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追放された伯爵令嬢、生命をつなぐ禁忌魔法で覚醒したら冷酷な辺境伯令息に溺愛されています  作者: 積と和〝
第3章 王都崩壊編

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第17話 静かな侵食

王都――

異変は、音もなく広がっていた。


ーーー


「最近、様子がおかしい者が増えている」

騎士団の会議室。


報告書が机に積み上がっていた。


「命令違反、暴力、錯乱……数が異常です」


「原因は?」


「不明です」


だが――

全員が同じ違和感を抱いている。


何かが、内部から崩れている。


ーーー


「問題ありませんわ」


ダリアンは微笑む。


王子の前で、あくまで穏やかに。

「ただの疲労です。最近は忙しいですもの」


「……そうか」

王子は疑わない。


疑うという発想すらない。


ーーー


――だが裏では。


「順調です」

男爵が頭を下げる。


「リリスの力により、王都内部の掌握が進行中」


「いいですわ」

ダリアンは満足げに頷く。


「まずは内側から崩す。それが一番効率的ですもの」


ーーー


街。

「……さっきまで普通だったよな?」


「急にキレたんだ……」

小さな異変。


だが、それが連鎖している。

不安が、空気のように広がっていた。


ーーー


王城。


「報告が多すぎる!」

王子が苛立ち、机を叩く。

「すべて処理しろ!」


「は、はい!」

部下が慌てて駆け出す。


何につけても判断が雑になっている。

全てに余裕が消えている。


ーーー


それを見て――

ダリアンは、静かに笑った。


「もうすぐですわ」

誰にも聞こえない声で呟く。


「この国は、内側から崩れる」


ーーー


一方――辺境伯領。


「……嫌な流れだな」

俺は空を見上げた。


これはただの混乱じゃない。


「組織崩壊の前兆だ」


「王都、ですか?」

セレスティアが問う。


「ああ」

短く頷く。


「そして仕組んでいるのは――」


言うまでもない。

「……ダリアン」


ーーー


「急ぐ必要があるな」

静かに告げる。


「これは領地の問題じゃない」


もっと大きい。

「国そのものの問題だ」


風が吹く。

まるで、嵐の前の静けさのように。

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