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只今、マリトル王国に潜伏中です。誘拐事件 02

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今回の物語も楽しんで頂けましたら幸いです。

「ですから、子どもが攫われたのです!」

「うちの子を助けてください」

「お願いします!助けてください!」

 ビットはハイエルさんと攫われた子供の親達に伝え、第一警備隊に訴えてに向ったが。

「我々は忙しい。どこかで遊んでいるだけだろう。本当に行方知らずになったら探してやる!」

 そう言って、まともに相手もせずに突っぱねられた。


「既に、ウチの子は二日も行方不明ですよ!」

 食い下がる母親の姿を見て、貧しい家だとわかると、今度は

「うるさい!攫われた証拠でもあるのか!?知り合いの家にでも転がり込んでるのだろう」

 攫われた証拠を出せと言って突き放し、そのまま第一警備隊の本部から追い出されてしまった。


「こうなればハンターに頼んで動いてもらうしか…」

 そう親達と相談を始めていると、

「おや?ハイエルさん。今日は洗濯屋はお休みですか?」

 通りかかったのは、いつも簀巻き犯人を確保してもらっている警備隊の方々だ。

 彼らは先ほどまで訴えてた第一警備隊ではなく、第二警備隊の方々で、本日は訓練の日でたまたま演習場からの帰りだった。

「隊長さん実は………」

 今までの事の次第を話すと、直ぐに捜索に手を貸してくれる事になった。


 その頃、マグリート商会に身代金を要求する手紙が届けられていた。セルジュオ達も既に身代金を用意してスタンバイ済みだ。

 既に、メイから詳しい理由は聞いていおり、作戦も立てていた。

「まさか、人買いの斡旋でもしてるのか?商業ギルドは」

 苛立ちを押さえず語るハンターギルド長のブルファムも、アース本店で待機してもらっている。


「犯人からの手紙の内容は、アースの子どもを預かっているから、共通金貨300枚をマジックバッグに入れて会長に持たせ、明日の9の鐘に南門から出た先にある森の湖まで、ランドリー車に乗って一人で来るよう指定しされてます。その時アースの子どもを引き渡す。と書かれていますが、どうやらユートさんは、自分をアジトに残らせるように誘導するようで、犯人アジトに乗り込むタイミングには何か合図を出すそうですよ」

 請求内容を読み上げながら、少し呆れながら俺からのメッセージを一緒に伝えるセルジュオ。


「元々いつでも逃げれる状態のようだが、どうやらこの事件を大ぴらにして、今まで売られた子の行方を商業ギルドに責任を取らせるつもりのようだな」

 アイルがユートの思惑を説明すると、ブルファムも少し溜飲(りゅういん)が下がった様だ。


「確かに、他の子ども達は保護されているから理解できるが、無茶なことをすんな〜お前さんとこのトップは。だが嫌いじゃねえ」

 船に保護された子ども達を見ながら、ブルファムが呆れながら語る。

「ふふ、普通の子どもならそうでしょうが、ユートさんの影には常に多数のオートマタの護衛がついてます。逆にやり過ぎないか心配ですよ」

「そ、そうか。じゃぁ、計画通りにハンター達を明日の9の鐘までに、指定された場所の周辺に配置しておくぞ」

「よろしくお願いします」





「ふふふふ」

「何が可笑しい!」

「だって、自分たちが賢いみたいに言ってる割には、杜撰(ずさん)な計画だからね」

「何だと!」

 揺さぶりを掛ける俺、大声で怒鳴る男。


 少し前から受け渡し準備の為か、数名の仲間が集まってきている。

 そろそろ交代の時間だ。数名がこの部屋に近づいて来ている気配がするので、見張の【熟睡】を解除しておくと、そこに交代メンバーと一緒に、子ども達の泣き顔を見に来たとゲスな笑いをしながら数名のクズも一緒だった。


「だって俺を連れていけば、その場で捕まえられちゃうのにさあ。幾ら王都から離れているからって、受け渡し場所がわかっていれば、相手からもこちらが丸わかりだって分かんないの? それに時間前から潜んでいれば、その時点で捕まるじゃん」

