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三話『憑依は一度に一人まで』
「――――にしても、やっぱり数が多いな」
桃李を見送ったのち、俺は現状を確認する。
少なくとも百人ほどの敵。
南陽はまだしも、俺は憑依の能力を持っているだけで戦闘力は大してない。
それに、憑依はこういう大勢の相手には向いていない。
「でも、やるしかない」
俺は拳を構えて、相手を見据える。
「ゴビ、無理はするなよ!」
「…………それはこっちの台詞だ」
南陽はそんなのんきに俺と会話しているけど、その最中、足と手は動きっぱなし。
あちらこちらに飛び回って攻撃をいなしつつ、反撃をしている。
南陽ばかりに任せていてはダメだ。
だって、俺はつぐもも、示杞も、ペルフェも助けるって決めたんだから。
南陽はペルフェと戦っていたときのビームみたいなのは使ってないようだ。
やはり、体に負荷がかかるのだろう。
でも、俺が見た限り、南陽は黒荻の件で二発は撃っている。南陽も万全じゃないはずだ。
なおさら俺が南陽の負担を減らさないと。
「――――よし。行くぞ」
俺は敵集団に駆け込む。
今回は憑依もあまりすることはない。
自分自身の力で、この危機を乗り越えてみせよう。




