追いかけっこ
わたしは、最近離宮に住み着いている。
元の家に戻るのも嫌だし、ちょうどいいところに空き家?があったから、利用させてもらった。
実は離宮には先住民?がいた。
わたしよりもずっと昔に生きてた人で、話好きな人だったから、王城の秘密とか王族の秘密とか、隠し通路とか色々教えてもらった。
その人、ゼンおじいちゃんって言うのだけど、本当に物知りで、幽霊たちのまとめ役をしているみたい。
ゼンおじいちゃん以外に、アンお姉さんとかロイお兄さんとかも物知りだった。
アンお姉さんは、王城で殺された元侍女さん。
ロイお兄さんは、何と元王様だったんだって。
死んだらみんな身分も何もないけどね。
他の離宮にも優しい幽霊たちがいるって言ってたから、順番に訪ねてみようと思う。
さて、今日も今日とて、王城内を散策していると、やけに魔法師を見かける回数が多かった。
もしかして、何か事件でも起きたのかもしれない。
ちょっとワクワクしてきた。
その割には、人気の少ない場所で何か光るものを設置していた。
こんなに光ってて、目立つのにいいのかな?
絶対バレるよ?
魔法師が何を考えているか分からず、首を捻ってしまう。
それよりも、これ、何の魔法だろう?
わたしは幽霊になってから、好奇心を抑えきれなくなっていた。
好奇心というより、感情を抑えきれないと言った方がいいかも。
こう思ったら、即行動!ってな感じ。
だからこう言うのがあると、触りたくなるんだよね。
……いいかな?
駄目だよね?
でも、触りたい……
ちょっとだけ……ちょっとだけ……
好奇心に負けたわたしは、チョンと指先で触れてしまった。
触れた途端に、蜘蛛の巣みたいなのが身体に巻き付いてきた。
『捕まんないよーだ。』
ふふんっ
わたしはすり抜けのエキスパートだよ?
こんな罠、通用しないもんね!
「発動したぞ!近くにいるはずだ。探せ!」
あれ?なんか、やばい感じ?
「魔力反応感知しました!」
に、逃げようっと……
「あ!壁の中に!」
「何!?追いかけろ!」
壁をすり抜けて安心していたら、何故か魔法師がわたしめがけて魔法を使ってくる。
あれは、拘束系の魔法だ。
えぇー……
見えてないのに、何でわたしの居場所がわかるのー!?
とにかく、捕まってたまるかっ。
わたしは魔法師から繰り出される魔法を、スイスイと避ける。
壁を抜けて階層まで一瞬で行き来できるわたしに、勝てると思わないでね!
時には魔法師の罠を潜り抜け、魔法師同士の間をすり抜け、魔法師たちとの追いかけっこが始まった。




