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聖女は死んだ  作者: 氷桜 零
第1章
4/6

追いかけっこ


わたしは、最近離宮に住み着いている。

元の家に戻るのも嫌だし、ちょうどいいところに空き家?があったから、利用させてもらった。


実は離宮には先住民?がいた。

わたしよりもずっと昔に生きてた人で、話好きな人だったから、王城の秘密とか王族の秘密とか、隠し通路とか色々教えてもらった。

その人、ゼンおじいちゃんって言うのだけど、本当に物知りで、幽霊たちのまとめ役をしているみたい。


ゼンおじいちゃん以外に、アンお姉さんとかロイお兄さんとかも物知りだった。

アンお姉さんは、王城で殺された元侍女さん。

ロイお兄さんは、何と元王様だったんだって。

死んだらみんな身分も何もないけどね。


他の離宮にも優しい幽霊たちがいるって言ってたから、順番に訪ねてみようと思う。




さて、今日も今日とて、王城内を散策していると、やけに魔法師を見かける回数が多かった。

もしかして、何か事件でも起きたのかもしれない。

ちょっとワクワクしてきた。


その割には、人気の少ない場所で何か光るものを設置していた。


こんなに光ってて、目立つのにいいのかな?

絶対バレるよ?


魔法師が何を考えているか分からず、首を捻ってしまう。


それよりも、これ、何の魔法だろう?


わたしは幽霊になってから、好奇心を抑えきれなくなっていた。

好奇心というより、感情を抑えきれないと言った方がいいかも。

こう思ったら、即行動!ってな感じ。


だからこう言うのがあると、触りたくなるんだよね。


……いいかな?

駄目だよね?

でも、触りたい……


ちょっとだけ……ちょっとだけ……


好奇心に負けたわたしは、チョンと指先で触れてしまった。

触れた途端に、蜘蛛の巣みたいなのが身体に巻き付いてきた。


『捕まんないよーだ。』


ふふんっ

わたしはすり抜けのエキスパートだよ?

こんな罠、通用しないもんね!


「発動したぞ!近くにいるはずだ。探せ!」


あれ?なんか、やばい感じ?


「魔力反応感知しました!」


に、逃げようっと……


「あ!壁の中に!」


「何!?追いかけろ!」


壁をすり抜けて安心していたら、何故か魔法師がわたしめがけて魔法を使ってくる。

あれは、拘束系の魔法だ。


えぇー……

見えてないのに、何でわたしの居場所がわかるのー!?


とにかく、捕まってたまるかっ。


わたしは魔法師から繰り出される魔法を、スイスイと避ける。


壁を抜けて階層まで一瞬で行き来できるわたしに、勝てると思わないでね!


時には魔法師の罠を潜り抜け、魔法師同士の間をすり抜け、魔法師たちとの追いかけっこが始まった。






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