↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒のメイド  作者: 藤本 寛那
PR
21/80

妹を呼ぼう②

 さて、そろそろセイとの合流を図るべきだろうか。敵も、殺すのではなくさらったのだから、すぐに殺される可能性は少ないだろうけれど、できるのであればなるべく早く真悟様を助け出さないと。

「妹を呼びますので、少々お待ちください。」

通信機が内蔵されていることを知られないよう、リビングから見えない台所の影まで向かう。通信機が内蔵されているとバレれば、アンドロイドだということもばれかねない。一緒に生活する上で、それがいちばんの不安だった。現代の科学では、こんな高性能なアンドロイドは存在しないはずなのだから。

「セイ。聞こえる?」

通信機でセイに話しかけると、セイはすぐに応答してきた。

「はい。先ほど兄さんから聞きました。今、そちらに向かっています。」

先ほど……ああ。ヤミは鍵を閉めに行ったのかと思っていたが、どうやら違ったようだ。

セイは速い。頭脳型のセイだけれど、そのスピードは戦闘型のヤミと並ぶくらいだ。だから、彼女がこちらに着くのにあまり時間は要さないだろう。

「今どこ?」

「はい。あと100mほどで着きます。」

セイはわたしの質問に的確に答えてくれた。まあ、先ほど会ったばかりなので、それほど遠くにはいないと思ってはいたのだが、それでも速い。

10秒もしないうちに、玄関の鍵がかちゃりと開けられる音がした。玄関の方を見てみると、そこには黒いバッグを持ったセイがいた。

「セイ。ちゃんと人に見つからないように走ってきた?」

2人は自分たちが人間と比べて異常に能力値が高いことを忘れがちである。だから、ごく稀にだが人間に疑われるようなミスをしてしまうことがあるのだ。

弟よ、妹よ。お姉ちゃんが心配なのはそこだけなのだが……。

「はい!大丈夫です!」

女の子の笑顔はアンドロイドでもやはり可愛らしいものだ。思わず頭を撫でなくなってしまうのを抑えながら、ご主人様に向き直る。

椅子に座っているご主人様は不機嫌そうな顔をして私たちを見上げていた。

「なんでお前ら俺の家の鍵を持っているんだ?返せよ。」

別に盗んだわけではないのだが、自分の家の鍵を赤の他人が持っていたらそれは不機嫌にもなるだろう。それも、おそらく最も軽蔑しているであろう人物に。

「家の中で何かあったとき、助けに入れなくては困るでしょう?」

にっこり笑顔を作ってそう返事ができたのはいいものの、横を振り返れば不機嫌さを隠すように真顔のまま立っている家族2人がいるのだがどうすればいいのだろうか……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。