只今、監獄生活中です。2
皆様いかがお過ごしでしょうか。ユイルです。勇者召喚に巻き込まれ、いや、一般転生の途中で巻き込まれ、そのまま監獄に入れられ早6ヶ月を迎えております。
思い出しましたよ。大事なことを!『解除の鍵』『解呪の鍵』 見つけて監獄を脱出!
普通にダンジョンと異世界生活に浮かれて完全に頭からすっぽ抜けてました。反省反省。
この世界に来たのは雪解け時である新年早々の一の月、とても寒い思いをしました。逆に夏はダンジョン内でも外の気候に影響されるのか比較的過ごしやすくクーラー要らずみたいな環境でした。
今は七の月ですが地球の暦だと9月、秋の初め辺りになります。
八の月を迎えると急に肌寒くなりダンジョンの外では初雪が、九の月になると雪で通行出来なくなる事が多く、ほとんどの商人さんは八の月になると下山の準備を開始しするそうです。
私の普段は、薬草を採取してポーション作って売ったり、酒の木見つけてお頭達に貢いだり、ガナスの襲来を回避したり、ドナドナ仲間のサテスさん達と魔水晶を採掘したり、隠密スキルを駆使してゴブリンと戦ったり、探知スキル使ってガナスから逃げたりと充実した日々を送っております。ガナス対策はバッチリです。
ゴブリン討伐はかなり応えました。ツノウサギやウルフ系なら昔爺ちゃん家で鶏を〆たり、村の猟友会のおっちゃんたちが捕まえたイノシシを捌くのよく観てましたから、大してストレスは感じなかったのはありがたいです。
ゴブリン討伐だけは違い、討伐後には『快適生活+α』のレベルが激増しました。
ダンジョン内の食の木はランダムに出現するので、通常は容易には発見できないのですが、私のスキル『地図』でかなりの高確率で発見でき、さらに『採取』スキルで品質が高いままのでの貢物が功を奏し、見回りが手厚くなり重要なのでもう一度お伝えしますが、ガナス対策は万全です!
転生前に培った精神で乗り越えております。
必殺「長い物には巻かれろ」です。
並行して、ポイント貯めてスキルなど頑張ってGetしております。
気づいてしまったのですよ。涙ポーションでHPを回復しちゃえば良くね〜って。さらに、グレードアップした【薬箱】にある「女神の涙」でHP自体を増やせば良くね〜って。さっらに貯蓄機能で貯まったってた魔力もあったじゃん!
気づいたのはひと月ほど経ってから。余りにもの己のアホさに、膝から崩れ両手を付いて地面としばらく面談しておりました。orz
それまで地道にレベルアップの為だけに買い込んだ『日用品Ⅰ』の数々をディメンションエリアⅠ【命名:ハウス】の1部屋に山積みにして置き、「ご利用は計画的に」と書いたプレートを扉にぶら下げ、自分への、いろ〜んな「戒め」にしております。
そんなことしてたら【カタログ通販】のレベルとランク上がると『貯蓄機能』のポイント保有数も上がることが判明、レベルアップ&ランクアップにを目指し日々邁進しております。
ステータス:(隠蔽)
名前:ユイル・モーニア(ユート) 12歳 HP 162(362)/163(363) 変換率 05倍(400倍)(貯蓄24000M/40000M)
●ギフト:世界言語【クルオニア言語】【未】/快適生活(快適生活+α LV.12追加機能:リフォーム機能)/カタログ通販(カタログ通販Ⅳ LV.5)(ディメンションエリアⅠハウス・Ⅱ箱庭)(等価交換LV.1)(苗木生成LV.1)(ディメンションルーム LV.1)
●エクストラスキル:ー(自動)(連結・連動)(貯蓄機能 LV.2)(スキルボード偽装)(即死回避)(HP回復速度上昇)(命中率上昇 LV.1)(熟練度上昇 LV.1)(統合LV.1)(時間停止インベントリーLV.2)
●スキル:アイテムBOX LV.6(時間停止)/生活魔法 LV.MAX/ポーション生成 LV.4/採掘LV.4/採取 LV.4/探知LV.3/地図 LV.2/鑑定 LV.2/隠密 LV.2/薬師 LV.3(偽装 LV.2)
(詳細隠蔽中)
【カタログ通販Ⅳ LV.5】[20/20]
LV.6まで残り352万pt/積立ポイント5万pt[上限160万pt]
選択済み品目
