表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒穴  作者: とるてぃ
1/11

プロローグ

 ふと気付くと、馬に乗っていた。辺りは鬱蒼とした森の中のようだ。

 森の中を進む。逃げる敵兵たちを馬に乗って全速力で駆け抜ける。

 ゆっくりと後ろに流れる木々。もがくように進む中で、確実に敵兵の後ろは捉えている。もう少し、もう少し。急げと馬に鞭を入れたその瞬間。あり得ないことが起きた。


 敵が消えた。


 驚く間もなく、自分の足下の地面が消え失せた。体が落下していく。脚を四方八方にばたつかせても、地に着かない。手を伸ばしても、空気を掴むだけ。

 どこまでも落ちていく。もがいてもどうにもならない。黒い穴にただ身を預けるしかない。頭はパニックへと陥っていく。辺りは真っ暗になり、浮遊感だけが続いていく。どこまで落ちるのだろう……。このまま死ぬのだろうか……。




「起きなさい、もう学校に行く時間でしょ」

 少年が目を覚ますと、明るい室内に母の姿があった。

「手足をバタバタさせて、どうしたの。早く朝ご飯を食べなさい、ネオ」

 そう言うと、母はキッチンへと歩いて行った。汗まみれの少年ネオはまだ呆然としていた。事態が飲み込めるとすぐさま布団から飛び起き、小走りで朝食へと向かった。


 まだ少しぼんやりとした頭でパンを慌てて食べる。少しずつ目が覚めるとともに、ネオの脳裏に昨日の授業で聴いた伝説が浮かび上がってきた。「黒い穴(ウーハ)」伝説。ネオの頭から離れない。今日の授業はその続きだ。

「ネオ、何をニヤニヤしているの。早く食べなさい!」

「わかったよ」

 笑みが漏れたことをごまかすように、ネオはぶっきらぼうに言った。

「ごちそうさま」

 相変わらずお腹いっぱいとは言えない朝食を水で流し込む。


 慌てると普段できることもできなくなる。制服のボタンがどうも上手くかみ合わない。焦りと高揚が手元を狂わせる。ようやく制服のボタンをかけ、くたびれた学帽をかぶる。

「行ってきます」

 母の返事を聞く前に、ネオの脚は学校へと向かっていた。

 相変わらず廃棄ガスの匂いがする、灰色の町。周りの大人は汚れた作業着をまとい、そのガスが発生している方向へと向かっていく。いつもなら大人たちと同じ表情をして歩くネオだが、今日は違う。


 道すがら、昨日の授業を思い出す。

はじめまして、とるてぃと申します。

気まぐれに投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