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後書き&まとめ―ついに“書籍化失敗の法則”が発見された!?―

 ついに今回が最終回です!



 さてこれまで三人の書籍化作家があえなく失敗してしまう様子を見てきました。

 自分が数多く見てきた作家の中から特にこの三人を取り上げたのは彼らとの間に多少ともやり取りがあったことが大きいです。

 この三人以外にも失敗例、成功例共に結構見てきましたし、噂レベルのことまで含めればもっと多くのことを知っています。


 そんな中で自分はこうやったら必ず作家として成功できるという法則は未だに分かりません。

 ただこうやったら必ず失敗するという法則は分かってきたように思います。

 もっともそれが分かったところで役に立つかどうかは分かりませんが。(笑)



 なろうなどの小説投稿サイトで書籍化が決まるケースは主に二つです。

 まずはコンテストで賞を取るケース。

 このエッセイではAさんのケースですね。


 次に出版社が一本釣りのような形で拾い上げるケース。

 なろうでは運営を通して連絡が来るみたいですね。

 これはBさん、Cさんの場合ですね。


 まあいずれのケースにせよ三人とも書籍化が決まったときには大喜びしたことでしょう。

 やったー、これで自分も作家デビューだー、ってな感じです。


 しかしいずれかのタイミングで知らされたはずです。

 一定の部数の売り上げを超えないと続刊が出せない、という事実を。


 その後は三人とも自信と不安の間で気持ちは揺れ動いたことでしょう。


 書籍化作家になれた俺が失敗するはずがない、という自信。

 でももし作品が売れなくて続刊が出せなかったらどうしよう、という不安。



 そして他の多くの作家が達したのと同じ結論に至ります。


 とにかく少しでも売り上げを伸ばせるようにあらゆる手段を使って宣伝しまくろう!


 なろうなどの小説投稿サイトができてから確かに書籍化に至る道が容易になりましたが、代わりに一冊一冊にかける宣伝の効果はむしろ減ったように感じます。

 まあ、出版社にしてもこの出版不況のご時勢に出版する本の数が十倍になったから、宣伝にかける費用も十倍だぜー、なんてことができるとは到底思えません。

 となると必然的に自作の宣伝は作者自らが行う、ということになってくると思います。



 かくして作者達は自作の宣伝に精を出すことになります。

 主な手段としてはなろうの割烹にツイッターなどのSNSが二本柱ということになりましょうか?

 あるいはBさんのように自分の書籍化作業の裏側について語るエッセイを投稿する手もあるかもしれません。



 少し話が脱線気味になるかもしれませんが、以前私が知る書籍化作家にやたら割烹でしゃべりまくる人がいたものでした。

 その人は書籍化が決まってからというもの、その作品が○万ポイント突破しましたー、○○PV突破しましたー、とことあるごとにしゃべりまくっていたものです。

 最初は正直イラッ、としましたが、やがて怒りを通り越して呆れるレベルの自慢話を繰り返していたものでした。

 ちなみにその方のデビュー作はあえなく失敗し、私はその事実もその方の割烹で知ることになりましたが。


 なおこの方をエッセイ本編で取り上げなかった理由は、細々とではありますが一応現在進行形で活動されているからです。

 さすがに現在活動中の方をさらすような根性は自分にはありません。(笑)

 もちろんユーザー名も伏せますので私に聞かないでください。



 さて、この事実から言えることは結局のところ、なろうのポイントは書籍化を決めるまでは決め手になりえても、作品が売れる決め手になるかは相当疑わしいということです。

 ちなみに前回紹介したCさんの作品もポイント的には数万ポイントありましたし、それ以外にも結構なポイントを獲得しながら書籍化に失敗した作家を私は何人か知っております。

