久しぶり
短いです
「久しぶりだね、凛ちゃん」
馴染みのある、五年前毎日のように聞いていた。一番好きな人の声、その声を聞いて振り返ると彼方がいた。
「久しぶり」
一瞬言葉が出なかった。本当に綺麗になったと思う。確かに面影が残っていて、すぐに誰なのかなんて分かる筈なのに誰かと思ってしまうくらい綺麗になった。女子ってたった五年で、こんなに変わってしまうのかと驚く反面、彼方が彼方でなくなってしまったような、寂しい気持ちになった。驚かそうと思ったのに、こっちが驚かされたしまった。
「凛ちゃんは、弓まだやってる?」
「あぁ、やってる。お前は?」
「やってる」
「高校でも続けるんだよな?だったら一緒の部活に入んね俺たちが行く但馬高って設備めっちゃいいらしいし」
「知ってる」
「だよな、そうじゃなかったらお前が弓峰の中等部からこっち来るわけないもんな」
「先生も経験者の人来るらしいよ」
「マジか」
おばさんから聞いて耳があんまり聞こえないっては知ってるけど、ほんとに聞こえてないのかってくらい普通だな。口元をじっと見て足りない分を補ってるのかすげぇな。
「そりゃ楽しみだな」
「うん」
「じゃあ俺、荷物あるからじゃな」
「うん、引き止めてごめんね」
驚いた。五年ぶりにあった凛ちゃんは背がうんと高くなって声も低くなっていた。そして悲しかった。話し方の癖を知っているから、聞こえなかった分を補うのは少し楽だけど、その声を自分の耳だけで聞くことが叶わなくなってしまったから。当たり前だったことが出来なくなる。それがこんなにも恐ろしいなんて、いつも他人事だと思っていた。それが自分に降りかかるなんて、これだから人生はわからない。
「お帰り、彼方。凛くんには会えた?」
「うん」
「よかったわね」
「うん」
「きこえてるの」
「きこえてるよ、失礼な」
「そう、ならいいわ」
部屋に行くと一通のメールが来ていた。
やぁ、彼方ちゃん♡愛しの凛ちゃんには会えたかにゃ
愛しの凛ちゃんの親友の潤より♡
正直イラっとくる文面だった。男がハート使うな!今時こんな文面打つやつなんて早々いないぞ!
からかうのは止めて。人生辞めるのと、 からかうのを辞めるのどっちがいい?
ねぇ、どっち(^言^)
ちょっと言葉乱暴だったかな....
すいませんでした(ゝω・´★)てへぺろ
うん。ちっともこりてないな。ムカつく!
「かーなーたー夕飯よ降りてきなさい!いつまでメールしてるの」
「今行くよ」
場違いですよねごめんなさい。でも続けさせてください。




