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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-11.エルフ

次はエルフ族の人だよ。

ファンタジーな世界なのかね?

ドキドキだ。

「ステラさん、お待たせしました。お話を伺っても良いですか?」

「話は簡単です。貴方が私より魔術で優れた能力があることを見せてください。

自分より無能な人間に仕えたくありませんので」


「なるほど。例えば、どのような能力でしょうか?」

「貴方が得意とする魔術で力比べをしましょう」


「あの、ちょっと、考えさせてもらっても良いですか?」

「いいわよ」


<<ナビ、ステラ・アルシウスの情報。個人情報が無ければ、エルフ族のアルシウス家の情報。>>

<<ステラ・アルシウス:67歳にして、エルフ族の3族長の一人にとして認められる。アルシウス家の家系は妖精魔術の使い手としても優秀であるが、100歳未満で族長に成れる者は数が少なく、僅か67歳は歴代の族長の中でもトップクラス>>


<<うわっ。ステラさんの魔術ランクと魔力は?>>

<<何かエーテル操作をしてもらわないと測定できません>>


<<わかった。お試しで魔術を使わせるから、測定した結果を教えて>>

<<了解>>


「すみません。ステラさんは魔術で魔石は作れますか?」

「どういこと?」


「ええと、こんなかんじで……。」


 あれ?魔石を作れるのって……。また、トモコさんとユッカちゃんが特別なのか!この世界の魔術の常識が何処にあるのか、さっぱり判らない!それはともかく、ちょっと時間をかけて、がんばってるフリをして、小さな魔石を生成するよ。


「できました。これです」


 と、小指の先くらの小さな魔石を生成して、手のひらに載せて見せる。そしてステラさんに手渡す。


「ふ~ん。初めて見たわ。魔石って作れる物なのね。ちょっと練習させてもらっていいかしら」


「森羅万象の……。悠久なる知恵をつかさどる……。魔力の根源となる妖精による……。

ここに集え……」


 なんか、とても長い詠唱を唱えて、最後に目をつむって手で印を結んだ。


「こんな感じでいいかしら」


 と、私が作った魔石より一回り大きく、親指サイズの魔石を作り出して見せた。私と同じ大きさではプライドが許さないんだろうね。


<<ぴろろ~~ん>>

<<ステラの魔術ランク3、魔力2000>>

<<ありがとう>>


 私の方がランクは上。だけど魔力量は互角だね。魔石生成は、単純な魔力量だけじゃなくて、持続力とか生成効率でも生成できる大きさに差ができる。魔石生成の経験とか、魔力ランクの差が効果として現れるかどうかだね。保険を兼ねてユッカちゃんにも参加して貰おう。


「はい。ありがとうございます。それでは、ステラさんと、私とユッカちゃんの3人で魔石生成の勝負をして、一番大きな魔石を作った人の勝ちでよろしいですか?」

「いいわ」


「万が一、魔力欠乏で倒れたりすると危険なので、救護と結果判定のために、審判を入れても良いですか?」

「魔力切れ……?貴方が必要なら用意すればいいけど、誰にするのかしら?」


「公平性を欠くかもしれませんが、うちのフウマで宜しいでしょうか」

「いいわ。家族の判定で勝ちを貰えなかったら貴方も負けを認めてくれるわよね?」


「はい、ではフウマを連れてきますので、少々おまちください」

「ユッカちゃんは心の準備をお願いね」

「は~い」


ーーーー


 今、部屋には4人いる。ステラさん、ユッカちゃん、私、そして救護役、兼審判役のフウマ。


「始める前にルールを確認しますね。

1.一番大きな魔石を生成した人が勝ち。大きさが同じなら生成した数。

2.魔力欠乏で倒れたとしても、最後に出来ていた魔石の大きさで勝敗を決める。

3.時間制限は無し。これは、魔石生成中にいったん止めてしまうと、途中から魔力を注いでも、別の魔石になってしまい、大きな魔石となりません。やり直しする時間も必要と考えました。

4.審判役はフウマ

他に質問はありますか?」


「魔術を行使するための詠唱、印などは自由に使って良いかしら?貴方が生成した様な無詠唱限定かしら?」

「あ、大丈夫です。詠唱、姿勢や印などは自由な方法で構いません。ただし、お互いの魔力を競うものですので、妨害行為にかかわる魔術は禁止とさせてください」

「ありがとう。確かに妨害行為は無しの方が基礎的な実力の差が出ていいわね。その追加ルールも採用しましょう」


「じゃ、フウマ、始めるけどいい?」

「いつでもどうぞ」


「ステラさん、ユッカちゃんもいいですか?」

「いいわ」

「いいよ~。みんながんばろ~。大きい魔石は高く売れるよ~」


「じゃ、各自自由に始めてください。スタート!」


 ユッカちゃんがエーテルで体内循環と脳内循環を始める。まだ手を合わせて魔石生成は始めない。ステラさんは先ほどと同様の詠唱と印を結ぶ。ただし、私にはよくわからないけど、簡略化したり、手の形を変えているみたい。たぶん、さっきよりは大きく、効率よく魔力を注ぐのかな。


 さて、私も始めよう。

 魔力枯渇で倒れるような勝負にもつれ込むのは嫌だけど負ける訳にはいかないね。魔力を切らさない持続性を重視するためには、肉体の回復がし易い自然な姿勢がいいね。もちろん、ユッカちゃんと同じく体内循環の強化と脳内物質循環の強化を行う。


 さぁ、魔石生成開始だ。

 一度始めたら、ユッカちゃんもステラさんも気にしない。

 あとはフウマが介護してくれるさ!


 ……。

 …… ……。

 …… …… …… ……。


 うん、上手くいってる。脳内物質の練りと魔石生成のエーテルへの作用が良い感じで流れてる。体の方も異常は感じない。体力も付いて来たってことかな。先ずは前回作ったテニスボールサイズを楽々クリア。これで確か魔力800ぐらいだったっけ?次は、粘土の洞窟の魔物からでてきたソフトボールサイズまで成長させてみよう……。


 う~~ん。

 体積が大きくなると1mm厚くするのに集めるエーテルの量が莫大に増えるんだね。表面積を考えれば当たり前の話なんだけど、実際に正八面体の体積を大きくするって大変だ。ユッカちゃんが100年クラスの魔物とか言っていたのも判るね。


 よし、魔力を切らさないようにジワジワと流しつつ、再度、呼吸を整えることから始める。体全体の血行とリンパの流れを意識する。 今度は足の指先から手の指先、あらゆる筋肉、背中お腹も。そして循環させているエネルギーを脳内へ移動。脳内ではエネルギー変換を速やかに行わせる。


 よしよし、また成長してきたよ。

 このままゆっくり呼吸を続けよう。

 …… ……。

 ……。

 …。





誤字などと、ニュアンスの修正。本ストーリーへの影響はありません。

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