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ドラゴンルート  作者: 56GEN


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102/102

逃げ出せない部屋

ここまで、どこを通ってきたのかもわからないくらい頭がおかしくなっているのか

部屋にはクレバー、ロイック、レイランがいるように見えた。

「いよっ」

元気そうだ・・


こいつらの誰かが、アイゼルと繋がっていたのか・・

「逃げた先に、要塞が見えて助かったんだ」

クレバーか・・・


「初めて会う人もいるからな、俺はクレバー、アイゼルとは昔からの友人だよ」

「アンタだったのかアイゼルと繋がっていたのは・・・」

ガーランドが足を机の上に乗せる。

「本当なら、教王は俺の手で正体をみんなの前で暴き、始末するつもりだったんだ。

街で皇帝に初めて会った時、ガーランド、お前の手の者かと思ったぞ。だが、すぐに力の差を感じた。酷いもんだったぜ。

宿の服を着て、自分のいる場所をわざと教えているようなもんだ。

真竜石砕きの皇帝がここに来ていると聞いて真っ先に顔が浮かんで、持っている情報を全て教えようと思い、気がついた時には宿の前にいた。

教王と戦っている時も、俺の力では助け立ちなんて出来ないと思った」


「そのゼネルを呼んだのはアタイさ。ガーランドって覚えといて」

え?どういうこと?あれは演技?

「教王が真竜石を持っている噂はあったが、最近になって例の杖を持ち出すようになり、見た瞬間あれだ!と思ったわ」

「皇帝じゃなくなったから探すの苦労したわよ、ウインザードの劇場でようやく連絡取れてよかったわ」

「まさか、あんた、奴隷商人でくるとは思わなかったわよ。今はそんなにいないからさ、目立つし臭いし」

ガーランドは目を逸らす。

「あなた、誰?」

「サーリャです」

「いい名前、若いわね・・誰の子?」

「え?」



「失礼します」

ガチャ!


扉が開いてアイゼルが入ってきた。

「こんな狭い部屋に詰めてもらって申し訳ございません」


「改めて、感謝する」

「浮遊エルセンドラの件で、こちらでも竜石の流れを調査したところ各領主や周辺のラナロ教の国々から、モナド、セルゼザル、モーンツ、ランツゴ、レッシール、ベデウスト、ソヴォの領へ一般品に偽装した形で大量に流れていることがわかった。

四日前に東バルフェリア煌都ティスから7隻の輸送船が飛び立ったと現地から連絡があり、各領地で積み込みが終わり夜、同時に離陸してヴィデを目指した。

これはベデウストの領主からの情報で彼女は殺されたと聞いている」

「四隻は捕捉して捕獲、撃墜することが出来たが、3隻は全力で飛ばしても間に合わない。そこでロイックに連絡を取り出来るだけ船をかき集めて足止めをお願いした」

ロイック!お前もか・・・

「すまんな・・・パル・・コエガ・・高山地帯で通信もしやすく傍受もしやすいんだ。アイゼルに見つかった時は村を破壊されるかと思ったが、取引を持ちかけられたんだ」


なるほどな、色々決断してきたわけか。


「我々にはまだ、強襲艇の出所、乗員の所属など、色々調査することがある」


「宗教ってのは人の心に安らぎを与えたり、強さを与えたりするが、今回の星を破壊して再生するには同意もできない世界を終わらせる行為だ。

東バルフェリアの関与は輸送船を出したという事実がある以上、こちら側として強く対処することになる。

一方で国内には、もはや領主も僧兵もいない・・

そこで、バーミリア様の使徒のお力をお借りし、国内を再編するため、

ここは、コエガ国王しかおりますまい」

誰?・・・コエガ・・俺だ。

声が出せないのに好き放題にされるのは納得いかない。


「ぱ・・コエガが国王に?騎士団・・」

「私、心の準備が・・」

「酒・グラ・作れるのか」

何の空想をしている。声が出ているぞ。


「我々がついておりますので!!」

とてもじゃない、うなずくわけにはいかない。

これは引き返せない。

ゼネルは余計なことをしなければいいのだが、


立ち上がり、指信号で、

=帰ろう=

「「「え?」」」

サーリャ、セイン、ヴァクーは驚いた。

ゼネルは指信号まではわかってないだろう。



ゼネルも立ち上がり、

「「承知した」

と言っております」

と、アイゼルに言う。

はあ?言ってないだろ?

「良かったです。バーミリア様に感謝!皆に報告しなければ!」

ま、待ってくれ!追いかけようとしても、声は出ないし、ゼネルに捕まれ動けない。

これは、全てゼネルの策略にハマったか・・

どうする。マジで。やばいって。


俺は、そこで、力尽きたようだ。

どうやって船に帰ったか、

どうやって宿に戻ったのか

どうやってベッドに転がったのか分からない。


涼しい風が額を抜けていく。目覚めると、宿屋の天井だった。

窓からは青い空と白い鳥がゆっくりと旋回しながら飛んでいる。

妙に外が騒がしい。

「ようやく、起きたね。

昨日はもう今日で死んじゃうかなって思って足震えていたけど、今日は、朝から嬉しい」


「昨日は散々だったね

声出るかな」


「あ・あ〜〜〜」

お、声が出そうだ。

「サーリャは元気でいいね」


「おっ!いつもの声だ」


「ゼネルの飲み物は、飲まないようにするよ」

「それがいいね」

「それにしても、外が騒がしい」

「すごいことになっているわ」


起き上がり、ベッドに腰掛ける。

「船で、寝なかったんだ」

「そうね」

「まだ、あのお城に止めたままになっているわ」

「部屋がぐちゃぐちゃ、配管から蒸気吹き出したり、ヴァクーがやる気を出していたわね」


ガチャ!

ドアが開きゼネルが入ってきた。


「起きたな!これ見ろ!!受け取ってきたぞ」

嬉しそうに板を裏返す。


げっ・・あの時の写真だ。

「パッチが踏まれている。面白い」

見れば見るほど、力関係そのまんまだな。

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