第22話
木嶋は、はるかに指定されたカフェショップ『Y』に入った。1Fのフロアを見渡したが、はるかの姿が見えなかった。階段を上がり、2Fのフロアを見渡した。はるかが、奥の窓際の席に座っていた。
木嶋は、はるかに声を掛けながら席に座ったのだ。
「はるかさん、お待たせしました。」
はるかは、
「待ちくたびれましたよ。」笑いながら、木嶋に話していた。
木嶋も、思わず苦笑いをしていた。
はるかは、
「木嶋さん、先ほど、誰とメールをしていたのですか?」木嶋に、聞いた。
木嶋は、
「はるかさん、良くメールしていたなんて分かりましたね。麻美さんとメールをしていました。
はるかは、
「判りますよ。木嶋さんに声をかけたのですが、聞こえなかったみたいで、誰とメールをしているのかな?と、私は、うしろからコッソリ見ていましたよ。」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「コッソリ見ていなんて気付かないよ。そういう時は、声をかけて下さい。焦るじゃないの?」はるかに、話した。
はるかは、
「木嶋さんを、麻美さんに捕られたくないですよ。」木嶋に、伝えたのだ。
木嶋は、
「自分も、はるかさんにそんなことを言われると嬉しいね!麻美さんは、バツイチで子供がいるからね。」はるかに、伝えたのだ。
はるかは、
「そうなんですか?麻美さん、子供がいるんですか?私は、かなりのわがままです。同年代と話しているより、年上の人と話していた方がいいのです。」木嶋に、伝えたのだ。
木嶋は、
「正論かも知れないね。クラブ『H』の客層は、自分が富高さんと飲みに行くと、たまたまかも知れないが、年配の方は見るが、若い人たちは見ないからね。」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「木嶋さんも、そう思いますか?クラブ『H』にいると、その人たちと接している機会が多くなってしまうのです。」木嶋に、話していた。
木嶋は、
「いずれ、社会に出るのですから若いお客さんが来た時は、話しをして見るのもいい機会だと思いますが…。なかなか、そう言う機会に合わないかも知れないね。」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「そうですね。若い人についたら話しをしてみます。」木嶋に、話したのだった。
木嶋は、腕時計を見た。時間は、午後6時30分頃になろうとしていた。
「はるかさん、今日は、クラブ『H』に出勤ですか?」木嶋は、はるかに、聞いていた。
はるかは、
「今日は、クラブ『H』に出勤です…。木嶋さんとのデートを楽しみたいのが本音ですよ。」木嶋に、伝えた。
はるかは、
「電話をして来ますね。」木嶋に、声をかけて、席を立ち外に出て行った。
木嶋は、思案していた。
「何を電話しに行ったんだろう。」
少しして、はるかが木嶋の席に戻って来た。
「はるかさん、どこに電話して来たのですか…?」木嶋は、はるかに聞いていた。
はるかは、
「今、クラブ『H』に今日、体調不良で休みますと電話して来たのです。」木嶋に、伝えたのだ。
木嶋は、
「はるかさん、欠勤になりますよ。、給料から引かれるでしょう。いいんですか?そんなことをして…。」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「今日は、行く気分になれないんですよ!木嶋さんとの一緒にいた方が楽しいですから…。限られた時間を有効に使いたいです。」
木嶋は、
「今日は、気をつかわせて申し訳ないね。ゆっくりして行きましょう。自分も、時間は空けてあります。このあとは、どちらに行きますか?」はるかに、聞いていた。
はるかは、
「高島屋で買い物をしたいのですが…木嶋さんは、どうなされますか?」木嶋に、聞いた。
木嶋は、
「東急ハンズに寄りたいな!見ているだけでも楽しいからね。その中で、自分で欲しい物があれば買いますよ。」
はるかは、
「私も、東急ハンズで欲しい物があるので、一緒に買ってきて頂けませんか?」
木嶋は、
「いいですよ。東急ハンズに着いたら、連絡をしますからね!」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「分かりました。連絡を下さいね。そろそろ、こちらを出ましょう!」木嶋に、声をかけて席を立った。
木嶋は、会計カードを持ち、1Fまで降りて行ったのだった。
はるかと木嶋は、コーヒーショップ『Y』から高島屋と東急ハンズに分かれて歩き出したのだった。