第61話
焼き鳥屋「鳥太郎」から出た木嶋、富高さん、小室さん、大森さんは、最寄り駅に向かって歩いていた。
木嶋は、
「大森さん、どうするのかな?」大森さんに聞いていた。
「二次会あるの?」少し困惑した顔を出していた。どうやら、翌日に予定があるらしく、駅前にあるバスロータリーに向かい、バスで帰ろうとしていた。
木嶋は、
「どこに帰るのかな?」大森さんに尋ねていた。
大森さんは、
「どこに帰ろうがいいじゃないか?」赤い顔をしながら、木嶋に言葉を返していた。
小室さんは、酔っ払い気味に
「大森、もちろん茅ヶ崎に帰るんだよな!」大森さんに問い掛けていた。
大森さんは、
「当たり前じゃないですか!」小室さんに話したのだ。
木嶋は、
「小室さん、違いますよ。茅ヶ崎に帰りません!今、湘南市に住んでいると言っていますよ。」小室さんに伝えたのだ。
「湘南市?木嶋、そんな新しいとこ出来たのか?」小室さんは、木嶋に聞いていた。
「大森さんと昼休みに話しますが、いつも、そう言われていますよ。湘南市に住んでいるってね!」木嶋は、小室さんと富高さんに話したのだ。
富高さんも、
「自分も、初めて知ったよ!そんな新しい町が出来たなんてね!驚きだよね。」
木嶋と2人で、
「ハハハ」と笑っていたのだ。
大森さんは、
「木嶋君、酷いことを言うよね。」木嶋に反論をしたのだ。
木嶋は、
「何が酷いのですか?いつも大森さんは話しているではないですか?湘南市だって…」
小室さんも、
「ハハハ」と笑っていたのだ。
街は、忘年会シーズンと言うこともあり、ホロ酔い気味の年配方
「俺は、一旗挙げるぞ。やってやるぞ。」絶叫している若者
手を繋ぎ、肩を寄せ合って、街をカップルたちが歩いていた。
木嶋は、
「大森さん、また来週。湘南市に気をつけてお帰り下さい。」頭を下げて大森さんと別れたのだった。
小室さん、富高さん、木嶋の3人は、地下のコンコースまでエスカレーターで降りて行ったのだ。
地下のコンコースに降りた3人は、
「これからどうしますか?」木嶋は、富高さんと小室さんに問い掛けていた。
富高さんは、
「小室さん、どうされますか?」小室さんに聞いていた。
小室さんは、
「富高は、どうすんだ。」富高さんに尋ねていた。
「木嶋君は、どうするの?」富高さんは、木嶋に問い掛けていた。
木嶋は、
「どうするかと言うと…。そうだね〜。はるかさんのいる横浜のクラブ『H』に行こうかなと考えているのですが…。」富高さんに話したのだ。
富高さんは、
「木嶋君も、はるかさんのことが好きなんだね!」木嶋に伝えながら苦笑いを浮かべていた。
富高さんの右横にいた小室さんは、
「よし、決まった。横浜に行くぞ!」木嶋と富高さんに話しながら、夜空に向かい、右手の拳を振り上げていた。
木嶋は、
「本当に行くのですか?」半信半疑の気持ちを抱きながら小室さんに聞いていた。
小室さんは、
「俺が行くと言ったら行くんだよ!」
富高さんは、
「木嶋君、こう小室さんが話しているのだから一緒に連れていこうよ!」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「OKです。」富高さんに言いながらコンコースを歩き始めた。
歩き始めてから、どのルートで行こうかと考えあぐねていた。悩んでいた。振り返ると富高さんと小室さんは、市営地下鉄のホームに向かっていた。
2人のあとを、追い掛けるように木嶋は、走っていた。
「お〜い。待って下さい。」息を切らしながら、市営地下鉄の改札前に来たのだった。
普段、木嶋は、相鉄線で通勤しているが、富高さんと飲みに行く時は、市営地下鉄にしたり、相鉄線にしたり、飲みに行く場所によって臨機応変に対応していた。
今回は、市営地下鉄を選択したみたいである。
小室さんも、通勤は、市営地下鉄を利用をしていたのであった。
木嶋は、財布を取り出し、横浜駅までの運賃表を見上げ、キップ券売機でキップを購入したのだ。
小室さんの右手には、小さなビニール袋を持っていた。
木嶋は、
「小室さん、その中に何が入っているの?」小室さんに尋ねた。
小室さんは、
「うん。これか?ビールだよ。富高の分と木嶋のも入っているよ!」木嶋に伝えたのだ。
木嶋は、
「これから、横浜駅で降りるのに、まだ電車の中で飲むのですか?」小室さんに聞いたのだ。
小室さんは、
「着くまで時間があるだろ?富高に聞いたら飲むと言っていたから買ったよ!」木嶋に伝えたのだ。
木嶋の脳裏には、富士松さんとはるかのことが、過ぎっていたのだ。