●日用品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●食料品 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●武具 Ⅰ
●防具 Ⅰ
●ポーション Ⅰ
●魔法の書 Ⅰ
●スキル Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ
●魔道具 Ⅰ
【等価交換 LV.1】お食事ポイントを魔水晶に等価交換
自分で言うのも憚られますが、スキルが多過ぎだね。
レベルはまだ低いがチート爆進中?。多分、この世界ではかなり多いはずの保有スキル数。
前世でヌマったラノベで好んで読んでいたのは主人公が技術者、科学者、剣の達人、ゲーム世界で超有名人とかでコミ症以外は色んな特殊な基礎知識をお持ちの方々だった作品が多く、今の自分には全く参考にならず。
普通のおっさんは、さほど前世と変わらない行動しか取れず、「とりあえずは手に職を!」「周りと最低限のコミュニケーションを!」「危ない人には近づくな!」の三本立てで送っております。
以前取得した薬師スキルは、ポーション以外にも塗り薬など幅広く制作でき、相乗効果なのかポーション生成のレベルが1つ上がったことが切っ掛けで「とにかく色々とスキルを取得してみよう」と意気込み自重なしに取得した結果、隠し事が多いステータスボードになってしまいました。
しかし攻撃系が無い。見事に生活に特化した構成。
いざという時の為に攻撃手段、もしくは戦わなくても済むように逃げる手段だけは確保しておきたい!(今後の課題です)
【快適生活+α】のレベルの意味が判明しました。レベル数だけの人数が生活が送れるように食材や部屋などが用意・確保され、俺一人なのにどんどん広く立派になっていくハウス内。特にお風呂、個人宅なはずなのに大浴場に大型サウナ付きに大変身。
最初は大喜びして風呂で泳ぎましたよ。誰もいない自分の家だから泳いでも良いんです。でも自分の家なのに広すぎて落ち着かない日々が。
そう思ってたのが要因か「リフォーム機能」が追加され、サイズ変更や壁紙変更や大理石床からフローリング、畳にまで変更でき『サポートメニュー』のポイントを使用すれば収納棚やベッド、テーブルなどが追加できるようになり、今では色々リフォームして快適になってます。
他の出来事としては、お食事ポイントで自動購入し続けた事でアイテムBOX内が飽和状態になりかけました。
『快適生活+α』レベル数×2000ptと『貯蓄機能』2000pt分の大量メニューが毎日入り続けてていると、近い将来には容量一杯になる恐れが出て悩みました。
勿論それだけで一杯になる事はないのですが【薬箱】の大量ポーションや自作のポーション、ダンジョンで収穫した大量の酒や果物たち。
本当に追加されるか心配になり、ひと月ほど入れ続けたハウス内にあるパントリーの食材、モンスター撃退用にも使えるかもと見つけては入れていた大きな岩や投石に使える石、焚き火に使用できる枝やポーション材料の植物などなど。
だったら撃退用や枝を減らして『サポートメニュー』の自動購入を切れば良いじゃないか、と思われるでしょうが如何せん貧乏性のため、特にポイントはもったいなくて購入しないという選択肢が取れない自分。
そんな私の前に現れた救世主、【スキル Ⅳ】の『時間停止インベントリー』と【スキル Ⅴ】の『等価交換』。
『等価交換』でいくつか表示された交換条件の中から『お食事ポイントを魔水晶に等価交換』を選択。『自動』と『連結・連動』で繋げて交換された魔水晶は『時間停止インベントリー』へ保存されるようになり。
嵩張ってた果実2種類を同じく『時間停止インベントリー』へ移動させたことで、捨てられない物達で占領され続けるという悪夢が去り、アイテムBOX内に平和が訪れました。
俺の辞書に断捨離の文字は存在しない。
ちなみに【カタログ通販Ⅳ】で解放された品目は【食の木】でした。
「セナルトさん水汲みおわたよ」
「おう!助かったぜ。全く歳には勝てんな〜」
腰を痛めたて横になってるセナルトが厨房奥にある休憩室兼仮眠室から返事してくる。