「はっ。ちゃんと考えてんだよ。あの馬車を奪って逃げるんだよそれも王都とは別の方角にな」

「そうだ。だいたい訴えられなきゃぁ、そう簡単には警備隊は動かねえぜ」

「ふ〜ん、んでその人だけが共通金貨300枚を独り占めって事だね」

「「「………」」」

「なっ何言ってるんだガキ!いい加減なこと言ってんじゃねえ」

 動揺したのか、声を荒立てる。


「別に?だってたった一人で俺との引き渡しするんだよね。金もって逃げるの一人だけだし。でも、アースの車を奪うんなら運転できなければ意味ないけどね。まあ、無理ならそこまで乗ってきた馬車で逃げれば良いだろうけど。どの道、俺を引き渡したら即、捕まるだろうから」

「はっ知らんのか!警備隊は塀の外までは「誰も警備隊なんて言ってないでしょう」…」

 被せるように喋りかけ、煽(あお)る。


「知らない?一応は商会としてるけど、アースって国だよ。国なら自国の兵士ぐらい所有してるよね」

「かっ勝手に他国の兵士が動いたら不味いだろう!」

「そっそうだ!それに貴族や金持ちは面子を気にして攫われた事を隠すもんだぞ」

「そりゃね。でも王都の内では無理かも知れないけど、自衛の為なら問題ないでしょう。それに僕、貴族じゃかいから面子なんて気にしないけどね」

 さあどうするかな?疑心暗鬼という種子は植え付けた。


 高貴な方やその身内が誘拐された場合、男女問わず誘拐された事を隠すのが一般的だ。なので、普通なら身代金を請求する場合は、人気が無く警備隊が来ない城壁の外を取引場所に選ぶのがセオリーなのだろう。

 仲間を大切にするアースの民だから、請求に応じると踏んだのだろうが、俺は違う。

 面子を気にしない庶民だ。通常通りには行かない事に気づいたようだ。


 俺の揺さぶりが効いたのか、当初の予定が変更になり、受け取りには3名で向かう事になった。

 当初は、会長の知り合いさん一人が行う予定だったが、金の受け取りメンバー増員となる。

 信用されてないんだね、会長の知り合いさんは。




 身代金受け取り完了時した翌朝に王都内で解放する。代わりに一緒にいた子どもを一緒に連れて行くから、その子から安否の確認をしろと書かれた手紙が、マグリート商会に朝一番に届けられていた。


「どうやらユートさんの予定通りに進んでいますね」

 手紙を受け取ると、セルジュオが変更について読み上げる。

「我々も予定通りに準備を始めるか」

 アイルの合図で動き出す。

「ワシらは何をすればいいんじゃ!」

 張り切るドワーフ二人とトールの三人。


「…あぁ〜、ユートからはドイとルワのお二人には、既に売られた子ども達の救出用に警備隊が乗れて、その期間は車内で生活ができる偽装付きの馬車を製作して欲しいそうだ。トールさんは孤児院に今後の子ども達の人攫い対策についてと、孤児の子どもも売られた様だから、トーイさん達と話し合いと受け入れ対応を相談して欲しいと言ってたぞ」

「「「おおぉ、分かったわい!」」」


「ユートさんの言った通りでしたね」

 セルジュオが立ち去ってく3人の後ろ姿を見て呟く。

「ユート的には3人が好意的に動いてくれるのは嬉しいが、多分大事になると予想してたんだろうな。じゃなきゃ、初めから『3人への取扱書』なんてもん渡してこなかったと思うぞ」


 ユートお手製の『3人への取扱書』には、今回の事件でとんでもない行動に出そうな3人そストップ方法が書かれてあった。


〈暴走防止方法〉

 ドワーフ二人には、何か理由を付けて大至急だと無難な物を作らせる様にさせる。

 トールさんは、トーイさん達にストッパになってもらう様な話に持って行く。もしくはそんな行動したら孫娘のマイミーちゃんが悲しむよ的な話をする。


「効果覿面ですね」

引き続き、お付き合いくださいませ。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 【更新スケジュール】

 火曜日・木曜日・土曜日  17時30分

★★★★★★★★★★★★★★★★★★

無断転載、無断使用は固くお断りいたします。


★同日 21時に更新★

『ただの猫に転生しました。〜お気楽猫はご近所のスーパーと異世界ダンジョンを駆け回る〜』(猫が主人公)も宜しければお楽しみくださいませ。


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