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前略、目が覚めたら、なぜかRPG世界にいたんだが……。  作者: 書仙凡人
第二章 前略、王都への道

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Lv.61 ガルテナ

   [Ⅰ]



 馬車の前方には、金属製の鎧を着こんだ男が3人とローブを着た女性が2人おり、俺達の進路に立ち塞がるよう立っていた。

 年齢は男女共、20代後半から30代前半くらいといったところだろう。

 5人は今、ジッと俺達を見ている。

 向こうもすぐに動かないところを見ると、俺達の様子を見ているのかもしれない。 

 俺はそこで、まず3人の男に視線を向けた。

 3人共、俺より背が高く、腕っぷしの強そうな体型の者達ばかりであった。

 その為、どいつもこいつも、かなり修羅場を潜ってそうな雰囲気を醸し出している。

 しかも3人は今、剣や斧に槍といった得物と盾を装備しているので、より一層、そういった風に見えてしまう。


(結構、場数踏んでる冒険者かもな……堂々としてるし、武具の色褪せ具合もそれを物語ってる)


 ただ、あまり厳つい顔つきの者達ではないので、強そうではあるが、威圧的な戦士ではなかった。

 寧ろ、人当たりの良さそうな雰囲気だったので、良い人達なのかもしれない。

 とりあえず、3人の戦士はこんな感じである。

 次に俺は、2人の女性へと視線を移した。

 女性は2人共、ローブと杖を装備しているので、魔法使いとみて間違いないだろう。

 彼女達からはそれなりに強い魔力を感じる。

 この魔力の感じだと、中級の魔法は、ある程度使えるに違いない。

 そして……女性は2人共、なかなか綺麗な方々であった。

 しかもその内の1人は、胸を強調する衣服を着ている為、色っぽくてセクシーな女性である。

 おまけに結構な巨乳なのだ。


(おおう……コッチは違う意味で場数踏んでそう……俺も相手してもらいたい)


 その為、俺はついついその物体に目が行ってしまう。

 そして、ついついニヤけてしまうのである。

 男の悲しい性というやつだ。が、しかし!


「痛ッ!」


 次の瞬間、右足の甲に物凄い激痛が走ったのだ。

 俺は慌てて右足に目を向ける。

 するとなんと、アーシャさんが踵で、俺の右足の甲をグリグリと踏みつけていたのである。

 アーシャさんは俺を睨みつけ、若干怒気を籠めて言葉を発した。


「コタローさん……何を見て、ニヤけてるんです。こんな時に、不謹慎ですッ!」

「そ、そうです……不謹慎でした。ご、ごめんなさい。だから、あ、足を……い、痛い……」


 あまりの痛さの為、俺は涙目になりながらアーシャさんに謝った。


「わかればよろしい」


 アーシャさんはそこで足をどけてくれた。

 そして俺は解放されるや否や、すぐさま右足の甲を撫でて痛みを緩和したのである。

 マジで痛かったので、ホイミを使おうかと思ったくらいだ。

 と、そこで、イアちゃんの悲しそうな声が聞こえてきた。


「コタローさんは……胸の大きな女性がいいのですか?」

「は?」


 俺はイアちゃんに視線を向ける。

 するとイアちゃんは、なんともいえない表情で、俺を見ていた。

 この視線があまりに痛かったので、俺は慌てて弁明した。


「ちょ、ちょっと何を言ってるの。ち、違うよ、たまたま目が行っただけさ。俺はそんな事を考えてたんじゃなくて、どういう人達なんだろうと思って観察してただけなんだよ。ただそれだけなんだ。たまたまメロンのような物体があったから、おいしそう……じゃなかった。何でこんな所に食べごろのメロンが? と思っただけなんだよ」

「見苦しいですよ、コタローさん。言い訳なんかして。というか、メロンて一体何ですか?」


 迂闊であった。

 良く考えたらこの国にメロンなんて物はないのだ。

 俺はシドロモドロになりながら説明を続ける。


「いや、だ、だからですね……メロンというのは……ン?」


 するとそこで、タイミングよく5人の内の1人が、俺達の方へと近づいてきた。

 俺はこれ幸いと思い、話を逸らすことにした。


「おや? 1人こっちに来ましたよ」

【え!?】


 2人は慌てて前に視線を向ける。

 どうやら上手くいったようだ。

 そして俺はホッと胸を撫で下ろし、安堵の息を吐いたのである。



   [Ⅱ]



 俺達の方に近づいてきたのは、目や鼻がスッと整ったダンディな顔立ちをした戦士であった。

 ちなみにその男は、短めの黒い髪をオールバックにし、整った口髭を生やしていた。

 中々に良い味を出しているダンディ戦士である。

 ダンディ戦士は馬車に乗る俺達を一瞥すると、レイスさんに話しかけた。


「失礼する。じき夜になるが、貴方がたはどこに向かわれるのだろうか?」

「我々はこの先にあると聞く、ガルテナへと向かっているのだが……それがどうかしましたかな?」


 男は後を指さした。


「ならば、このまま進まれるがよろしかろう。途中、二手に分かれているところがあるが、右手の道を進めばすぐにガルテナだ」

「そうですか。教えて頂き、ありがとうございます。ところで、つかぬ事を訊きますが、貴方がたはここで何をされているのですかな?」

「我々はこの近辺の見回りをしているところだ。近頃、魔物の数も増えてきており物騒なものですからな。我々はガルテナを警護する為、村に雇われているのですよ」

「そうでしたか……確かにこの道中、頻繁に魔物と遭遇しましたので、我々も少し数が多いなと思っていたのです」


 これはレイスさんの言う通りであった。

 確かに少々多い気がした。


「まぁそういうわけです。では、我々も見回りがあるので、これで失礼します。かなり日も落ちてきましたので、貴方がたも急がれた方が良いだろう」

「お気遣い感謝する。では」


 と言うと、レイスさんは男に頭を下げた。

 馬車の中にいる俺達も、レイスさんに習って彼らに頭を下げる。

 そして俺達は、ガルテナへと移動を再開したのである。



   [Ⅲ]



 暫く進むと、ダンディ戦士が言っていた分かれ道へと差し掛かった。

 俺達は分かれ道を右に進んで行く。

 暫く進むと、ログハウスのような丸太を使った建物が並ぶ、集落が見えてきた。

 どうやらあれがガルテナのようだ。

 山奥にある集落だからなのかもしれないが、マルディラントやフィンドと違い、石造りの建造物というのは少ない。

 考えてみれば、石よりも木の方が多いので、当たり前と言えば当たり前だ。

 俺達はその集落に向かい進んで行く。

 そして、集落の入口の付近に来たところで、レイスさんは馬車のスピードを弱めたのである。

 なぜ弱めたのかというと、集落の入り口には、槍を片手に金属製の鎧を装備した戦士が立っていたからだ。

 この立ち位置と装備内容を見る限り、恐らく、村の守衛かなにかだろう。


「ようやくガルテナに着きましたわね。長かったので疲れましたわ」

「私もです」

「俺もだよ。ガルテナに着いたら、すぐに宿へ向かおう。早く寛ぎたいからね」


 2人はコクリと頷く。

 その後、俺達は入口に佇む守衛と少し問答をした後、ガルテナの中へと入ったのである。

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