あれから半年、お手伝いしたり採取した食材やお酒をお裾分けしたりして仲良くなった。特に
「湿布薬と手荒れ用クリーム置いとくね」
「助かるぜ!貰っといて何だが、ポーションの材料に回さなくても大丈夫か?直にダンジョンにも雪が降り出すぞ。薬草が取れなくなったらおマンマの食い上げにならんか?」
「大丈夫。かなり確保出来ているし、これ以上部屋に入んない余剰分で作ってるから安心して」
心配して尋ねるセナルトに伝える。
本当に薬草が大量にある。ポーションに至っては【薬箱】のも含めるとさらに大量だ。
薬師スキルで作る湿布や塗り薬はポーションでは治りにくい慢性的な疲労から起こる症状や老化による症状に効果があり、このスキルの取得者はほぼ貴族のお抱えとなる。
なので通常では庶民にはなかなか手に入りにくい品物となるため、交換所にバレぬよう密かに商人達から大量注文を受けて、ガッチリ稼いでいる。
だって交換所の買取り項目に書かれて無いもん♪
スキルは使えば使うほどレベルが上がるので作っては売ったり、仲良くなった人達に配っている。
「根回し 地ならし 袖の下」潤滑油は大切である。
スキルにも魔力は使用されるため一般的には1日の製作量には限度があるが、俺にはほぼ上限が無いに等しい。
使用できる魔力量もそうだがHP回復ポーションを利用している。
【薬箱】にある各種ポーションの最上級品から上のランクは世には出せない。勿論、俺がダンジョン下層階を目指すほどの実力があれば「宝箱から発見した!」とか言ってちょこちょこ世に出せるが、未だに4階層止まりだから難しい。
それならHP100%回復薬(最上級品 涙ポーション 時価 金貨10枚也)をどんどん使って今のスキルレベルを上げちゃえ計画を実行中だ。
おかげで『ポーション生成』など初めに取得したスキルがLV.4に、湿布薬と手荒れ用クリームなど作りまくった事で『薬師』も早々にLV.3に到達した。
『時間停止インベントリー』も暇さえあれば出し入れしていたら【スキル Ⅳ】の『熟練度上昇』が働いたお陰か、レベル1だったのが既にLV.2に成っていた。
LV.2は合計6種類、質量無視して収納できるのありがたいスキルの一つだ。
始めは使い道に困ってた雫ポーションだが、2階層で苗木畑で作業しているトール、マイト、カルロの3人へプレゼントした。中級と下級だけだがかなり喜んでもらえた。
苗木が冬を越すのに必要なポーションだったのだが、ヤク爺さん(俺の前の住人)が今までは生成してたから、この冬からどうしようが悩んでいたそうだ。
「流石に苗木スキルがあっても弱い苗木のまま冬を越すのは無理じゃからのう」と3人の代表であるトール爺さんが色々と食の木について教えてくれた。
『苗木』スキル持ちはトール爺さん一人だけで、マイトとカルロは力仕事がキツくなったトール爺さんのサポートをしている。元は農家で二人は幼馴染、3年ほど前からここにいる。
人の良さそうな顔をしてる20代後半の男たちで、勿論、冤罪組だ。
収容所には、冤罪組 軽犯罪組 重犯罪組 が存在する。最近はほとんど冤罪組と軽犯罪組らしい。あのお頭たちも何と冤罪組だ。
あの強面で行商人だったらしく、この国の兵士に野党と間違われ襲撃され、それを返り討ちにした為ここに入れられたそうな。
勿論トール爺さんも冤罪組で40年近くいる。
「家族が居無いからいつお迎えが来てもええんじゃが、亡くなった妻が『まだ来るな!』と夢で怒って追い返すんじゃ。それにこの二人に食の木の育て方を教えんといかんし、『植物育成』のスキルを持つ二人ならコツさえ覚えれば『苗木』スキルが発生する可能性が高い。それまで長生きして頑張らんとの〜」
笑って話すトール爺さん。
「特に今年はもう雫が入らんからここを諦めて、二人には早々に魔水晶の採掘に戻ってもらう予定だったんじゃ。だが二人ともワシのこと気にかけてギリギリまではここを手伝うといて」
遠くで作業中の二人を見つめながらトール爺さんが語る。
食の木は挿し木で増やすそうだが、スキルなしに挿し木をしたモノはただの木になる。レベルにより1日の作れる挿し木の本数や根巻きのタイミングなど食の木への影響が大きく、高レベル者が育てた苗木は高品質な実がなると人気で取引されている。
