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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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飛び越した問題

 ご主人様をおんぶし、開けられたドアの前に立つ。そして、助走をつけ、今度こそ、と、地面から足を離した。うまく着地することができ、すたっと両足で地面にまた足をつける。

ご主人様をおろすと、ご主人様は怖がっている様子もなく堂々としていた。蜘蛛の死体を見てもびくともせず、毒の花の上を平然として飛び越す。実際に飛び越したのは私だが、それでもすごいことだ。

次はお嬢様の番だ。

「しっかり捕まってくださいね、楓様。」

「は、はい。」

かなり怯えているようだが、頑張れ、お嬢様!

その次は、アイビー。

「行きますよ。大丈夫ですか?」

「……。」

アイビーは相変わらずなにも言わなかったが、小さくうなずいたように見えた。

そして、抱えられて飛ぶ最後の人、ウメ。

「すみません、ヤミ様……。」

「おう。気にすんな。」

ヤミはおんぶをするのが面倒なのか、脇に抱えていたが、むしろ逆にその方が飛びにくいのではないかとハラハラさせられた。私の部下をもう少し丁寧に扱ってほしい。

最後にビオラ様。

「えいっ。」

声は可愛かったが、その脚力は凄まじく、少し上に飛びすぎて。

「痛っ。」

顔をぶつけていた。そのまま後ろに落下しそうなところをヤミがヒョイっと持ち上げる。

「よく頑張ったな。」

「す、すみません。」

私の弟、本当にかっこいい。このさい、ブラコンだのシスコンだの言われても構わないわ。かっこいいものはかっこいいし、可愛いものは可愛いんだもの。

なんだかどっと疲れた気がする。他の人が飛んでいる時は少しハラハラするし。けれど、早く行かなくちゃ。真悟様が待っていらっしゃるものね。

入ってきたドアを閉め、正面を向くと、いつも通りのドアが見えた。開いている。

そういえば、問題はなんだったのだろう。

ドアを開けて天井を覗くも、雲が邪魔でなにが書いてあるのかがわからない。

「ねえ、アイビー。あの蜘蛛落として。」

アイビーの腕の見せ所だと思った私は、アイビーに声をかけた。すると、アイビーはコクリとうなずき、ナイフに縄を巻き付けた。そして、見事足に命中させ、引っ張ってナイフを取り戻す。それを繰り返してくれた。さすがアイビーね。ナイフを無駄にしないことまで考えているなんて。

半分ほど足を切り落としたところで、雲は落下した。そこまで頑丈に天井に固定してあったわけではないのだろう。

覗き込んで上を見ると、問題が書かれてあった。

「モンダイ。トビコセ。」

飛び越せ。違う方法で脱出していたら、ドアは開かなかったのだろうか?先に蜘蛛を倒して問題を見るべきだったな。私としたことが。迂闊だった。

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