第159話 子どもたちががんばっているなら(シュライゼン視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(シュライゼン視点)
うむうむ、子どもたちが仲良きことは美しきことかな、なんだぞ!
俺や我が妹たちの子どもたちが、今頑張って孤児院の差し入れへ持って行きたいパンの提案をするのに、会議をしているのだ。
俺は親として嬉しいんだぞ!
王族、貴族、神も関係なく意見を出し合う姿勢が、和やかで微笑ましい。
このような機会に恵まれるとは、俺は将来の国王として誇りに思うんだぞ!!
けども、だ!
「なんで俺がみじん切り担当なんだぁああ!?」
「うるさい、手を動かせ」
カイルもいるけど、カイルは楽な野菜の皮むきなんだぞ!! ずるいぞ!?
「そうだぜ? 俺たちだって、手ぇ動かしてんだからよ?」
「そうよねん?」
「ははは」
「そうかもだけど!!」
その下処理した野菜をみじん切りしているの、全部俺なんだが!?
なんで、フィーもマックスもレクターも楽な仕事ばっかりしているんだ!? 下ごしらえ作業は同じでも、俺だけ負担作業多いと思うんだぞ!!
「お兄さんが一番料理出来るからよ?」
「我が妹よ!? お兄ちゃんの扱いが雑なんだが!!」
「お父さんに似て器用な特技は活かさないと」
「利用するって聞こえたんだぞ!?」
「気のせい気のせい」
ちょっと、ほんのちょっとだけ。
まだ俺たちが兄妹だと打ち明けていないときの!!
あの顕著さはどこに行ってしまったんだ!? 父上に似た雑な扱い方されるんだぞ!? というか、カイルの妻になったから考え方そっくり過ぎやしないかい!!?
「あんた、考えてること顔に出過ぎよ?」
「お兄さんのような、おバカキャラはわかりやすいよね」
「ツッコミとボケ担当だとどっちかしらん?」
「悩ましい」
よくわかんないけど、マックスといっしょにけちょんけちょんにされてるんだぞ!? 酷くないかい!!
「シュラ様は昔からそんな感じじゃないですか? カイルにもマックスにも雑な扱いされてますし」
「レクター!? 君が一番酷いんだぞ!?」
リーンの旦那ということで、身内ではあったけど!! 今度は我が息子と彼の娘が婚約したからもっと密接な縁戚になるのに!! メイミーの弟だから、余計に腹黒大魔王の顔が隠そうとしていない!! 俺王太子なのに、なんでこんな理不尽な扱いをされるんだ!!!!
「お兄さん。美味しいオムカレー食べたいなら手動かして」
「くぅ……」
今は、大人たちでカレーの下ごしらえをしている。パンもいいが、米も食べようと言うことでチャロナ提案の『オムカレーライス』というのを作るために。
俺は知っている。
オムライスだけでもとてつもなく美味しいのに、カレーも加わればもっともっと美味しいだろうということを!!
けど、下ごしらえの大半を俺に押しつける形はどうなんだぞぉおおおおおおおおお!!?
「……お兄さん。ノリツッコミしている時間あったら、みじん切りの手動かして」
「……はい」
母が強いとも言うが、チャロナは母上にどんどん顔だけでなく性格までそっくりになっていくんだぞ。そこに、メロメロ状態のカイルを見るのは気持ち悪いんだが!!
次回は金曜日〜