盗まれないかと心配したが、根巻きを失敗するとすぐに枯れ、ただ根巻きしたものを換金所に持って行っても評価は10マール未満で旨みがない。
「換金所前でスキルで苗木を休眠状態にするからのう。この畑から盗むメリットがないんじゃ」
休眠状態にした苗木は魔素の吸収は最低限のみで植替えされるまで30日は保つが、休眠状態でない苗木は少ない土から魔素を吸いつくし5日ほどで枯れてしまう。
できた苗木も30日以上かかる遠方まで運ぶ場合はもう一度スキルで休眠状態にする。
休眠状態にするのはスキル『植物育成』にもあり、マイトとカルロも作業ができる。この監獄で使えるのはこの3人と亡くなったヤク爺さんのみだったらしく。地味だがすごいスキルだ。
俺が取得した『苗木生成』は『苗木』の上位スキルで、挿し木なしで一気に高品質な休眠状態の苗木が作れる。ただレベル数が生成できる本数となっており、魔力は相当必要だが、手間や時間が掛からないのは優れている。しかし、トール爺さんみたいに1日に30本以上も挿し木にすることは出来ない。俺の場合、LV.1なので作れる苗木は1本だけだが、魔力のゴリ押しで幾つでも作れてしまう。しないけど。
「親枝の食の木に成った実はお頭や換金所の役人にこっそり渡しとるし、食堂にも肉系は流してるから、まぁ変なことするヤツはそうはおらんじゃろう」
流石、長年の処世術「根回し 地ならし 袖の下」
魚心あれば水心 地獄の沙汰も金次第 水清ければ魚棲まず ってか監獄だから「水清く」は無いな
本格的な冬がやって来ました。八の月で商人さんたちがほぼ下山してしまい。一の月までしばしお別れ。
この監獄に国から食材など荷が届くのは一の月と八の月の年2回、後は商人さんが商隊組んで1ヶ月に1回ほど橋の外にある街、通称「役人村」に品を卸すついでにこちらの注文を受けてくれる。(高額でだが)
俺も服と布や靴など数点頼んでおいた。だって「子供用は扱ってないな」と商人さんたちに言われて、買ってないのに「ハウス」の品物使ってたら目立っちゃうから、ここの商店から靴、鞄、麻袋、生地に糸まで、色々と買いまくった。
よく金があったって?ふふふ、手作りの湿布薬と手荒れ用クリーム。あと【カタログ通販】の『日用品Ⅲ』で発生した「化粧水(1000pt)」が監獄内でバカ売れ大ヒット。
いや、おっさんたちが使ってヒットした訳じゃないよ。俺だけが知らなかったが監獄内なのに『色街』があり、そこのお姉様方に大ヒット!
それを聞いた耳聡い商人さんが購入し、外(下山した街)で試しに売ったらこれまた大ヒット!湿布薬・手荒れ用クリーム・化粧水で大儲け!
監獄内では商人さんも現金が使えない為プレートを使用しているが、現金化もしくはプレートに入金する時に、高額な手数料を取られるので物々交換できる相手はありがたいようだ。
そんな理由があり商人さんたちと継続的な物々交換が交渉成立!役人にバレないように布や革製品など日用品の大量購入に至った。
湿布薬 30マール/手荒れ用クリーム 30マール/化粧水 50マール(原価1000pt)
中々の強気の値段設定、まずは攻の姿勢で徐々に値下げすれば……攻めの金額設定にしたつもりが、格安だったようで皆さん「欲しいもんないか!この剣どうだ!」「いや!この防具少し詰めれば使えるぞ!」「この酒、役人たちのいい鼻薬になるぞ!」とか俺に売りつけてくる。
しまった。初めにサテスさん達に金額の相談しておけば良かった!
俺が欲しい物を書き出して商人さんの希望個数と打ち合わせ、湿布薬と手荒れクリームは各70まで化粧水は150までと決まった。勿論、×3商会分でね。
かなりヘビーです。特に湿布薬と手荒れクリームは完全に俺の手作り。下山日までに間に合わせないと!
頑張った!ハイスピードで生産し卸していく俺に、商人さんたちが心配して声をかけてきた。
「「「余分に作ったら心配しなくても買い取るからな」」」…違った意味の心配をされていた。
そんな事を言われながらギリギリまで生産しまくった七の月の長い夜であった。(ガクン)




