とりあえず
なんでこんなとこに飛ばされたのかは、考えてもしょうがないものだと思う。初対面の女性からこんなことされるなんて誰が予想できよう。
「とりあえずあのピラミッド目指すかー」
前方には真っ黒な三角形の建物が建っている。ここら辺だとあそこしか目立つものがなく、ほぼ自動的に目的地は決定していた。前みたいに空を飛んでこの地帯から抜け出そうとも思ったが、それだとあまりにもつまらない。自分の足で行動するのが一番だな。
この世界に来てからだいぶ性格が変化した。効率よりは非効率を求めるようになって、自分の長所だと自負していた慎重さも消え失せて、好奇心を優先するようになった。人間ではなくなったからだろうか、それとも一度死んで?、考え方が変わったのか。
それにしても、あの女店主が使っていた魔法はすごかったなー。多分ファンタジーというよりはSF的なものだとは思う。ワームホール的なものかな?よくあるわかりやすい例としてあるのは一つの紙に目印を二つ書いて、その目印を紙を折って重ねるというものだな。ドラえもんでも出てきた。だけどそれが分かったとしてどうやってワームホールを作るのか。空間をゆがめて穴を作るイメージがどうしてもわからない。
今、こうして考えている間にも周りには巨大なゴーレムたちが押し寄せている。だが、すべてのゴーレムが地面に沈んで身動きが取れなくなっている。
いちいち触って戦闘不能にするのがめんどくさいもんで、地面の状態を操作している。土粒子の重量を減らして、間隙、空気を多く含む土に変えている。もちろん自分は沈まないように調整しながら魔法を行使している。
「そろそろピラミットだな」
ピラミットの近くまで来たら攻撃がより苛烈になってきた。もしかしたらこのゴーレムたちはこの建造物をまもる門番なのかもしれない。そう思ったらワクワクしてきたな。自然に発生した個体じゃなくて、誰かが岩がゴーレムに代わるようにし、自動的に攻撃させてるってことならすごいな。俺でもゴーレムは作れるし、操れるだろうが、それでもこんな大量に操れたりしないし、ゴーレムを操るってことよりかはゴーレムの形をした岩を魔力で動かしている感じになるだろう。
簡単な命令ぐらいなら俺でもできるんだろか?
少し地上を離れて、地面に埋もれている一体のゴーレムに近づき触れた。魔力を込めながら命令を下す。
「自らの頭を自分で破壊しろ」
シーーン。
反応なしっと。やり方が悪いのか?命令が複雑すぎたとか。
「右手を上げろ」
反応なし。もうやめだ。俺にはできないってことが分かった。
ゴーレムの頭を握りつぶす。
「とりあえずピラミッド向かうか」




