第120話 子は親に似る(マックス《悠花》視点)
お待たせ致しましたー
*・*・*(マックス《悠花》視点)
恋って凄いわねぇ?
あたしもまあまあ大変だったし、理屈で解決するわけじゃないのはよーく知っているけど。
「ふふ、いいことじゃないか」
その恋の相手で今は奥さんになってるエイマーは、伸びた金髪を綺麗に揺らしながらあたしが仕事をしているデスクまで来てくれた。あたしが今なんの仕事をしているかわかっているようね。
「そうかもしんねぇが、激変した自分の子どもがもう婚約だぞ?」
エイマーの前では男言葉なのも相変わらずだけど、アラフォー手前でも若々しい顔立ちだから……あたしは今でもメロメロよん! 夜の方も、まだまだ現役。枯れ男だなんて言わせないわ!!
それはいいとしといて。
ひとり息子である気弱な性格だったミラクルが、自分で告白してメイミーんとこのサリーと婚約したのよ?
年上好きは誰に似たんだか……そこはやっぱりあたしよねぇ?
「早いうちに決まった方がいいじゃないか。サリーはしっかりしているし、メイミーの腕前も十分に受け継いでいる」
「そこだ。強い女に惚れるのは、俺似か?」
「そうじゃないかい?」
「……はあ」
やっぱりあたしそっくりなのかしら、あの子。
外見はもともと似てたけど、中身は物心ついても全然。母親のエイマーにも似ないくらいだったのに。
恋がきっかけで色々変わるって……そこは男だったのね。サリーはもともと可愛がってくれてたけど、好意に発展するのには時間がかかると思うのに、ミラクルのアタックでヒットしたみたい。うちの息子もやる時やるのねぇ?
「婚約式についてだが、カイル様からリーシャたちのと一緒にしたいと魔法鳥が届いていたよ」
「……あいつらならそうするか」
子は親に似るっていうのはどこの家庭でも同じみたい。
リーシャとセシルは、マジでラブラブって感じだけど幼馴染みたちを大切にする子たちだもの。
そうとくれば、招待状はバンバン出すわよ!! カイルの負担を少しでも減らせば、美味しいものも食べ放題だわ!! そこは置いといて。
「それはそうと、マックス。吉報が一つある」
「うん?」
エイマーが急に顔を赤らめて、あたしの隣に立つと耳元に顔を寄せて来た。
「……次の子が出来たそうだ」
「マジかよ!?」
大声上げちゃったけど、エイマーはニコニコ笑っているから……本当にマジらしい。
男か女かは当然わからなくても……高齢出産間違いなしだから、これから慎重にしなくちゃ!! 帝王切開だなんて高度な技術はない世界だから……万が一の事態を起こしてはいけない。
最愛の奥さんのフォローは全力で取り組むわ!
んでもって、息子の婚約式についての打ち合わせもカイルたちと頑張らなくちゃ。忙しくなるわよ! 現ユーシェンシー伯爵のあたし!!
次回は木曜日〜




