表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
58/80

倒された蜘蛛

 蜘蛛が、起動していた。そして、おそらく。

ドアノブをゆっくりとひねり、恐る恐る引っ張る。……開かない。

最後の瞬間、私は蜘蛛と目があった。その時、見えたのだ。糸のような白いものをお尻から出していたのを。それを私に巻きつけるつもりだったのだろうか?

「粘着性のある何かで塞がれているわ。切れないことはないけれど。」

実際、切りにくいとは思うがきれないことはないだろう。けれど、押し破ったほうが早そうだ。

「蜘蛛。やはり仕留めておくべきでしたね。」

ウメが悔しそうにそう言った。何がそんなに悔しいのだろう。私達は怪我なんかしていないのに。

「じゃあ、俺とセイで倒してくるよ。」

ヤミが手を挙げる。そうなるだろうとは思っていたが。

2人にいつも任せきりなのが、私は嫌だ。私は2人の主人のはずなのに、守られてばかりなのが嫌だ。けれど、それは仕方のないことなのだ。私は2人に比べれば、弱く、そして頭も良くない。今後悔しても仕方がないのだ。これから後悔しないためにこれから鍛えていくしかないのだ。

「頼んだわ。」

2人に任せきりにするしかないのが、悔しい。……ここから帰ったら、訓練でもしようかしら。

ヤミとセイは笑顔で頷いて、ドアの向こう側に行ってしまった。


 俺たちが入ってくる間、蜘蛛は俺たちのことをじーっと見つめていた。ただ見ているだけで、動かない。攻撃もしてこなければ、ライオンのように話しかけてくることもない。

花があるので、地面に足をつくわけにもいかず、俺たちは壁にナイフを突き刺してぶら下がるような形で空中に浮いていた。

「何もしてこないな。」

蜘蛛を刺激しないように通信機でセイに話しかける。

「今のうちにサクッとやっちゃいましょう。」

セイが短刀を蜘蛛の首に突き刺した。けれど、それでも蜘蛛は動かなかった。そして、そのまま息絶えてしまった。いや、正確には壊れてしまった、か?どさっと音を立てて蜘蛛が落ちてきた。

「戻りましょうか。」

「ああ。」

やけにあっさり殺されてくれたな。蜘蛛が狙っていたのは、俺たちではなく、もしかして……この蜘蛛は、いや、ホワイトは。

扉を開けて姉貴の顔を見る。姉貴は俺たちの顔を見て、安心したように笑った。

もしかして、姉貴を……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