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魔法収集家  作者: トライ


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21/21

次の日

魔獣からの襲撃がなく、夜が明ける。夜間には何らかの道具で結界を張っていたらしいから、まぁ妥当な結果だろう。これから少人数のグループに分かれ行動だ。大人数で出歩くとあちらに感づかれてしまう恐れがある。それを避けるためにもなるべく少ない人数で動きたいらしい。


黒熊の効率的な討伐方法は囮を使うことだ。黒熊は残虐性が高く、知能が高い存在だ。こちらが5,6人で行動しているのが見えたら、勝ち目がないと悟りすぐに逃げてしまうだろう。だが、1,2人程度のにんげんならば容赦なく襲ってくる。この森になんで人間がいるんだと疑えるほどあいつらは慎重ではない。


そのため、5,6人程度が単独、もしくは2人組で一定の間隔を保って移動する。そして誰かが襲われる、もしくは黒熊を見かけた場合、笛を鳴らし人数を集め対処する。複数体見かけた場合すぐさま離脱し、応援を呼び十分に対処可能になった段階で討伐に向かう。



いや、これ大分危険性高くないか・・・


黒熊とやらを相手に1,2人で最初時間稼がないといけないのはきついと思う。それに複数体相手がいた場合離脱してって、それを許してくれるような相手なのか?


実物を見たことないからすべて憶測でしか語れないな・・・早く見てみたい。




「よし。一班はまず馬車と荷物の護衛だ。魔獣除けの結界があるとはいえ、何があるかわからないからな。二班はかなり場数を踏んでいるものが多いもので構成した。そのため黒熊がいる可能性が高い、川や洞窟がある北の方向に向かえ。3班は経験の浅いものが多いから俺がついていく。そして基本的には黒熊の対処はしない。黒熊がいなかった場合の収入源としての薬草の採取がメインだ。そして基本的には黒熊以外の魔獣はスルーだ。魔獣に対しての知識がないやつが多いからな。殺していいか、ダメかいちいち判断を仰がれても困る。」


スゥッ 息を大きく吸う


「それでは!行動開始する!」






自分たち3班は薬草採取にいそしんでいる。黒熊がいないであろう場所に配置されたが、いつ出てもおかしくないから用心はしろ、と言われたが今のところ全くと言っていいほどそんな気配はしない。一目ぐらい見ときたいんだがな。





「黒熊の痕跡が多いな・・・」


「(雑に食い荒らされた猪。大木についいている大きなひっかき傷。でかい動物の骨が混ざったフン。ここら辺にいるのは間違いないんだが、3時間たっても全く出てこない。)」


ベイルが不安を抱き始めたころ、


ピュゥーー


笛の音が鳴り響く。目標が見つかったときの合図、もしくは・・・




「黒熊が3体だと!なんでこんなに群れてやがる!」


1班に配属されていたスキンヘッドの男は悪態をつきながら必死にその場から逃げていた。先に補足したのは男のほうが先だったが、離脱するのが遅れてしまい黒熊に発見されてしまった。


木々が生い茂ったところから広いところに出る。ここなら障害物はないし、遠距離から魔法を使用できるためここまで誘導した。


「くそ!やっぱ足早いな!しょうがねぇな!」


ある程度距離ができたところで、手を地面につき唱える


「グラオレ!」


黒熊2体の足の前に土の壁ができた。ちょうど引っ掛かりそうなサイズで、走っているこの二体は止まることができず、転んでしまう。


「ハッハー!ざまぁみろ。あ?もう一体はどこに?」







その時、ベイルは一人で黒熊相手に戦っていた。


「くそ!3体で行動してたくせに、俺のことみたらすぐにこっち来やがって!」


ベイルは追われているハンターの男とそれに追従する3体の黒熊を発見して、奇襲がいつでもできるよう後ろをついていた。しかし、急にそのうちに一体が方向転回してきて彼のことを襲ってきた。彼の尾行は完ぺきだったが、まるで後ろに目がついているかのような感知能力でばれてしまったのだ。


黒熊の平均的なスペックは、3メートルの巨体に300キロを超す体重。これだけ見たらただのでかい熊かもしれないが、この魔獣は身体能力がいじょうなのだ。魔力による強化で走力、腕力は恐ろしいほどに発達し、体力も魔力が尽きない限りはほぼ無尽蔵だ。そして何よりも硬さが一番の強みだ。こいつらの外皮は銃弾や剣なんか一切通さない。打撃に対してもかなり強い存在である。魔力を通して攻撃しなければそれを打ち砕くことはできない。


その存在相手にベイルは真正面から戦っていた。


大きな爪を盾で受け流し、体当たりを必死にいなす。基本的には防御に徹していた。


「(一度でも触れることができれば昨日ためていた分の植物の神経毒をくらわすことができるが、剣か盾を捨てないといけないのはきつい。最悪だ!最初の攻防で笛がどっかに飛んで行ってしまった。増援は期待しないほうがいいな。)」


黒熊明らかにイラついている様子だ。自分より小さい存在相手に致命傷を与えられないのでプライドが刺激されている。絶対こいつのことを殺さなければと、頭に血がのぼる。


グオオォォォォ!


咆哮を上げながらベイルに突進してくる。


が、その途中で停止し、ジャンプする。


ベイルは突然の行動に驚いたが何とか迫りくる巨体を回避する。


ドッスン!


黒熊が腹から地面に着地し、大きなスキができる。


その隙を見流すほど臆病でなかった彼は魔力を通した剣で黒熊の目にむかって剣を突き付ける。


しかし、それは黒熊の身体能力を見くびっていた。黒熊は寝そべった状態でベイルに向かってじゃん応してきたのだ。


とっさに剣でそれを防ぐが、刃が鋭い歯に挟まれる。手まで食われてしまう前に剣をはなす。


武器を奪われてしまったが、片手がフリーでこんな近くに対象がいる。これはチャンスだと思い黒熊に触れる。


ドクッ


黒熊の体に毒が入る。


生命魔法でもっとも有利な点は自分と相手の体に干渉できることだ。相手の体に干渉するのはある程度条件がそろわないといけないが、今回はその条件をクリアしていた。


血中に毒が入り、黒熊が口から泡を吹いて倒れていく。完全に死んだことを確認できた。


「ふー、あぶなかったな。この熊が若い個体で助かった。一歩間違えたら死んでいたな」


地面に座りながらそうつぶやく


「あっちもそろそろ終わったころだろう・・・」







笛が聞こえて、自分がすぐ駆け付けた。やっと実物が見れると舞い上がっていた。


目の前には二体のでかい熊とスキンヘッドのおっさん。あまり余裕がなそうそうだ。人が集まるにはもう少し時間がかかりそうだと思い、目の前の熊を殺そうと決意する。


重力を操作して自分を軽く、風で推進力を作る。爆発を起こして一気に前へ


ドゴン!


その勢いで空中に浮き上がり、熊に肩車してもらってる譲許を作り、そいつの頭に衝撃波をねじ込む。この衝撃波は風を起こすのと同じ原理だ。それをゼロ距離で起こして、脳みそを揺らすだけ。


もう一体の熊がこちらを認識する前に、そいつのほうに飛び移り、頭をつかみ魔力を集中させる。


ドゴン!


またまたゼロ距離で爆発だ。



思ったより強くなくて拍子抜けだったな。


こうして自分の初戦闘が終わった。






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