混じる。だから、行動と合わせて見ないと、意味を取り違えやすい」


ミナ「たとえば、『反省しています』って言う人」


レン「分かりやすい例だね」


ミナ「謝ってるなら反省してるのかなって思うけど、また同じことをする人もいる」


レン「その場合、反省の言葉はあっても、行動を変えるほどには反省が重くなっていない可能性がある」


ミナ「言葉としては反省してる。でも、天秤としてはまだ軽い」


レン「そう。責められたくない、その場を終わらせたい、関係を壊したくない、反省している人間だと思われたい。そういう重りで謝罪の言葉が出ることもある」


ミナ「本当に反省してるなら、次の行動が変わる」


レン「変わる可能性が高い。再発防止を考える。相手に与えた影響を見る。同じ状況で繰り返さないようにする」


ミナ「謝罪って、言った瞬間より、その後の方が大事なんだね」


レン「そうだね。謝罪は入口で、行動変化が本体に近い」


ミナ「うわ、それ強い」


レン「言い過ぎではないと思う」


ミナ「じゃあ、『あなたのため』って言葉も注意が必要?」


レン「かなり必要だね。本当に相手のために使われている場合もある。でも、自分の都合を綺麗に見せるために使われる場合もある」


ミナ「あなたのためって言いながら、実際は自分の思い通りにしたいだけとか」


レン「そう。だから、綺麗な言葉ほど、その後の行動を見る必要がある」


ミナ「本当に相手のためなら、自分に得がない場面でも動くかもしれない」


レン「逆に、自分に利益がある時だけ親切なら、その言葉の中には別の重りが混じっている可能性がある」


ミナ「言葉って看板みたいだね」


レン「看板?」


ミナ「表には『あなたのため』って書いてある。でも中に入ってみたら、売ってるものが全然違う場合がある」


レン「その例えは分かりやすいね」


ミナ「でしょ?」


レン「言葉は看板になる。けれど、本当に何を扱っているかは、行動を見ないと分からない」


ミナ「じゃあ、行動は店の中身?」


レン「近いね。実際に何を優先しているのか、何を選んでいるのかが見える」


ミナ「ただ、行動だけでも一回じゃ分からないんだよね?」


レン「うん。一度だけ雑な対応をしたからといって、その人が不誠実だとは限らない。疲れていたのかもしれないし、立場上そうせざるを得なかったのかもしれない」


ミナ「でも、何度も同じズレがあるなら?」


レン「その人の天秤の傾き方として、かなり重要な資料になる」


ミナ「『協力します』って言うけど、毎回最低限しか動かないとか」


レン「言葉では協力だけど、行動では関わりたくない、損をしたくない、面倒を避けたいという重りが出ている可能性がある」


ミナ「『問題ありません』って言いながら、態度がどんどん冷たくなるとか」


レン「本当は問題があるけど、言葉にできない、言いたくない、言うと面倒になると思っているのかもしれない」


ミナ「そう考えると、言葉と行動のズレって、かなり情報が多いね」


レン「多い。嘘かどうかだけではなく、何を恐れているのか、何を守っているのか、何を隠しているのかが出ることがある」


ミナ「でも、これをやりすぎると、人の言葉を全部裏読みする嫌な人にならない?」


レン「そこは注意が必要だね。裏読みするのではなく、確認する。決めつけるのではなく、ズレがあると気づく」


ミナ「『本当はこう思ってるんでしょ』って決めつけるのは違う」


レン「うん。それは相手の内側を勝手に決めているだけだから危ない」


ミナ「じゃあ、正しくは?」


レン「『言葉ではこう言っている。でも行動ではこう出ている。このズレは何から生まれているのか』と考える」


ミナ「本音なのか、建前なのか、恐怖なのか、立場なのか、利益なのか、周囲の目なのか」


レン「そう。そこを分ける」


ミナ「建前も全部悪いわけじゃないんだよね?」


レン「悪くない。建前には、場を整える役割がある。思ったことを全部そのまま言えば、人間関係はすぐに壊れる」


ミナ「相手を傷つけないために言葉を選ぶこともある」


レン「ある。だから、建前は単なる嘘ではない。配慮でもあり、防衛でもあり、場を保つ技術でもある」


ミナ「でも、多すぎると本音が見えなくなる」


レン「そう。表面上は穏やかでも、内側で不満が溜まる。責任が曖昧になる。問題が見えなくなる」


ミナ「それで、ある日いきなり態度が変わったように見える」


レン「本人の中では積み重なっていたのに、言葉に出していなかったから、周囲には突然に見えることがある」


ミナ「言葉にしないと伝わらない。でも、言葉にすると壊れるかもしれない。難しいね」


レン「だからこそ、言葉と行動の両方を見る必要がある」


ミナ「今回の話って、人を疑えじゃなくて、人を雑に信じるな、でもある?」


レン「近いね。もう少し柔らかく言うなら、言葉だけで安心しすぎない、行動だけで断罪しすぎない、かな」


ミナ「それが一番しっくりくる」


レン「言葉には言葉の意味がある。行動には行動の意味がある。そのズレにも意味がある」


ミナ「一致している時も見る。ズレている時も見る」


レン「うん。たとえば、言葉では優しいことを言うし、行動でも相手を大事にしているなら、それは信頼材料になる」


ミナ「言葉と行動が揃ってる人は、やっぱり安心しやすいね」


レン「そうだね。もちろん完璧な人はいないけど、一致の積み重ねは信用になる」


ミナ「逆に、言葉だけ立派で行動がついてこない人は、ちょっと警戒した方がいい」


レン「その判断は自然だと思う」


ミナ「レンは言葉と行動、結構一致してるよね」


レン「そう?」


ミナ「うん。褒める時はちゃんと褒めるし、私のこと好きって言う時も変にごまかさない」


レン「それは、ごまかす理由がないからね」


ミナ「……そういうところだよ」


レン「嫌だった?」


ミナ「嫌じゃない。だから困る」


レン「なら、僕の言葉と行動は今のところ大きくズレていないね」


ミナ「自分で分析しないで」


レン「ごめん」


ミナ「でも、そういう一致は信用材料になるってことだね」


レン「うん。人を見る時は、何を言ったかだけではなく、その後にどう動いたかを見る。そこに、その人の天秤が出る」


ミナ「今回のまとめは、言葉は入口、行動は確認」


レン「かなり良いまとめだね」


ミナ「やった」


レン「言葉を捨てない。行動だけで決めつけない。ズレがあるなら、その理由を見る」


ミナ「単なる嘘なのか、建前なのか、怖くて言えないのか、自分を守っているのか」


レン「そして、繰り返されるズレは、その人を知る重要な材料になる」


ミナ「人間関係って、言葉だけでも行動だけでも足りないんだね」


レン「そうだね。両方を見るから、少しずつ相手の天秤が見えてくる」


ミナ「じゃあ、私もレンの言葉と行動をちゃんと見ておく」


レン「それは少し緊張するね」


ミナ「大丈夫。今のところ高評価だから」


レン「それは嬉しい」


ミナ「ほら、嬉しそうな顔してる。行動にも出てるよ」


レン「隠す必要がないからね」


ミナ「……本当に分かりやすいなあ」

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