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黒のメイド  作者: 藤本 寛那
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今日の出会い

 もうの夜中だというのにもかかわらず、かかってきたその電話。ご主人様が電話に出られると、ご主人様はぱああっと笑顔になった。

「父さん!どうしたの?」

こんなところは、まだまだ高校生というところなのだろう。けれど、その顔はだんだんと曇っていった。

がちゃん、と受話器を置く。

「いかがなさいました?」

こちらを振り返ったご主人様は、顔をしかめていた。あまり良くない内容だったのだろうか?

「しばらく帰れないそうだ……。それに、ゆりと会った時のことを見られていたみたいで、叱られてしまった……。」

ご主人様は、そう言って、はあ、と大きくため息をつくと、部屋を出て行ってしまった。

今日の事。と言っても、つい先程のことだが。見られていたのは気がついていたが、ご主人様を見守っているような視線だったので対して気にしていなかった。後で声をかければいいと思っていたから。

「おやすみなさいませ、ご主人様。」

もう夜は遅い。人間は眠る時間だ。さて、私も与えられた部屋に戻るとしよう。そして、今日初めてご主人様と出会った時のことを思い出しながら、何か飲もう。今日の出会いに乾杯を。


 4月1日。エイプリルフールのその日に、私達怪盗は、お宝を盗みに行っていた。別に私たちがお宝を欲しがっていたというわけではなく、協力者からそういう命令があったから。

私達はとある屋敷に置かれていた、とある宝石を盗むように指示されていた。その宝石の中には、あまりいいとは言えないやつらの情報がたくさん入っている金庫の鍵になっているらしい。要するに、罪人の悪事が情報としてたくさん詰められている金庫の鍵がその宝石ということだ。埋め込んだらあくのだろうか?まあ、私たちが考える必要はないだろう。私達はただ彼らの協力者として、言われたことをすればいいだけなのだから。そうすれば、それなりの地位と報酬が約束される。大人しく従っておくのが一番だ。そうすれば、安定した人生が遅れるはずなんだから。

私達は、怪盗の衣装を身に纏う。天使の姿をした私、悪魔の姿をした弟、精霊の姿をした妹。私達3人は、月の輝く夜空を羽ばたいた。私たちの羽は、思うように動かせる。後付けの部品のはずなのに、まるで本当に元からついていた自分の体のようだ。

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