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イビルタウン

人口1267人。通称嫌われ者達の街と呼ばれるイビルタウンは他の街からは犯罪街など呼ばれる事があるが街自体の治安は非常にいい。単にそう言う噂につられてくる馬鹿どもがいるせいでそう思われているだけで居場所のない者や何かから逃げてきた者などが肩身を寄せ合って暮らしている。

「おぉいにいちゃんよ?ちっと金貸してくんないか?」


「嫌だよ。お前らもアホやってないで働けよ」

ほらこうやって外から来た連中に絡まれる。

「あ?今なんつった?」

たしかにここでは日常茶飯事で殺人が起こるしキメてる奴も、人喰ってる奴もいる。だが、暗黙の了解のようにいくつか決まり事もある。まあ、大半がこういう連中が起こしていることだが、基本的に平和に暮らしたいのだ。でも、元いた世界とここの倫理観は大きく違う。モンスターと言う明確な人類の敵がいるからこそ国家間でのそこそこの交流があり人同士のつながりが強い…が、当たり前の様に人が死ぬ世界。弱肉強食が基盤となっている。まあ、人殺したら普通に犯罪ではあるが。

「もしもーし」


「…駄目だ。やっぱ考え付かねえや」


『戦ウノカ、手紙ヲ考エルノカ、ドチラカニシロヨ』


「わかってるよ。でも、俺国語の成績も悪かったし…考えてないと忘れちまうんだよ」


「お、おい。聞いてんのかって?」


「あー、やべえ遅刻する。悪いなチンピラさん方。また縁が会ったら何処かで会おう」

此方に笑顔で手を振っている二人組が見える。よかった面倒臭いことにはなりそうだ。考えるのをやめよう。

やる事は多くてもまずは自分の仕事を優先すべきなのだから。




「なんなんだあいつは?独り言か?まるでもう1人いるみたいな話し方で…」


「さあ?ヤク中なんじゃないですかね?ここ、葉っぱの畑あるらしいんで」


「へえ、流石は犯罪が、がががが」


「へ?どうし…」

ここはイビルタウン。治安は良好。住民は皆が助け合って生活し、お互いを助け合う。

チンピラは仲間の一人の頭に深々と刺さった出刃庖丁を見て戦慄した。抜き取られた刀身と同時に体が倒れこみその振動のせいかドロっとしたピンク色の固体が漏れ出てきた。

「朝っぱらからエンスケに絡んでる阿保は何処のどいつかと思ったらちょーど新鮮な肉が取れたよ。かあさん」


「んもう、今日は団体さんの予約だったんだから人肉じゃなくて牛でしょう?とうさん」


「ヒ、ヒイッ!」


「大丈夫さ。だって、瞬間冷凍すれば明日も新鮮」


「そお?じゃあ私牛買ってくるから血抜きお願いね」

噂通りだと、改めて自覚した。調子に乗っていた。ここの連中は平気で人を殺すんだと。それは2人目の住人を見て即座に理解した。

「悪く思わないでくれよ?弱肉強食。それはここでも一緒なんだから。あ、因みに君らみたいなのが毎回この街に来るせいで本当にいい迷惑なんだよ。わかる?」


「ひっ、や、ヤダァぁぁぁ!!」

チンピラは逃走した。肩を並べ楽しく暮らしてきた仲間を、親友を放っておいてでも。このイかれた街に居たくないと、全身が震えだしたからだ。

「おっといけない。子供が見る前にさっさと片付けるか。ふんふ〜ん。エンスケを見習って今日も頑張りますかな」

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