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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-35.森の探索(2)

岩山から石のサンプルがとれたので、

洞窟の下見をすることにした。

下見だけなら大丈夫でしょ。

<<ナビ、この先に洞窟があるか探知できる?>>

<<地下への入り口はあります。>>


<<まず、その入り口周辺と経路の安全確認>>

<<黄〇以下のみ>>


<<その、入り口に近寄ったときに反応する物体の有無>>

<<入り口に入ると、各種センサーが反応します>>


<<それってさぁ>>

<<ダンジョン>>


<<そのダンジョンには何があるの?>>

<<日本でいうところのファンタジーな世界があります>>

<<いい答えだね>>


<<他に鉱物資源がとれそうな、ダンジョンでない洞窟とかある?>>

<<すぐそばに、別の洞窟があります>>


<<なんで、そんな近くにあるの。間違えるよね>>

<<ご想像のとおりで。>>

<<ありがとう>>


一応、フウマに確認しておくか。

こういうときに、<念話>で移動しながら喋れたら便利なんだろうね。そっか、ダンジョン入って離れ離れになっても復帰しやすいよ。ダンジョン攻略の難易度が全然変わるんじゃなかろうか。


「フウマ、ちょっといい?」

「姉さん、どうかした?」


「あんまりよくわからないんだけど、洞窟の他にも迷宮ってあるの?」

「伝説の中では迷宮ってでてくるね。洞窟は自然に出来た鍾乳洞や陥没した割れ目の横穴だね。獣や魔物が住み着いたり、人が物を隠したりする。迷宮は吟遊詩人のサーガによく出てきて、罠があったり、宝箱があったり、強い魔物がでてきたり。」


