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秘密結社のお姉様!?  作者: 折上莢
きそうきょく編
70/71

ただいま おかえり

「お姉様」


重苦しい雰囲気の中、千春が口を開いた。


「今後のことを、考えましょう」

「…今後って」

「捕まえに行くんですよ。碧流も烈も、ちゃんと相互理解をした上で、こっちに連れ戻しましょう」

「…遥希さんも?」

「…いや、あいつは…」


言葉を濁すと、梓の瞳から涙があふれ出す。千春は慌てたようにその涙を拭った。


「はるきさんは? はるきさんもいないとやだ…」

「あああああそうですよね!? あいつもメンバーですもんね!?」


泣きじゃくる梓を千春が宥めていると、ガチャリと玄関の方から音がした。二人の動きが固まる。

誰かが玄関にいる。ぴたりと涙が止まった梓は息を呑んだ。


「あ~やっと着いた。ただいまあ~、…あれ? どうしたのそんな目を丸くして?」


唖然とする梓に、千春が気まずそうに目を逸らす。


「…は、は、は、はるきさん…?」

「えっ姉貴が名前で呼んでくれた…!」


感動したように声を上げる遥希。梓は目をまんまるにしたまま黙り込んだ。

黙り込んだ梓の前に、遥希がしゃがみこむ。


なんで、どうして。無事だったのか、どうやってあの場面から。言いたいことも聞きたいこともあった。でも、言葉としては出てこない。

そんな梓を見て、遥希は微笑む。


「ただいま、姉貴」

「…おかえり、無気力さん」


頬を伝った涙を、遥希が拭う。


「…遥希にいいところ全部持っていかれましたね…」


千春が拗ねたように言うと、遥希は苦笑いした。


「で? 烈は戻ってないの?」

「はい。碧流とは先ほど会いました。…烈を優先して探した方がいいでしょう」

「碧流はとれじゃーずに落ちたってこと?」


濁した部分をはっきりとさせた遥希に、千春は顔を歪ませた。泣いている梓の前で、これ以上泣かせるようなことを言わないでほしい。


「…烈を探そう」


梓が言い切った。その瞳は、未だ涙に濡れているが、強い意志が宿っている。


「全員、取り戻す」


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