~アノ楽しカッタ日々ヲ~
大変お待たせしました。
お久しぶりです。リルンです。
遅くなってしまい、申し訳ございません。
それでは、続きをどうぞ。
梨美の気まぐれのおかげで、俺達は何とか生き延びることが出来た。……だが、何故俺達を回復させようとしたのだろうか……? 何か……嫌な予感がする。
「零士君、どうしたの?」
沙也加に言われ、はっと我に返る。……そうか。まずは進むこと……か。うだうだ考えていても、前に進まない。俺の予想だけ先走ったところで、この状況は変わらない。それに俺には、沙也加を守るという仕事もあるんだ。
「……いや、何でもない。……さて、この後どうするか……だ。あの黒い扉を開ければ、梨美達のゲームは再開される。梨美の恋人、類を探さなければならなくなる。だが、休むだけ……というのもアレだ。此処を探索してみるのもいいし……」
時間に余裕があれば……の話だが。俺達がゲーム始めてから……20時間……程は経っているだろうか……。今なら時計、見れるはずだ……。……!? 止まってる……だと!? このゲームを始める前は、ちゃんと動いていたはずなのだが……。そうか……経過時間を分からないようにしているのか……。これは難しくなってきたな……。
「私は、先に進んだ方がいいと思う。此処は、本当に休憩所なだけだと思うよ。それに、梨美さんの恋人……類さんを早く見つけ、助けないと、もし類さんが死んでたら、ゲームオーバーで、私達も死んじゃうよ……?」
確かに、沙也加の言う通りだ。此処を調べ尽くしたせいで、類が死んで、ゲームオーバーになってしまうと……現実世界に帰れたとしても、死ぬことになる。……それは嫌だ。何としてでも、避けなければいけない。
「……そうだな。沙也加の言う通りだ。先を進もう」
俺は先に進むことを決意し、黒い扉を開ける。……真っ暗だ。何も見えない。恐る恐る中に入る。
ガシャン!!
俺達が入ると、黒い扉は勝手に閉まり、開かなくなっていた。……真っ暗で何も見えない。懐中電灯はどうやら、切れてしまったようだ。
「……くそ……何も見えねぇ……。おい、沙也加。離れるんじゃねぇぞ」
「うん……!」
沙也加の返事に少しほっとする。……少し元気を取り戻したみたいだな。だが、早く此処から出ないと、いつまた、沙也加の身に何か起こるか分からない。もちろん、俺も……。俺は沙也加を後ろにやりながら、一歩ずつ進む。
ぐしゃ…ぐしゃ……
歩く度、そんな音が鳴り響く。まるで何かを踏みつけているような……そんな音だった。
「……零士君…さっきから何を踏みつけて……きゃっ!!」
「沙也加!?」
「…れ……零士君…これ……」
沙也加に言われるがまま、下を見ると踏みつけているものが露わになった。
「!!」
……死体の生首達だった。俺が踏むことで、目玉が飛び出たり、顔が潰れたり、脳が出てきたりしていた。そして部屋中に充満する腐敗臭。その中には、まだ新しい死体もあった。男の人だ。しかもまだ若い。
「……梨美…こいつ、まさか類じゃねぇだろうな……?」
俺は梨美に恐る恐る聞いた。もしこの死体が、梨美の彼氏である、類ならこのゲームは終わりだからだ。バッドエンド、ゲームオーバーだ。
『……違う。こいつじゃない。類はもっとイケメンだもの……。眼鏡かけてて……可愛くて、かっこよくて……優しい人だった……』
梨美の言葉にほっとした。良かった……まだ類は無事ということっぽい。類が死んだら、きっと梨美はすぐに察知する。そして発狂する。俺はそう予想していた。
「……凄く良い人なんだね、類さん」
『うん…!! 自慢の彼氏よ。あの人以外は考えられないの。あの人の傍にいるだけで……話をするだけでも……凄く楽しかった。私は…あの日々に戻りたい……。でも……私も類も……肉体が死んじゃってるから……。……生前にもっと…楽しい時間、過ごしたかった……』
そう梨美が言うと、俺たちの目の前に、映像が出た。……生前の梨美と類らしき人が映っていた。二人は楽しそうに笑い合っていた。恋人繋ぎし、話して笑っていた。
『…あの頃は本当に楽しかった。……あの日々に…あのタノシカッタ日々に……モドリタイ……!!』
パリン、パリン、パリン!!
急にガラスが割れ出した。
「沙也加、危ない!!」
俺は沙也加を抱き締め、机の下に身を潜めた。
「…ありがとう…零士君……」
「いや……怪我はないか…?」
「うん……大丈夫。それよりも……」
机から身を出し、立ち上がる沙也加。俺もそれに続いた。
「……梨美さん、後悔していたね……」
「…そうだな」
「……蘇らせること…出来ないのかな……」
「え…?」
俺は沙也加を見る。……沙也加の目がピンク色になっていた。
『……沙也加…サァ、私を蘇らせるタメニ…ワタシノ駒になりなさい…』
これからはペース遅いですが
投稿していこうと思っています。
それでは、またお会いしましょう。