「違いは?」

「現実と伝説の違いかな。」


「つまり、フウマもよく分からない?」

「姉さん、これは魔石作成の訓練と関係してる質問?」


「ごめん。違うの。さっき、ユッカちゃんが『洞窟の他に地下がある』って言ってたから。なんか、地下迷宮とかあるのかなって」

「ユッカちゃんが言うなら、その<地下>はあるんだろうね。」


「今向かってる場所はどっち?」

「エイサンが言うには、鉱物の洞窟だけど、何か心配?」


「間違えて、地下の入り口に入ったら危ないかな~って。」

「普通、そんな傍に入り口を置かないでしょ。」


「ふ、普通はそうだよね。大丈夫だよね。変なこといってごめん。」

「姉さんは普通じゃないのが好きだもんね。一応気を付けるよ。」


一応、フウマに警告はした。いきなりダンジョン突入はないと思いたい。


ーーーー


「これ、姉さんのせいだよね。」

「何が。」

「普通とか言うから。」

「そうだっけ。フウマが『普通は無い』って言わなかった?」

「普通は起こらないことを、いちいち呼び込むのは姉さんのせいだよ。」

「なんで。」

「自分に聞いてくれよ。俺が判る訳ない。俺は普通なんだよ。」

「ごめん。分かんないけど謝る。前向きに考えようよ。」


で、あったんですよ。

洞窟の入り口が2つ並んでね。

普通に考えれば、どっちかが本物でどっちかがハズレ。

あるいは、両方ダンジョン入り口で、鉱物の洞窟は別にある。


あれ?もういっこ隣に扉の形をしたコケの隙間があるね。

ここに何かあるのかな。ちょっと押してみよう。

っと、どんでん返しみたいに、いきなりひっくり返って小部屋に入った。


この小部屋の中は、外から光が入らないのに何故か明るい。なんらかの仕組みが作用してるんだろうけど、今は考えない。


さて、ボタンとレバーが1つずつ。

どんでん返しを中から触っても開かない。

<壁抜け>とかできないから、ボタンかレバーのどちらかを操作するんだろうね。なんか、レバーの方が扉が開くイメージがする。

レバーを<下>に操作してみたよ。

何も起きないね。

出られないから、当然、ボタンを押すしかない。

あ、扉が開いた。


「ねえさん!なにやってるの!」

「え?怒られるようなことした?」


「そこに階段が出てきたよ!」

「地下へ行くやつ?」


「そうだよ」

「戻してくる」


また、小部屋に入ってレバーを<上>に操作。

ボタンを押して、小部屋からでてくる。


「戻った?」

「戻ったよ。もう、姉さんの好きにしていいよ。」


「じゃ、洞窟に入ってみる?」

「姉さんが下見って言ったよね。あまり奥まで行かなければいいんじゃないかな。」


「じゃ、左側の穴から・・・。」


<ガツン!>


「痛~~~い!何これ?」


フウマが横に来て、穴を丁寧に触ってみる。


「姉さん、これ岩の壁だね。穴の絵だけだよ。」

「絵じゃないし!これ、<光学迷彩>と同じ応用で、どこかにある像をここに映してるんだよ。本物は違うところにあるよ。」


「<光学迷彩>が何かは今度きくけど、どこかに本物があるっていうなら、隣にきまってるだろ?」


<ガツン!>


「イテッ!」

「や~い。フウマも引っ掛かった。」


「だったら、この辺のどこかに本物があるんだろ?」


フウマが、さっきの、どんでん返しを触る。

で、地面に地下入り口の階段が表れる。

そして、フウマが出てくる。


「フウマ、階段戻して。」

「分かった。戻してくる。」


「どうする?」

「姉さん、その<光学迷彩>の出元とか分からないの?本物の洞窟の場所とか。」


「そっか、なるほどね。フウマ、索敵はできるよね?」

「普通のならできる。」


「相手が魔術操作が使えるか区別できるレベル?」

「意味がよく分からないけど、身体強化系の魔術を使っているなら、体内の血の流れ方が変わって見えるよ」


「よーく、よーく、見ると僅かにこの扉からも、魔術が感じ取れるんだけど、分かる?」

「ちょっと待って。やってみる。」


「・・・。」


「あ、姉さんの言いたいこと分かった。この形の気の流れみたいのが森の中から来てるね。」

「うんうん。2個の扉があるから、別々に探しに行こう。見つかったらここに戻ってこよう。中には入らないってことで。」

「OK」


で、ふよふよと漂うエーテルの流れを追跡していくと、遠くない場所に似たような地形で、似たような木が生えていて、全く同じ形の洞窟の入り口が見つかった。


「あれ?姉さん?」

「あ、フウマも同じ場所か。じゃここの洞窟の入り口をあそこに2つも投影していたんだね。」


「なんでそんなことする必要があるんだ?」

「もし、私があの地下の入り口を作ったとして、あの入り口に興味を持たせるなら、そういう仕掛けを作るね。知られたく無いなら、何にもしない方がいい。」

「1個にしない理由は?」

「フウマがやった通りだよ。一個しかないと、そこで諦める。でも2個ともダメなら、手あたり次第に探すでしょ。そして入り口が見つかったら入りたくなる。」


「姉さんが、洞窟と地下の話をしていなかったら、あそこの階段が洞窟入り口と思って入っていたね。」

「でしょ?」


「ところで、こっちの洞窟が安全か索敵できる?」

「ああ。今確認する。」


<<ナビ、この洞窟の中の安全確認。できれば広さとかも知りたい。>>

<<ここから探査した範囲では、動作するセンサー無し。黄〇以上の獣や魔物無し。広さは粘土を採取した洞窟程度まで探査しましたが、その奥は不明です>>

<<ありがとう。安全で広い感じだね。>>


「フウマ、どう?」

「広すぎて、この入り口からだけでは分からないね」


「中に入らずに、今度皆で来ようか。採取する入れ物もないし。」

「そうだね。姉さん、マーカーを3つぐらい集めて設置しておくといいよ。出来れば、獣除けの結界で囲って置くと、なおいい。」


「そしたら、さっきの地下入り口のあった場所にも置いてくるよ。今日はこの辺りを囲ったら、関所に向かってマーカー置きながら帰ろう。」

「分かった。」


ーーーー


戻ってくると、なんだか関所の中が騒がしい。

関所の中というか、奥まった領主の館辺りで皆がワイワイやってる。

なんか面倒なことじゃないといいけど。


「モリス、これなんの騒ぎ?」

「簡単に言うと、ステラさんとユッカちゃんが持ち帰ったサンプルに意味があったということです。」


「娼館の石材に使える感じ?」

「それは、当然のこととして、有用な鉱物資源も多数見つかったようです」


「それって、精錬用の炉とか必要なの?」

「すみません。私は専門外でして・・・。」

「ありがとう。ニーニャに聞くね。」


「ニーニャ、ユッカちゃんのサンプルが使えそうなの?」

「使えるぞ。3番目のサンプルの辺りの岩が綺麗な石造りの家向きだ。」


「どれくらい必要?」

「体積でいえば、この前作った20人用の家一杯分。縦横高さが30歩分だ。」


「切り出す石の大きさに決まりとかあるの?」

「運べるなら1個の塊でいいぞ。石細工が専門のドワーフに加工させるから、上手くやる。一枚岩からだと、石の模様が繋がって、見栄えが綺麗だぞ」


「今から取ってきたら、置き場所ある?」

「今からか。関所の隣に領地を作ってもいいのか?それなら問題ないぞ。」


「レイさんとイワノフさんがOKなら、関所の外に新しく領地作ろう。」

「いいぞ。相談しておく。」

「領地マーカーの設置はステラかフウマに頼んでおくね。直ぐにユッカちゃんと取りに行ってくるよ。」


「いいぞ。置き場、作業場を<関所の外>に新規に作る。人に見つからんようにするから、運ぶのも気を付けろ。」

「おっけー」


「ユッカちゃん、もう一度、石切り場行きたいけどいい?」

「いいよ。もう、本番の石を取りに行くの?」


「うん。そこにある小屋の大きさを切り取ってくる。」

「斬鉄剣の出番だね」

「うん。お願いね」


なんの問題もなく、サクサクと刃が入って、

<石を割る>じゃなくて、バターを削りだす感覚に近い。

斬鉄剣はすごいね。刃渡りとかそういう概念が無いんだもん。


その塊を今度は<重力遮断>と<光学迷彩>を掛けて運んできた。

関所のとなりに、囲いが出来て、地面がならされている。

領地マーカーも設置されているみたいだし、みんな早業だね。


よし、森の探索は今日はここまでだ。

いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

また、ブックマークや評価を頂けることはとても励みになります。

ありがとうございます。

10月は毎日少しずつ22時更新予定。

手間な方は週末にまとめ読みして頂ければ幸いです。

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