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闇落ちした天使は恩寵を受け、咲き返る  作者: 空雨 依里


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プロローグ

よろしくお願いします

「お願い……やめて…っ」


 薄暗い部屋の中に、少女の声が響いた。

 そこにはいろいろな装置があり、そのコードは少女の体と繋がっていた。

 ──いや、刺されていると言ったほうがいいかもしれない。


 少女は鎖で繋がっていて、白い体は血が滲んでいる。逃げたくても逃げられない状況で、コードから電流が流れる。


「っう」


(痛い……いた、い…?)


 少女の心は限界が来ようとしていた。

 普通の少女。あるところだけを除いて。

 ──それは、背中についている“羽”、その白かった羽は……今となっては白がほとんど赤く染まっている。


「うるさい。電圧をあげろ」


 少女の悲痛な声を拾った白衣を着た男は、簡単に拒絶し、部下である者に構わず命じた。


「しかし……これ以上は……」

「構わん、なにせ()使()は死なないだろうからな」


 男は、ガラス越に視線を下に向けて──全てのものを支配するような目で見た。


「っ〜〜〜〜〜〜────!!!!」


 あまりものの痛みに、声にならない叫びが口から上がる。


(もう……ダ、メ……)


 そして、少女の意識はそこで途切れた。



◇◇◇



 少女の目から一筋の涙が流れた。

 意識がなくなったはずの少女は、別の意識が動いていた。


(もう──いいや)


 そう思った瞬間、繋がられていた鎖がガキッと音を立ててゴナゴナになる。

 そして、白に近く、銀を帯びている髪と羽が()()()()()と変わっていく。


 それに気づいた男は「ひっ」と悲鳴をあげた。


(怖いなら最初からやらなきゃいいのに)


 少女の体に入った別の意識はそう思った。

 思わず胸に手を当てる。この体の少女──シェリーシェがここにいる感覚がした。


 だが、まったく反応がない。

 ──まるで眠っているかのような……


(眠っているのね、私が助けてあげるからね。さあ、ここから復讐の時間よ)


 神の力を使えば、簡単にこんなところから出られることを。壊せることを。シェリーシェが傷つけたくないからって、わざと力を使わなかったことを──知らない愚かなものたちへの。



読んでくださりありがとうございました。

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