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半血魔王のクロニクル<年代記> ~魔界で一番外道な貴公子~  作者: 古弥須 凱
第一部 黒き貴公子と贖われぬ花嫁
10/46

8話 「リーザ姫」に関する報告書

挿絵(By みてみん)



提出日:魔界暦 2206年6月30日

 

提出者:レジナルド・チェンバース(ルシエル公爵閣下付 第一従者)


提出先:ルシエル公爵閣下

 

件名:人間界「オルヴェス王国」対象者「リーザ姫」に関する情報収集結果(第1報)


収集期間:魔界暦 2206年6月14日~6月29日(人間界暦同等、約1週間)


1. 対象者の基本情報(リーザ姫)


本名:ルイーゼ・ディノクタス・オルヴェス


通称:プリンセス・リーザ


年齢:18歳(人間界暦基準)


身分:オルヴェス王国王女(王族直系、現国王の姪)


外見特徴:金色の細い髪、茶色がかった瞳、高貴で清純な容姿。身長約160cm、細身で優雅な体躯。肌は雪のように白く、頰に薄桃色の血色が浮かぶ。


肖像画:王宮公式肖像画3点入手(正装ドレス、日常着、公式肖像)。


添付ファイル「Luise_Portraits.zip」に保存。

肖像画は各国への婚約候補用として最近流通増加中。


2. 家族・家系関係

 

父:故・前国王(エドワード・ディノクタス・オルヴェス、病没)


母:故・王妃(詳細不明)


叔父:現オルヴェス国王(リーザの後見人)


従兄弟:アレクシス王太子(詳細は後述)


リーザは孤児に近い立場で、王宮内で叔父王の監護下に置かれている。


添付資料:Orves_Kingdom_Documents.pdf(本名・年齢・家系図)

入手経路:人間界王宮公文書室からコピー


3. 最近の動向と情報流通の背景


現国王がリーザを政略結婚の花嫁候補として各国に積極的に売り込み中。


肖像画・個人情報が公式文書として配布されており、同盟強化を目的とした戦略と推測される。


リーザ本人の意思は反映されておらず、抵抗気味との情報あり。


魔界ネットワーク経由の情報:

 

リーザの存在が下級悪魔の情報共有掲示板内「人間界で見た美女・美姫晒しスレ part7624506324486」において、複数回言及されている。当該スレはサバトで恩賞対象とされる生贄の拉致・攫い対象リストとして利用されている可能性が高い。


また、注目度は現時点で低いが、個人スレッド「【清楚】ルイーゼ姫でハァハァするスレ【可憐】part23」の存在が確認されている。

 

4. アレクシス王太子の動向(情報提供者経由の複数証言・信憑性分析)


基本情報:


本名:アレクシス・ディノクタス・オルヴェス


年齢:24歳


身分:オルヴェス王国王太子(リーザの従兄弟)


政治的立場:実権はほぼなく、父王の補佐を名目に政務をこなす立場。


「ルイーゼ姫を他国に嫁がせる」戦略を表向き支持しつつ、内心で個人的執着が強く、結婚遅延の妨害工作を繰り返しているとの情報あり。


リーザに対する執着:


幼少期より、孤児状態である従姉妹リーザに対して精神的・肉体的ないじめ行動あり。


情報提供者(使用人・側近複数名)から、私室にリーザの肖像画を複数秘匿しているとの証言あり。


使用人や側近に「リーザの近況を逐一報告せよ」と命じ、姫の私室近くを頻繁にうろつくことが報告されている。


信憑性分析:

 

情報提供者(使用人・側近5名以上)からの独立した証言が一致し、相互矛盾なし。


信憑性は極めて高いと判断。ただし第三者証言である。


5. 分析と提言

 

政治的立場:リーザは王族直系ながら監護下で政治的孤立状態。


婚約候補としての売り込みは同盟強化戦略と推測。


脅威度:


主脅威:アレクシス王太子の個人的執着。


副次的脅威:魔界掲示板での言及増加による下級悪魔の拉致対象化。


提言:

 

私、レジナルドが現地指揮役として全般を統括し、以下の作戦を推進する。


王宮に潜入させた双子淫魔リリアおよびソフィアによって、アレクシス王太子への肉体奉仕を継続して実施。


アレクシス王太子の心理的依存を確立し、「リーザ姫の純潔を維持しつつ双子淫魔による満足を提供」という論理を提示。


王太子から、リーザ姫私室付き小間使い配置の了承を得る。


配置後、双子淫魔は日常的な微量媚薬投与(紅茶・菓子への混入)を継続する。


目的:


リーザの睡眠下意識を徐々に魔界側と同調させる。


十二夜の夢接続を強制的に誘発し、侵入成功率を向上させる。



期待効果:


十二夜における閣下の直接侵入可能性の大幅向上


リスク対策:


投与量を検出困難な微量に抑制


双子の行動を私が直接監視し、発覚兆候を即時報告


――――――――――

■参照文献一覧(抜粋別紙)


1.「十二夜期における次元間精神境界の希薄化現象と人間夢チャネリングの事例分析:秘儀応用と戦略的誘惑ツールとしての実現可能性」

著者:マリウス・ヴォルテック(魔界アカデミー教授)

発行年:魔界暦 1910年

 

2.「人間睡眠に作用する魔界植物の薬理効果と調合法」

著者:イラスベス・シャドウリーフ(暗黒植物学研究所所長)

発行年:魔界暦2163年


―――――――――― 

■添付資料一覧


Luise_Portraits.zip(肖像画3点)

Orves_Kingdom_Documents.pdf(公文書コピー)

Mag13_Thread_Part7624506324486.txt(掲示板抜粋)

Mag13_Thread_Part23.txt(個人スレッド抜粋)

References_MagicPapers.pdf(参照文献の抜粋)

――――――――――


結論:


アレクシス王太子の執着は主脅威として、双子淫魔の活用により効率的に利用可能。


現地指揮役として私が全般を統括することで、本作戦の成功可能性は極めて高いと判断いたします。


閣下のご判断を仰ぎたく存じます。


以上、ご報告申し上げます。

ご質問・追加指示がございましたら、いつでもお申し出ください。

 

魔界暦 2206年6月30日


署名:Reginald Chambers

(ルシエル公爵閣下付 第一従者)



▼次話


9話 待ち人

挿絵(By みてみん) 

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