第20話
土曜日になり、布団から起きた木嶋は、外の天気が気になり空を見上げた。雲一つない快晴あった。
「はるかとデートするときは、雨や雪に遭ったことはないし…晴れる確率は高いなぁ〜。」木嶋は、心の奥底で話していた。
家の壁時計の時間を見た。時計の針は、午後12時を過ぎたばかりである。
「待ち合わせ時間を決めていなかったかな?メールで聞いてみよう。」木嶋は、側にあった携帯を片手に持ち、
はるかに、メールをしたのだ。
「おはようございます。はるかさん、待ち合わせ時間は、何時にしますか?」
はるかから
「木嶋さん、おはようございます。待ち合わせを決めていませんでしたよね。時間は、夕方になりますが、午後4時で、お願いします。場所は、カフェレストラン『F』でお待ち下さい。」メールが返って来たのだった。
木嶋は、
「了解しました。」はるかに、メールを返信したのだ。
木嶋が、家を出て最寄り駅に向かった。
「ズッ、ズッ、ズッ」スニーカーで歩く音が、アスファルトに響いている。
初めて迎えるホワイトデー。最寄り駅に着いた木嶋は、ふと、息を
「フー」と吐いたのだ。
「はるかは、何を見つけたんだろう。」ジギルとハイドが入り混じっている。
「短絡的に、考えるとブランド物になるのかなぁ〜誕生日のプレゼントは、『LOUIS VUITTON』だった。」木嶋は、さらに自問自答していながら、何故か、納得していた。
待ち合わせ時間前に、横浜駅に着き、カフェレストラン『F』に入って待っていた。
カフェレストラン『F』は、最近良く待ち合わせ場所に使っていた。
木嶋は、席に座り、アイスコーヒーとフライドポテトをオーダーして、はるかが来るのを待っていた。
アイスコーヒーを飲みながら、携帯の待ち受け画面で、iモードを操作しながら、待つこと10分ぐらいしてはるかが、店内に入って来た。
はるかは、木嶋の、反対側の席に座り、ホットロイヤルミルクティーをオーダーした。
木嶋は、はるかと会うのは、1週間ぶりであった。 ホットロイヤルミルクティーが、はるかの元に運ばれてきた。
木嶋は、
「お久しぶり。はるかさん、元気でしたか!」はるかに、尋ねた。
はるかは、
「少し、体調を崩していました。今は、体調万全ですから安心して下さい。」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「正直、今日、はるかさんが来てくれるか不安でしたよ。来なかったらどうしようかなと思っていました。」はるかに、伝えたのだ。
はるかは、
「私も、木嶋さんが来てくれるか不安でした。バレンタインデーでチョコレートを渡したまではいいのですが、ホワイトデーでお返しを戴いたことは、一度もなかったのです。」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「はるかさん、クラブ『H』では、人気あるし、X'masや誕生日などは、プレゼントを抱えて帰っていそうだと思うんだ。」はるかに、伝えたのだ。
はるかは、
「私は、人気なんかありませんよ。働いている時間が短いから他の人から比べたらまだまだですよ。」木嶋に、話したのだ。
木嶋は、
「そんなものですかね。」はるかに、話していた。
はるかは、
「そんなものですよ。」木嶋に、言葉を返したのだった。
木嶋が、
「ここを出て、ホワイトデーのプレゼントを見に行きましょう。」はるかに、声をかけた。
はるかは、
「そうですね。行きましょう。」木嶋が席を立ち、はるかが、あとから立ち上がりカフェレストラン『F』のドアを開けた。
木嶋は、
「どこに行くの?」はるかに、尋ねた。
はるかは、
「相鉄ジョイナスの方に、ブランド品が置いてショップがあるので、そこに行きたいです。」木嶋に、歩きながら話していた。
木嶋は、
「そこに行きましょう。」はるかのあとを、歩いて行ったのだ。
はるかが、先に、ブランド物が置いてあるショップに着いていた。
木嶋は、姉がいる。ブランド品の名前を聞いていたが、木嶋自身も多少なりとも見たり聞いたりはしていたが、
「カルチェ、レノマ、GUCCI、LOUIS VUITTON、COACH」
色んなブランドの名前を、はるかは、木嶋に、教えてくれたが、段々と、思考回路が混乱してきたのだった。
木嶋は、
「こんなに、色んなブランドの名前があるなんて知らなかった。」はるかに、話したのだ。
はるかは、
「木嶋さん、私が、教えますからね。」木嶋に、話していた。
木嶋は、
「これを機会に、はるかさん、教えて下さい。」はるかに、頭を下げたのだった。
はるかは、いやな顔をせずに
「いいですよ!」気さくにOKしてくれたのだった。