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第59話

木嶋は、電車の座席に、一人で座って考えていた。

「HERMESか…」

心の中では、どんな商品を買うことになるのか不安をつのらせていた。

自宅近くの最寄り駅に着いた木嶋は、携帯を片手に持ち歩きながら、

『HERMES』のサイトにアクセスをした。

携帯の画面で見ているので、さすがに商品を見ることは出来なかった。

家に帰宅して、パソコンのスイッチを入れた。『HERMES』のサイトに、もう一度アクセスした。

ホームページを開いた木嶋は、

「こんなに高いの…!」商品の種類と金額を見て驚いていた。

木嶋は、はるかに、会社が不況により収入減なので

「誕生日とX'masプレゼントは一緒だよ。」と話してはいたが、金額にして、今、木嶋が出せる金額は、両手が精一杯だった。

両手とは、10万円である。

木嶋の勤務している会社は、車関係の仕事をしているが、好不況の波が顕著けんちょに現れるのである。

はるかと出会った時に、木嶋の応援している野球チームは、ジャイアンツであり、その年は、日本一になったのだ。

仕事に関して言えば、会社は、どん底から、はい上がろうと、必死になっていたのだった。

木嶋は、今、乗っている車を買い替えてから2年ぐらい経過していた。

金銭的にも、あと2年支払いが残っているので、精神面でも、10万円と言う金額は、今の木嶋にとってプレッシャーでもあったのだ。

「果たして、はるかに、こんな金額を出していいものなのか?麻美さんが言う通り、他のお客さんからもっと高価な商品を貰っているのではないか?」そう感じていた。

「HERMES」のホームページからYahoo!のトップページに戻り、他のブランドメーカーのホームページをクリックした。

「LOUIS VUITTON」、「GUCCI」などのホームページを見ていた。どこのブランドも商品の種類が多く、金額が出ていないのもあったのだ。

木嶋は、パソコンの電源を切り、布団の中に入った。

次ぎの日、朝、早く起きた木嶋は、一人で横浜駅に向かったのだ。

横浜駅を下りて、向かった先は、高島屋のブランドショップがある1Fと2Fに歩いて行ったのだ。

目的は、ブランドショップに置いてあるカタログを取りに行き、参考資料として家で見るためであった。

色んなブランドカタログを手に持ちながら、木嶋は、横浜駅をあとにしたのだった。

再び、家に帰り、ブランドカタログをパラパラ見ていた。

「どこも金額の桁が違い過ぎる。」それが、木嶋が抱いた印象だった。

前日、はるかに会ったとき、「HERMES」でも安いのがあると木嶋に話していたことを思い出したのだ。

「今から、また横浜に行くのも、身体的にも辛い。仕事帰りに、セレクトショップに寄って見よう…。そこにヒントがあるかも知れない。」木嶋は、仕事帰りにセレクトショップを寄ることに決めたのだ。

会社に出勤して、帰る時間になり、ロッカーで着替えていた木嶋は、

「木嶋君、元気かな?」右肩を、

「ポン」と叩いたのは、富高さんだったのだ。

「どうしたの?浮かない顔をして…」木嶋に声に掛けた。

木嶋は、

「いや〜、はるかさんのことで悩んでいるんだ。」富高さんに伝えたのだ。

「悩みって何かな…自分で良かったら話して見てよ。」木嶋に話していた。

「はるかさんのプレゼントで悩んでいるんだ。」富高さんに話したのだ。

富高さんは、

「はるかさんって…クラブ『H』のはるかさんだよね。」木嶋に尋ねたのだ。

「クラブ『H』のはるかさんですが…誕生日とX'masプレゼントを一緒に渡すことで悩んでいるよ。」富高さんに伝えたのだ。

富高さんは、

「木嶋君が、プレゼントで悩むのは、分かるよ。はるかさんは、若いから『ブランド物』が欲しい年代だよね!」木嶋に話したのだ。

木嶋は、

「そうですよ。はるかさん、プレゼントしてくれるなら、ブランドの『HERMES』の商品がいい…と、はるかさんが言うんだよね。」富高さんに伝えたのだ。

「自分には、『HERMES』って高いイメージしかないんだよね。」富高さんも同じ意見だったのだ。

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