 そもそも本の読者には小説家になろうの存在すら知らない人もいる可能性があります。

 そんな人になろうで○万ポイントということを伝えても大して響かないことでしょう。

 ユーチューブに興味がない人に“動画再生回数○億回突破”と伝えても(?)状態になってしまうのと同じことです。



 そろそろ話を元に戻しましょう。

 宣伝の二本柱|(割烹とSNS)のうち特に注意が必要なのはやはりSNSの方ですね。

 私がこれまで見たところ新人作家で失敗される方はSNSの使い方がうまくない人が多いです。

 どうもこういう人はSNSでの宣伝=とにかくつぶやく、と勘違いしているようです。

 そして宣伝しなければならない、という焦りも手伝って作品とは関係もないようなことをもやたらとつぶやきまくったりします。

 するとそれを見て、なんだコイツは、などと思う人が現れたりします。

 さらに最悪、作者の作品のアマゾンのレビューに、この人はこんなとんでもない人ですよー、的なことが書かれてしまいます。

 こうなると作者の人間性が問題になるような形で作品の評価まで下がってしまったりします。

 “悪名は無名に勝る”とは言いますが、こんな形で悪名を広めても何一ついいことはないのは明らかでしょう。

 今の時代ただ単に有名になりたいだけなら、某寿司チェーン店の醤油さしをなめてその動画をユーチューブにアップでもすれば、おそらく一瞬で有名になれることでしょう。(もちろん悪名を広めるという形でですが)


 個人的にはSNSは作品の告知と作品更新のお知らせに使えば十分と思っています。

 自分はこの二つが基本で、それ以外ではたまに他のユーザーとのやり取りやいいね、リツイートに使う程度です。

 いずれにせよSNSは諸刃の剣であり、使い方を間違えると最悪破滅の原因にすらなるので慎重に使った方がいいです。



 あと割烹についてはやはり先ほど紹介した、○万ポイント突破しましたー、のような自慢話はあまりおススメできません。

 確かに熱心な読者は、すごいですねー、おめでとうございます、などと言ってくれるかもしれません。

 しかしそれは内輪で盛り上がっているに過ぎません。

 内輪で盛り上がることと宣伝することはイコールではありません。

 少なくともそれを見て私のように不快に感じる人間はいると思いますし、何より作者のプラスになるとは到底思えません。

 そんなことは自分の心の中で喜んでおけば十分でしょう。



 こうして見てくるとSNSと割烹は“宣伝の二本柱”であると同時に“失敗の二大原因”でもある、という感じです。

 両方とも作者の人間性がダダ漏れになってしまうツールです。

 “SNSは自動馬鹿発見器”などと言われますが、まさにここで失敗する人たちは自ら馬鹿になりに行ってしまっているような感じです。

 この二つとうまく付き合うことが多分作品のクオリティー以外での書籍化成功のカギなんでしょうね。



 あとこれは余談ですが、作者の割烹とSNSをチェックしていたりするとその作者が今どんな状態なのか分かることが結構あります。

 たいていの書籍化作家は書籍化決定直後などの調子がいいときには割烹にせよSNSにせよ頻繁に更新したりつぶやいたりします。

 おそらく絶好調のヒャッハー状態なので何でも喋りたくてしょうがないのでしょう。

 ところがだんだん調子が悪くなったりすると、更新やつぶやきの回数も減り、テンションも低めになったりします。

 そしてついには更新自体が途絶えてしまうことも起こったりするようになったりします。

 まあ、興味がない人にはどうでもいい話ですかね。(笑)



 これにてこのエッセイは終わりになります!

 最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] とてもとても興味ぶかく拝読いたしました。 自分は書籍化さえもまだまだはるかかなたの状態ですが、それでも実例を知ることができるというのは、なによりありがたいことです。ありがとうございます! …
[良い点] ランキングより参りました。 明確な成功論というものがない界隈ですので、こうした失敗談を集めて下さり有難い限りです。 改めて書籍化される方は凄いし、続刊を次々と出す作家さんは能力が高いのだと…
[良い点] とてもわかりやすく、良い内容のエッセイでした。 #日南田ウヲ
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