最強の連続技
「羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅羅!!」
剣を鞘に収めたリインがラッシュパンチを繰り出す。
バーグに加えた何倍もの速度の拳がロザベールに降りかる。
しかし、その攻撃は全て脚に食い止められ、ダメージに結び付かないようだった。
「効きませんわね!わたくしはバーグとは違いますのよ!バーグとは!!」
ロザベールが旋風脚でリインを吹き飛ばした。
だがリインはなおもラッシュパンチを繰り出し続ける。
「あなたバカですの?こんな攻撃何度出しても意味が…
ロザベールが言葉の途中で何かに気付いた様に言葉を詰まらせ表情を硬直させた。
「まさか…あなた!!」
弱いと思っていた拳…ただの連続攻撃ではない。その手はロザベールにヒットする度に謎の印を結んでいる。
ロザベールの頬に汗が伝う。
「サトゥ・ドゥア・ティガ・ウナム・ドゥラパン…」
リインは印を結びながら呪文めいた呟きを続けている。
「これは印…一体何をするつもりなの!?」
「教えないね!」
ロザベールの悔し気な顔を見据えてリインがニヤリと微笑む。
「くそおお!!離れなさい!!!」
鋼鉄の脚が踏み下ろされると派手な音と衝撃波でロザベールを中心に大きなクレーターが出来る。
しかしその衝撃を華麗な空中回転でかわしたリインの指がトンとロザベールの額をつついた。
「これで1000…お前の身体には俺の持つ呪刻印と同じ数だけの印が刻まれ曼荼羅印が完成した…お前はすでに籠の中の鳥だ…」
シリアスに虚空を見つめるリインが少し離れた位置に着地する。
「なに!?うわっ最悪!!!」
ロザベールがあからさまに嫌な顔をするが、その時既に遅く、体中に光る金色のドットが無数に浮かび上がっていた。
印のせいだろうか、身体の自由が利かない。さすがのロザベールもその嫌悪感に素を露わにした。
「ん?剣が…」
リインは背中にある剣がカタカタと震えだしていることに気が付いた。
それを引き抜くと、刃にまばゆい赤と青を帯びている。
「力を使えと言うのか…?」
リインは剣に囁きかけた。
実際剣は何も言っていないなんて、今はどうでも良いのだ。
そして目をカッと見開き自分でも用途不明な回転を2、3回行った後、ロザベールに向けて剣を振りオーラを放った。
その閃光と共にロザベールの印が赤と青の光を放出しだす。
「貴様あぁぁぁぁ!!!」
ロザベールが敗れ行くボスのような咆哮を上げる。
「デュアルフォース・ジャッジメント!!!」
リバーブの効いたリインの声とともに剣から発されたオーラがロザベールを包み込み、その光の塊が電撃を帯びた赤と青の爆発を引き起こす。
その爆発は闘技場の天井をぶち抜き、青空に伸びる双極の柱を作った。
「地上の堕天使よ。陰陽の名のもとに…裁かれよ…」
爆発を背景にリインがシリアスに呟く。
決まったな。
心では己の少年が再び眠りに就くのを清々しく感じていた。




