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ポンコツ貴族令嬢が最強スキルをゲットしたので、自由を求めて家出する。~家出令嬢の冒険譚?~  作者: 十目 イチ
悪魔襲来編

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第131話 この人は悪魔に聞く耳を持ちません

 スネアさんは私達が自警団の腕章を着けていることに気付き、驚いた顔をして私に聞いてくる。


「もしかして、自警団に参加してるの?」


「そうですよ。二人もやっぱり参加してたんですね」


「やっぱりって、どっかで僕らの事見ました?」


「はい。昼間にギルドにいたのを見かけたので…」


「そうでしたか。そんな事より今は目の前の悪魔退治ですね」


 そう言って、スネアさんもビセノアの方に向き直った。



 私達はスネアさんから距離をとるように少し後ろに下がった。


 するとアイシャがスネアさんには聞こえないように私に聞いてくる。


「お嬢様。どうされますか?」


「うーん…。このままダイタスさん達があのビセノアって悪魔を倒してくれてもいいけど…。あの悪魔が私にしようとしてた話も気になるんだよね」


 ミレニアさんが話に入ってくる。


「…あの悪魔、かなり強そうだけど、ここにいる全員でいけば倒せないかな?」


「倒せるかもしれないけど、あのビセノアって悪魔、たぶん逃げようと思えばすぐに逃げられるんじゃないかな?」



 私はビセノアが黒い霧から一瞬で出てきた事や、ヘルバッファローを霧から出したことから、あの黒い霧は違う空間に繋がっていて、しかもいつでもすぐに出入り出来ると読んでいた。


 もしそうなら、私達と無理に戦わなくても、すぐにこの場を離れることが出来るだろう。



 私はアイシャ達に話す。


「ひとまず、私達はこのまま少し離れた位置にいて、この場はダイタスさん達に任せてみようか」



 私達は武器を構えたまま、少し下がりダイタスさんとビセノアの戦闘の様子を見ることにした。


 ビセノアは宙に浮いたまま、ダイタスさんに話し掛ける。


「おい。赤男。お前がウチを倒したいのはわかるけど、ウチはお前に用はない。ウチが用があるのは後ろにおる小娘だけや」



 ダイタスさんは剣を構えたまま、答える。


「だから何だと?」


「ウチはもう街にコイツら(ガーゴイル)を放たへんし、お前らと戦う意思は最初っから無いねん。だからとりあえず、そこの小娘とちょっと話させてもらえるか?」


「ふんっ。戦う意思がないだと。そんな悪魔の戯れ言を信じろと?」


「ああ、そうや。こうやったら信じるか?」



 ビセノアは地面に降りて、両手をかざすとガーゴイルとヘルバッファローが黒い霧になって、一瞬で姿が消え、そこにはビセノア一人が残った形になった。


 更にビセノアが続けて、ダイタスさんに話す。


「どうや? これなら文句ないやろ? ほなら、ちょっと後ろにおる娘と話させてくれるか?」



 そう言って、ビセノアはこっちに歩いて来ようとするが、ダイタスさんは剣を構えたまま、その前に立ちはだかる。



 そしてビセノアに言う。


「お前が彼女達を傷つけないという保証はない」


「あのなー。ウチは最初っからあの娘に会うのだけが目的やから、誰も傷つけへんわ! だから、ちょっと話させろや!」



 ダイタスさんはそれでも構えを解かず、言い放つ。


「誰も傷つけないから、話をさせろ? ふっ、断固拒否する! お前はここで私の剣で葬られるのだっ!」



 ダイタスさんは再び、ビセノアに突進し剣を振った。



 ブゥンッ!



 一瞬早くビセノアは宙に舞い、その一撃をかわした。


 そしてダイタスさんに向かって、叫んだ。


「だから、戦わへんって言うてるやろ! 人の話聞かんな、お前! 友達おらんやろ? モテへんやろ? お前!」


 ブゥンッ!



 ダイタスさんはまた斬りかかるが、ビセノアはその一撃もかわす。



 そしてビセノアに言う。


「どうした? 悪魔。逃げているだけでは私は倒せないぞ?」



 ビセノアが宙に浮かびながら、呆れたようにダイタスに言う。


「お前…。ホンマに人の話聞かんなぁ。お前みたいなけったいな奴んとこ、誰も嫁に()えへんぞ」



 その人の将来の嫁、ここにいるんですけど…。

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