会いに行こう
面倒なことになったものだ。私もため息がつきたくなる。
「狙われてるってことだろ?見過ごすわけにはいかないけど……。」
助けるためには私たちもリスクを背負うことになる。それに、何より面倒だ。
「そもそも、どうして狙われているの?」
思い当たることがあるとしたら、もともと夫婦2人で探偵事務所をやっていたということか。そこで、組織にとって都合の悪い何かを探の母親、命が掴んでしまった。
「まだ調査中ですが、おそらくそれで間違い無いと思います。」
やはり、その可能性が高いか。おそらくホワイトは、その何かを夫である真悟も握ってしまった可能性があると考えているのか。
これは、面倒な事になったものだ。攻めるのは簡単でも、守るのは簡単な事じゃ無い。どこから、いつ、狙われるか分からない。いつも注意深く周りを見ていなくちゃならないのだから。
「これから探にも矛先が向く可能性がある。私は探を守る。」
脅されてやるんじゃ無い、と、自分に言い聞かせる。私は優しさであいつを助けてやるのだ。
「じゃあ、俺は真悟を護衛しよう。」
「では、私は調査を進めます。」
3人で顔を向き合って、こくりと頷く。
「じゃあ、早速別行動をしよう。何かあったら、通信で連絡する事。」
私がそういうと、セイはわかりましたとうなずいて、資料を持ち、部屋を出ていった。ヤミも、ペコリと頭を下げて窓から夜空に旅立っていく。私もいかなければ。準備を整えて、彼のもとへ。
必要なものは怪盗として盗みに行った時点である程度のものは持っていたので、準備にたいした時間はかからなかった。しばらくの間は向こうに住み込みになる可能性があるので、必要になりそうな服を選ぶ。
「うーん、これなんか面白いかな?」
必要なものを持ったら、もう出発の時間だ。狙われている可能性があるのだ。1秒でも早くそばに着いていてあげないと、彼のもとにたどり着く前に彼に危害を加えられてしまったら元も子もない。
「行ってきまーす。」
長年お世話になった家に、しばらくの別れを告げた私の服は怪盗の衣装のままだ。なぜかというと、この格好で会いたい人がいるからだ。探たちと話していた時、あの場所にはたしかにもう1人いた。その人に会いたいのだ。その人も、私たちを途中まで追いかけてきていた。おそらく、その人は。




