たった3人の家族
「一体、何を頼みたいというのですか?」
大切な友人を巻き込んでまできたのだ。話くらいは聞いてやってもいいだろう。
パシッと腕を掴まれる。私の腕を掴んだ妹が、フルフルと首を横に振っている。これ以上はもうダメだということか。確かに危険だ。けれど、この高校生にはもともと興味があったのだ。
妹の手をそっと剥がし、探に向き直る。
「母さんを……探してほしい。」
事前の調査では、確か5歳の頃に母親を亡くしていたと記憶しているのだが、生きていたのか?
ぐるぐると頭の中を思考が巡る。けれど、答えを出す暇もなく。
「もう行きましょう?彼に付き合うことないわ。」
妹がもう帰る時間だ、と私に告げた。私も、そろそろ潮時か、と、羽を広げる。
「また、お会いしましょう。」
私達は、再び空に消えていった。それを、探たちは追いかけてきたものの、途中で見失ってしまったようで、気がついたときにはいなくなっていた。
3人の家に着くと、早速会議が始まった。私の弟、ヤミは少し苛立っているように見える。
「あいつ、どうする?」
「双子の人形と同一人物だとバレてしまったのは初めてのことですね。」
私を置き去りにして、話しはどんどん進められていく。2人が話し合ったことを、私が決定する。いつもの流れだ。
「決まった?」
2人が私の方を向いて、小さく縮こまった。そして、申し訳なさそうな顔をして私を見る。
「私が同じ薬を使ったせいでこんなことに……。」
薬の開発、使用、医療、情報収集などなんでもこなす私の妹、セイは、同じ薬を使って仕事をしたことを後悔しているようで、勢いよく頭を下げた。
「俺も、止めなかったから……。」
ヤミも同じく悔いているようで、ゆっくり頭を下げる。
「すみませんでした。」
「申し訳ない。」
そんなことを言われたら、双子の人形のことを2人に任せっきりにしていた私、ヒカリにも問題がある。悪いのは、2人だけではないのだ。そもそも、双子の人形は、どうして2人だけで構成されているのか。私の手を汚したくないと言ったのは2人だったが、手伝いくらしても良かったはずだ。
「頭を下げる必要はないわ。これからどうするかを考えましょう。」
私がそういうと、2人はまるで救世主を見るような目で私を見た。私は、やれやれと笑いながら2人の頭を撫でる。
たった3人の家族だ。仲良くしなくては。




