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駒唄  作者: 無二エル
35/93

姉弟子の挑戦

 7月中旬


 姉弟子の聖麗戦タイトル挑戦が決まった。

 タイトルを取れば賞金700万、女流で一番賞金の高い棋戦だ。


「おめでとうございます!姉弟子!」

にこにこ「・・・」


 姉弟子嬉しそう!

 姉弟子にとって、初めてのタイトル挑戦ですよね?


「流歌が女王を取ったし、凛もタイトル挑戦か。我が荒木一門にもようやく春が・・・」


 師匠が泣いてる。

 そういう師匠はフリークラスに落ちちゃった。

 60歳で引退が決まっている。


「でも凄いですよね。姉弟子の戦型、今女流将棋を席巻していますよ」


 私との対戦で出して来た姉弟子の新戦型。

 振り飛車の多い女流の中で今旋風を巻き起こしている。

 最近では男性棋士にも注目され始めている。


「橘流と言う名前まで付いたね」

「棋士の夢ですよね。自分の考えた戦型に名前が付くのは」

にこにこ「・・・」


 いいなぁ。私も考えようかな。

 なんて、そんな簡単に出来れば苦労しないんだけどね。


「とにかく凛、8月からのタイトル戦頑張るんだよ」

こくこく「・・・」

「わ、私にもなにか出来る事があれば・・・」

ううん「・・・」

「流歌ちゃんは三段リーグを頑張って、だそうだ」


 なんで解かるんだろう。謎だ。



-------------------



 8月後半からの夕日杯将棋オープン戦にエントリーされた。

 やった、私が得意な椅子対局だ。


 夕日杯将棋オープン戦とは、タイトル戦では無いのだが、優勝賞金750万の一般棋戦。

 全局椅子対局で持ち時間40分で行われる。

 正座が苦手な私にとって、一番ありがたい大会。

 オープン戦なのでアマや女流にも解放されている。


 私は、椅子対局が一番力を出せると思ってる。

 正座で足が痛くなって来ると、気になって盤面に集中出来ない。

 わざわざ枷をつけられて戦っている気分になる。

 甘い事言ってると思われるかもしれないが、理屈は通ってると思う。


 優勝賞金も高いし、頑張りたい棋戦だ。

 いや勿論他の棋戦も頑張るけどさ・・・

 挑むうえでのモチベーションと言うか。

 なるべく長く椅子に座っていたいと言うか。

 まあいいや、取りあえず楽しみが増えた。



---------------



 7月下旬


 女流玉座戦本戦の1回戦に挑む。

 相手は一次予選からあがって来たアマチュア。

 若いなー、12歳くらい?

