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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-34.森の探索(1)

やっぱり、石造りがいいらしい。

未着手だった森の探索に向かうよ。

「みんな、おはよう。昨日はお疲れ様。今日も体操から始めよう。

シルフとウンディーネは参加しても、しなくてもいいよ。頼みごとが出てきたら、念話で呼ぶかもだけど。」

「OK。僕は好きに見てるね。」

「分かったのじゃ。老人は朝が早いし、運動も大切なのじゃ。」


「昨日は会議ができなかったけど、今日のみんなの予定は?」


「窯職人のトーマスが来られたそうです。宿泊してもらっているので打ち合わせに入ります。屋外の共同で使える窯と、館のを大きくする2種類で進めようと考えています」

「モリス、その線でおねがい。あと、できればでいいけど、

魔術を使える人と農地を耕す人が欲しい。魔術はレイの欲しい人材の件ね。農地はだれでもいいけど、住み込みで移住できる人。奴隷でもいいけど五体満足でやる気のある人ね。金貨の袋を渡しておくよ。」

「承知しました。」


「ヒカリ、イワノフとレイから朝連絡があった。『娼館は石造りがいい』らしい。見栄えも重要で、作り直しだと数倍費用が嵩むんだと。」

「ニーニャもその意見に賛成?」

「石さえ調達できれば賛成だな。急いで開店しても、メンテの度に休業になるぞ。」

「そっか。じゃ、そうしよう。」


「ステラ、フウマは?」

「魔石作りの練習をしたいですわ。」

「俺も」

「う~~ん。優先順位がね。今日は森の探索に付き合って欲しいかも。」

「「はい。」」


「最後、ユッカちゃん」

「タコ焼き」


「ニーニャ!お願いがある!こんくらいの鉄板に、これくらいの半球状の凹みを20個くらい付けて欲しい。それをフライパン代わりに使う。材料があれば、それを2-3枚」

「今日はその穴ぼこのある鉄板と、川から水を汲み上げる道具を作るぞ」


「川から水を汲み上げるのは、自動がいいよ。水車っていうんだけど。」

「ヒカリ、それ、教えろ」

「い、いま?」

「いつ、誰が作るんだ?」

「早い方がいいね・・・。」


「ユッカちゃん、タコ焼きは大丈夫だから、フウマとステラと一緒に先に探索してきてくれる?領地マーカーを適当に設置しながら森を囲んでおいて欲しいよ。3人とも魔物とかの危険には気を付けて。空飛ぶときは<隠密行動>で。

水車が終わったら、そっちと合流したい。」

「「「はい」」」


ーーーー


「ヒカリ、水車の説明」

「はい。

基本的に2つの仕組みから出来てるの。

水の勢いを借りて、車輪みたいのを回す仕組み。

車輪に取り付けたおけが水を汲む仕組み。

桶が低いところで水を汲んで、それを高いところでこぼす。

高いところまで水がいけば、あとはといを通して水を流せるでしょ?

どう?」


「絵に書くとこんな感じか?」

「それだと、水に漬かりすぎだね。こっちの逆側が水の抵抗受けて、

車輪がまわらなくなっちゃう。段差を設けて、片側だけにかけてもいいんだけど、結構上流から水を分けてもってくるための樋が別に必要だね。」


「なるほど。

でも、雨の量で水の増減があって、水車の回り方が不規則になるなら、ヒカリのいう水車を回すための樋を作った方がいいぞ。樋の入り口の水量を一定にすれば水車がいつも同じペースで動く。同じペースは物が壊れにくいんだぞ。」

「長い目で見るとそうなるのか。そっちでお願い」


「じゃ、こんな絵になるぞ。

樋→水車の動力部にあたる→水車回る

水車の横の桶が川の水を掬う→上部で水をこぼす

こぼれた水を樋で受ける→樋で好きな場所へ水を運ぶ

どうだ?」

「いいとおもう。水車の軸受けは、全部木で作ると摩耗が速いから、金属とか、石にしておくといいかも。」


「そうだな。良く動く場所はすぐにすり減る。材料と加工方法はドワーフの皆で選ぶことにする。他にあるか?」

「汲んだ水があふれるから、貯水池とそこから川へまた戻す水路も要るね。」


「わかった。そこの水路も手分けして考える。」

「あとは、材料とか道具で足りないものは船にあるものも自由につかって。買い出しも自由にして。高額なものは連絡くれれば金貨だすから。」


「積み荷の酒はどうなる?」

「一個ずつ作品が完成するか、お祝い事が有ったら開けようか。

地下倉庫作って置いておくと、熟成されて変わった味になるよ。」


「そうなのか?直ぐに、腐って、酸っぱくなったり、カビが生えるぞ」

「保管の仕方とか、樽が汚いんだろうね。ちゃんとケアすれば大丈夫だよ。私の天然酵母みたいに。」


「酒は作れるのか?」

「今は無理だね。やることが多いし、小麦もブドウも育てるところから始めないと。」


「そ、そうだな。みんなお前を助けるぞ。酒のためなら特にな。必要なことはちゃんと全部いうんだぞ。」

「わかった。ありがとう。そしたら、森の方へ行ってくる。何か用事が有ったら念話でもOKだから。」


ーーーー


「おまたせ~~。フウマ、どんな感じ?」

「3人で同時に、同じ方向に領地マーカー置きながら進んでるよ。

姉さんと街道のルート作ったときと同じだね。」


「なるほど。行先は?」

「岩山だよ。もうちょっとかかるね。」

「洞窟は?」

「エイサンから場所は大体聞いてる。でも、石材が先だから、岩山を優先してるよ。」

「ありがとう。助かるよ。」


「そうそう。フウマとステラは領地マーカーを印として作るときに、無詠唱でやってる?」

「いいえ。」

「なんで?」


「無詠唱で魔術を使う訓練をするってのは、きっと魔石生成のトレーニングにもなるんだよ。動作とか声で、明確なイメージが出来てなくても脳内全体で補助してるんだよ。ってことは、エーテルを思念でちゃんと操作できていなくても、魔術が完成してるってことなの。」

