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【二百十日】

【二百十日】




 連絡の途絶えていた友人から今日、久々にメッセージが届いた。



 「今日そっちに帰る。空けといて」



 5年ぶりに再会するというのに、あまりにも淡泊かつ自分勝手なその内容に呆気に取られてしまったが、それも彼らしいな……と私は思った。



 今日は二百十日。



 立春から数えて210日目の日……



 台風によって農作物に多大な被害が及ぶおそれがある為、農家にとっては厄日として警戒される日とされている。



 彼はそれを知っていてこの日を選んだのか、それとも偶然この日と重なっただけなのか……



 今からやってくる私の友人であり元夫が、私にとっての二百十日でなければなければいいが。



 私と彼との間を繋いでいた陸橋は、すでに無関心という海に隔てられてしまったというのに。



 しかし悔しいことに、駅前で再会した彼の無邪気な笑顔を見ると、私の心は季節が移り変わったかのように心を踊らせてしまっている。



 ああ、やっぱり二百十日というものは気をつけるべきだと心で一人ごち、こちらに向かって手を振り近づいてくる彼の瞳に釘付けになってしまっていた。




THE END

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