 ああ、東海の研修会の子なの。

 じゃあ尊敬する棋士は王太君かな。

 そんな事を考えているうちに勝った。



 8月初旬


 唐突だが石垣島に来た。

 今日から白湯女将棋部の夏合宿だ。

 玲奈の別荘に泊まります。


 参加者は将棋部全員の16人。

 1年生も全員参加。

 大会に応援に来なくても、遊びなら来るのね。

 いや、遊びじゃ無くて、強化合宿だけどね。


「う~~~みぃぃぃぃいい!!!」

「うわ?!那由いきなり大きな声出さないでよ」


 見渡す限りの透明度の高い海。

 南国だ。トロピカルな匂いがする。


「暑いのだー」

「花音ちゃん、飛行機でよお寝てたな」


 涎の後が付いてるよ。

 こらこら、服で拭いちゃ駄目。


「ここが玲奈の別荘なの?」

「おぉきいねぇ」

「プライベートビーチもありますわよ」


 なんておあつらえ向きな。

 隔離されたビーチで男の目を気にする事も無く、肌出し放題だってさ。


「・・・中も広いね」

「16人だと流石に窮屈かも知れませんが」


 そんな事無いよ。2人で1部屋使えば十分。

 リビングダイニングも広いし。

 おや、玲奈が荷物から塩ビの将棋盤とプラ駒を取り出してる。

 流石に木の盤は持ってこれないよね。


「ではさっそく・・・」

「早速海だね!」「う~~~みぃぃいい!」「ウミダー」

「え?み、皆さん、将棋部の合宿なんですから」


 時間はたっぷりあるでしょ。

 夜とか。


「で、ですが」


 ええい、面倒だ。ここで着替えて押し切ろう。

 上着を脱いでブラをポロン。


「な、なんてハレンチな!」 

「水着持って来たんでしょ?遊ぼうよ」

「そうだよぉ。シャリーはもう着替えてるよぉ」


 おお、シャリーさすが外国人。

 布の面積の小っちゃい黄色のビキニ。


「ミンナの分も、モッテキタヨー」

「・・・え?」「なんで?」「わ、わぁ、ヒモが」


 わあ、グラビアアイドルが着るような機能性無視の水着だ。

 どこでこんなもの・・・


「ルカのはコレダヨー」

「オレンジなんだね。よし、じゃあ着がえよっかな」

「・・・え?」「る、流歌ちゃん着るのぉ?」「ぼ、ボク恥かしいよ」

「せっかくシャリーが持って来てくれたのに、皆は着ないの?」


 どうせプライベートビーチなら恥かしくないよ。

 体には自信あるし。胸はBだけど。


「皆がシャリーの気持ちを無駄にするなんて」

「キタクナイなら別にイ・・・」

「ああ!白湯女将棋部の絆はこんな物だったのね!」


 ヨヨヨと泣くふりをしながら崩れ落ちる。

 チラッ


「花音は着るのだ」

「ええ?ほんまに?!」

「織華も着るのだ。一緒に海で遊びたいのだ」

「ええ?!で、でも」

「美しい友情ね、1年生も着ると言うのに2年と来たら」

「・・・解ったよ。着るよ」

「えぇ?」「は、遥まで?」「う、嘘ですわよね?」


 遥もスレンダーでスタイル良いもんね。

 それに確か胸がCだし。

 あ、花音ちゃんが着替え終わっちゃった。

 幼女体型なんだね。ピンクのビキニが可愛いよ。

 もういいや、私も着替えよう。

 わーこれちょっと動いただけですぐに食い込む―。


「どう?」

「わぁ、やっぱり流歌ちゃんスタイル凄いねぇ」

「ぼ、ボク、やっぱり無理だよ。胸もAだし・・・」

「私もぉ」


 那由と頼子はAなのか。

 何となく知ってた。


「でもさ、これ面積小っちゃいから胸が小さい方が」

「・・・うん、Cだとちょっとはみ出るんだけど」


 おお、遥似合ってるよ。

 クールビューティにお似合いな青のビキニ、横乳がセクシー。

 これ以上胸が大きい人はぼよんぼよんたゆんたゆんしそう。


「そぉいう問題じゃなくてぇ!」

「頼子、こんな機会滅多にないよ?一度くらいこういう水着着てみたいと思わないの?」

「・・・そうだね。日本じゃなかなかこういうのは」

「知らない人に見られる心配も無いし、チャンスだよ?」


 なんのチャンスだろ。

 言ってみたけど意味不明だった。


「ぼ、ボク、着てみようかな」

「えぇ?那由ちゃんまで?」

「み、皆さん、落ち着いてほしいですわ」

「シャリー、玲奈のは?」

「ヒョウ柄ダヨー」

「なんですって!!!」


 わー、一番エロ・・・派手じゃない。

 絶対見たくなった。


「この部の部長って誰だっけ?」

「え?わ、わたくしですわ?何を今更」

「こう言う時、部長が率先して部員を引っ張るもんなんじゃないの?」

「ええ?」

「か、花音ちゃん、ウチやっぱりはずかしいわ」

「織華とはしゃいで思い出を作りたいのだ」

「うう」

「ほら、迷ってる後輩の背中を押してあげないと」

「え?え?ど、どうやって?」

「玲奈がヒョウ柄を着る事で皆に勇気を与えるんだよ。部長の後に付いて来るんだよ」

「ええ?そ、そうなんですの?」


 そうに決まってる。

 ほらブチョウとメヒョウってなんか響きが似てるし。

 そうでもないか。


「ど、どう?ボク似合ってる?」

「似合ってるよ那由!緑のビキニが可愛いよ!」

「えへへ、照れちゃうなぁ」


 ほら、着てみると満更でも無いでしょ?

 あれ?まだ着てない人が居るの?

 ジー


「れ、玲奈ちゃん、見られてるよぉ」

「な、何故だか肩身が狭くなりましたわね」


 すでに私とシャリーと遥と那由と花音ちゃんが着ている。

 はあ、先は長いな。


「他の1年生ちゃん達、着るの着ないの?」

「えー」「恥ずかしい」「わたしはどっちでも」


 モブの内の2人が着替え始めた。

 これで7人か。


「織華、早く遊びたいのだ」

「ふ、普通の水着なら、ええよ」

「ちょっと待って織華ちゃん、皆が露出の多い水着を着ている中、厚ぼったい水着を着るの?逆に恥ずかしいよ?」

「えええ?」

「だって考えても見てよ。温泉の中に服を着て入って行くようなもんだよ?」

「え・・・そうなんやろか」


 そうに決まってる。

 と言うかそういう事にして欲しい。


「ほ、ほな・・・着てみようかな」

「また一人勇気ある若者が誕生したわ。皆、拍手」パチパチパチ


 パチ パチ   パチ

 何故かまばらだ。


『織華ちゃんが着るのなら』『私も着てみよっかな』


 そしてモブ2人追加。

 これで10人、あと6人か。


「玲奈、そろそろこっちも説得の材料が無くなって来たから観念しなさいよ」

「なんですかその君島さんの都合は」

「私だって玲奈と思い出を作りたいんだよ?棋戦を控えてるけどこの合宿だけはどうしても来たくて」

「そう言われましても・・・それとそのハレンチな水着を着る事とどう関係が?」

「思い出と言うのは、普段と違う事をした方がより鮮明に残るんだよ。むしろいつも通りだと忘れちゃうんだよ」

「ま、まあ、理屈は解りますが」

「だからお願い。私はヒョウ柄の水着を着た玲奈と思い出を作りたいの」

「・・・・・・」


 最期は友情アピール。

 さあどうだ。


「はあ、しょうがないですわね」

「よし、後は頼子ね。早くおっぱい見せなさいよ」

「なんか雑ぅ!」


 四の五のうるさかったけど、結局みんなでシャリーが持って来た水着を着る事となった。

 おおお、玲奈はそれ何カップなの?F?なかなかやるわね・・・

 そして織華ちゃん、いえ、織華さん、そのブラカップの両側からはみ出る・・・その・・・カップ数は・・・?


「え、H・・・やねん」


 そう・・・

 この合宿の間、貴方が女王で良いわよ。

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