「そう言われると、そうだったかもしれないわ。詠唱や印を結ぶことが大事で、領地マーカーを置くことをイメージして魔術を使ってなかったわ。」

「なんだか、最近はねえさんの言ってることがわかってきた気がするよ。やってみる。」


「うん。4人で、交互に進めばいいから、2000歩刻みで印をおいていこう。途中が抜けてもいいから、遅くなることを気にするより、無詠唱で魔術を使う訓練を優先してね。」


「ユッカちゃん、なんか危険な魔物とかけものはいた?」

「ううん。<森のおうち>のときと一緒。洞窟とか地下はわかんないけど。」


「地下?」

「おねえちゃんの国で何ていうかしらないけど、地面の下のことだよ」

「あ。それなら私の国の話と合うんだけど・・・。」

「ちょっと深いところだけど、怖い感じのがたくさんいるよ。」

「地下への入り口は分かる?あと、広さとか」

「入口はわかんないけど、結構広がってるよ。」

「なんか、やだねぇ。自分の足元にそういうのがあるのは・・・。」


「地下の試練だね!」

「海と違って、そういうの無いから・・・。」

「タコいるかな?」

「ミミズとかいそうだね。」

「美味しい?」

「食用ミミズってあるらしいけど、天然のは砂抜きが大変そうだね。」

「なら海に行こう。」

「それがいいね。」


岩山、洞窟、地下ね。

まぁ、地下は放置だよ。

変なのが出てこなければ気にしない方向で。


ーーーー


「おねえちゃん。着いた」

「結構早かったね。これ、どうやって切ればいいかな。ハンマーとか持ってこなかったよ。」

「ナイフでいいよ」


なんか、ユッカちゃんがナイフで岩を切るんだよ。

そのナイフも神器なのか。改造されてるのか。ファンタジーの世界はいろいろ便利で助かるよ。普通なら、関所まで戻って、ドワーフ達から金づちとか借りるんだよね。


「ユッカちゃん、そのナイフどうしたの?」

「お父さんの形見。お母さんがくれたんだよ。」

「そっか、なんかすごいね。」


「切れないのは、お芋から作ったぶにょぶにょの塊」

「それ、<コンニャク>とか、言ってなかった?」

「うんうん。『斬鉄剣で切れないのはコンニャクだけなの』って、お母さんが嬉しそうに教えてくれたよ。」


「それ、剣じゃなくて、ナイフだよね」

「うん。でも、お母さんは『いいの。斬鉄剣なの。』って言ってた。私もナイフだと思う。」


なんか、本当にトモコさんと波長が合うね・・・。でも、48歳とか、うちのお父さんぐらいでしょ。そっか、そういうことか・・・。私も自然にお父さんの影響を受けてたのか・・・。


「この岩山、材質全部同じかな?ちょっと別の場所も切り取ってみる?」

「どこでもいいよ。この石は鞄にいれておくね。」


「その石に<1>って書いておこう。ここの穴の傍にも<1>って書く。」

「おねえちゃん、頭いい?」

「褒めてくれてる?」

「ううん。喜ぶかと思って言ってみた。」


「そっか。ありがとうね。

あちこち20ヶ所も周ると、いくらユッカちゃんが頭良くても覚きれないと思うよ。だから、たくさんのサンプルをとるときは番号を振るといいんだよ。その鞄からも取り出すときにも忘れないし。」

「おねえちゃん、すごい」

「ほめてる?」

「うん。今度は本当」

「ユッカちゃんはいい子だね。」


フウマとステラが追いつくまで、岩山全体をマーカーで囲ってから、片っ端からサンプルを取り続ける。正面からだと、そんな大きな場所にみえなかったんだけど、これ、森の木に隠れて見えてなかった部分がすごく広くて大きいんだね。冗談じゃなく、番号振っておいてよかったよ。かれこれ、50ヶ所もサンプリングが終わったところでフウマとステラが追いついた。


「姉さん、やっとたどり着いた。」

「ヒカリさん、お待たせしました。」


「どうだった?」

「無詠唱って、自分で考えて魔術を使ってる気がするね。」

「ヒカリさん、想像以上に真剣に考えないと魔術にならなかったです。」


「ランク5以上を持ってる人って、どうにか具現化しようと、死に物狂いで考えて、何かを捻りだした経験のある人なんだと思う。その具現化するものが既に世の中にあろうと、無かろうと関係なくね。」

「「なるほど」」


「じゃ、帰ろうか」

「「え?」」


「終わったもん。ね、ユッカちゃん。」

「50だよ!番号振ったから覚えてるんだよ。鞄から取り出すときも便利!」

「「ユッカちゃん、頭いいね~~。」」

「にひひ・・・。」


「帰り道だけど、どうしよっか。フウマ、洞窟の方角わかる?分かれば、領地マーカー置きに行こうかな。」

「ここからだと、関所に向かって右回りに移動する感じだね。」

「川とか肥沃な土地は左回りの方向だよね?」

「そうなるね。」


「せっかく4人いるから、二手に分かれようか。

ステラ、ユッカ組は左回りで関所に向かって、肥沃な土地のマーカーにたどり着いたら、鞄のサンプルをドワーフさんに見せてて。

フウマ、ヒカリ組は右回りで領地広げながら、洞窟を下見しにいく。

いいかな?」

「「「はい」」」

いつも読んでいただきありがとうございます。

頑張って続けたいとおもいます。

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