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魔法収集家  作者: トライ


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12/21

真っ暗

「セ、成功したのか」


あたりを見渡す。先が見えないほど長い廊下が続いている。光源はないはずだが、なぜか明るい。変な感覚だ。黒い床と壁、天井。多分素材はピラミッドの外観と一緒のものだろう。


「入れたのか・・・・、これはうれしいな」


自分が出したワームホールはすでに閉じてしまっているから、帰りはどうするかはわからない。もう一度やったとして無事に帰れるかはわからない状況だ。


まぁ、それでも別にいいだろ。食事と睡眠が必要ないからだだし、死にはしないだろう。


かなり楽観的な考え方になったな。やはり性格が全く変わっている気がするな。前の世界でのネガティブ人間なんかより100倍はましだし、べつにこれでいいか。


とりあえず歩いてみよう。一直線の廊下が続いているし、道に迷うことはない。


歩くこと2時間(体内時間)。景色は何一つ変わらない。真っ黒な壁に囲まれながらずっと歩いている。


「こんな広い建造物だったか?しかも四角の建物だったから、突き当りがあって左に曲がるはずなんだがな。ずっと一直線ンにしか進んでいない」


こんな通路があるくらいだから、流石に人工物だと確信してはいた。だけど中心部、地下、上階にむかうための階段や道は何一つ現れない。


「もう少しだけ歩いてみるか・・・、もしかしたらってこともある」


さらに2時間ほど歩くがなにも変わらない。体力の減少はないはずなんだが、景色が何一つ変わらないから精神的な疲労が出てきた。狭い通路にずっといることも原因の一つだろう。そろそろ策を考えないとな


「もう一回ワームホール出すか?」


他の魔法でこの壁を破れる方法がないのがなきついな。俺の想像力が足りないのせいだ。前の世界ではあまり漫画やアニメに触れる機会が少なかったからか、それ方面の知識が足りない。今必要なのは生きるための知識じゃなくて、アニメ、漫画世界の戦闘方法だと分かるわけないだろう。


空間魔法かー。・・・壁ごと削り取るのはどうだろう。空間ごとけずりとって、何らかを破壊するっていうのはよくある設定だ。空間魔法のやり方もコツはつかんだしこれを試してみるか。


壁に手をつき、魔法を発動させようと魔力を集中させると、


パッ


照明が赤色に切り替わる。


ドッドッドッ


前方から無数の足音が鳴り響く。


ドッドッドッ


前方からだけでなく、後方からも足音が


相手の姿を視認する。


ムカデだ。頭部が以上にでかい。通路の幅すべてを覆いつくすほどのでかさ。通路の高さが3メートル、横の長さ2メートル30ほどの道を窮屈にしながらこちらに向かってくる。しかも、よく見ると頭部だけは一つだが、胴体は何本もあり、床だけでなく天井さえも張っていた。足跡が異常に多かったのはそれが原因か。


後方も同じく。真っ黒なキモイムカデ。


逃げ道は一つしかない。ワームホールを作って外か内に逃げ込むことだ。必死に魔法を発動させようとするが、集中力が散漫になってうまく発動ができない。


まずい、まずい、まずい


この世界に来てから初めて焦りを感じているような気がする。


ここで思考を切り替える。逃げ道は一つしかないが、ムカデを倒せばそもそも逃げる必要がなくなると理解した。恐怖からなのか逃げることしか頭になかった。


よし、ムカデ相手は確か・・・


熱湯か、冷却のどっちかだな。水はないから熱湯はなし。冷却は魔法でできるが、指向性を持たせることが難しい。範囲を集中させることができないから、思いっきりぶっぱすると自傷してしまう可能性がある。それなら純粋に熱で対応するしかない!


片方を前方に、片方を後方に手を向ける。


距離が近いから、球にする必要はない。イメージするのは火炎放射器。最低限の指向性を持たせて、発射!!


ボワアァァァと炎がムカデに向かっていく。





だが、


ムカデはひるむ様子がない。


なんでだ‼何も効いていない!


よく観察するとムカデの体はピラミッドの材質と非常に似ていた。


「・・・・・・・こいつの体の材質、ピラミッドと一緒なのかよ」


大きく口を開いたムカデに俺は丸呑みされてしまった。


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