表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密結社のお姉様!?  作者: 折上莢
かかし編
22/71

具体的なイメージ…。

幼い碧流は、自分を捨てて逃げた元リーダーを嫌っている。

当然だ。彼が逃げたせいで、彼女は恐ろしい目にあった。


「…お姉ちゃん」


碧流が、震える声で私を呼ぶ。

手にあるはんぺんは、もういいだろってくらい細かく潰されていた。


「お姉ちゃんは…わたしを、みすてないよね…?」


エメラルドグリーンの瞳が、揺れる。


「わたしが、のうりょくをおさえられないからって…パパみたいに、あの人みたいに、すてないよね…?」


潤んだ瞳が涙を零す前に、私は碧流の頭を撫でた。


「大丈夫だよ。能力抑えられないのは私も一緒だし。ていうかそもそも碧流の方が能力が発現したのは先輩なんだから」


Lancelotの中で、一番発現が遅いのは私。最近ようやく自分の意思で出し入れできるようになったのだ。

それでも、千春に届かなかった。


「ねえ無気力さん」

「うん?」

「…能力を、上手く使えるようになるにはどうしたらいい?」


無気力さんは少しびっくりして、そうだね…と考え始める。


「何回も使う事かな? やっぱり。具体的なイメージを持って、何回もやって、感覚を頭に刷り込む感じ」


具体的なイメージ…。

私は、この能力を、どうしたい?


「…そっか。ありがとう。参考にする」

「あ、姉貴、お湯溢れる」

「早く言って!?」


ぼこぼこと沸騰した鍋。火を弱める。


「お姉ちゃん、はんぺん」

「えーっと、はんぺんは…。袋開けて、そこのボールに入れて。無気力さん挽肉とって」

「はぁい」


ふと、雑貨屋の店員さんの言葉が頭に浮かんだ。


『旦那さんもかっこよくて…羨ましいですね』


何でそんなことが今フラッシュバックした!?

無気力さんが旦那!? 碧流が娘!? そんな歳に見えたのか!?


「ちょ、姉貴何してんの!? まな板駄目になるよ!?」


気付けば、いつの間にか腕は剣になっていて、まな板を刺していた。

…無意識に能力出してた。ちゃんと使えるようにならなきゃお思っていた矢先にこれ。駄目だ。今夜から特訓始めよう。


「…何でもない」


恥ずかしい。何だかよくわからないけど、今なら恥ずかしさで死ねそう。


そんな事を考えていると、ピンポーンとベルが鳴った。


「無気力さん火お願い」


ぱたぱたと玄関の鍵を開ける。

誰もいなかった。

そこに置いてあったのは、一枚の封筒。

それを拾い上げて、はっと息を呑む。


見覚えのある猫の、シール。

千春を斬った、あの猫のシールが貼られていた。


差出人の名前はなし。その場でシールを破り、封筒を開ける。

中に入っていたのは、招待状。

ここから少し先、よく知る人物の家への招待状。


「…っ、何で…」


昔からよく知る、佐伯尊の家への…招待所だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