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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-10.ドワーフ

ドワーフとエルフだよ。

ファンタジーな世界だよ。

二人が仲間になってくれるといいんだけな。

無理難題を言わない、いい人達だと助かるんだけど……。

 メイドに案内されて向かった部屋には12人の女性がいた。

 きれいさっぱりしてて、臭い匂いもしない。まだ裸のままだけどね。でも、先ずは生きた人間ぽくなっていて良かったよ。


「領主のヒカリです。皆さんが綺麗になられて良かったです。

早速ですが、ご意見などある方は挙手をしてください」


 二人から手が挙がる。

 例の強靭な小柄な人と背の高いエルフっぽい人だった。

 やった!残っててくれたんだね!


「お二人だけですね?他の方は明日から執事長のモリスの指示に従ってください。お二人は別室で話を伺いますので、ついてきてください」


 と、4人でハミルトン家に割り当てられた寝室へ移動する。なぜか、他の人は裸だったのに、この二人だけは服みたいなものを身に着けてるんだよね。あとで聞いてみようっと。


ーーーー


「では、順番にお名前を伺ってもよいですか。私はヒカリ、この子は妹のユッカです」

「私はドワーフ族のニーニャ・ロマノフだ」

「私はエルフ族のステラ・アルシウスです」


「ありがとうございます。それでは順番にお話を伺ってもよろしいでしょうか」

「では、私からな。私に何させたい?」と、ドワーフ族のニーニャさん。


 ニーニャさんの口調は強気なんだけれど、目が泳いでいる。泳いでいるというか、私の後ろの方チラチラ見ている感じ。ええ?なんか、いるの?この部屋には見えない不味い何かがいるの?

 ちょっと気になって、私も後ろを見ちゃったよ。そこには<こん棒>があった。ああ、ドワーフ族の人って、武具に興味があるんだっけ。そういう種族の特性ってのは女性とか関係ないのかもね。


「う~ん、そうですね……。初対面の人にお願いですか……。逆に何ができるのでしょうか?」

「おい。ドワーフ族のロマノフ家の者だぞ。知らんのか。」


「ユッカちゃん、知ってる?」

「しらない」


「ステラさん、ご存知です?」

「知りません」


「す、すみません。そんな様な訳で、特技とかあるのでしょうか……」


<<ナビ、へるぷ!ロマノフ家について>>

<<西暦1600年頃よりロシアを治めていた王朝。1900年頃のロシア革命まで継続>>


<<へぇ、江戸幕府みたいだね。って、違うよね。こっちのドワーフ族のロマノフ家>>

<<この大陸のかなり北東へ進んだところにある帝国に定住しているドワーフ族。腕前は伝説級の武具を創出する鍛冶者を排出することで有名です。また、家系により、木工品、冶金やきん、鉱物や宝石の生成が行える者もいるとのこと>>


<<ニーニャ・ロマノフって名前はある?>>

<<検索条件が曖昧か、データベースに登録されていません>>

<<ありがとう>>


「北の大地に住むドワーフ族だ。ロマノフ家は顧客の要望に合わせたフルオーダーメイドの武具を創出できる。木工品、冶金、鉱物・宝石の生成は、人族の鍛冶屋よりは優れてる」


「それはすごいですね。ニーニャさんも全てが出来るんですか?」

「全てでは無い。だが、基本的な鍛冶スキルは人族に負けない」


「そういえば、その衣装は自作でしょうか」

「ああ。木のかせがあったから加工して服みたいな物を作った」


「ナイフとか隠し持っていたのですか?」

「首輪の鎖や枷の留め具の金具をちょっと細工して、工具を生成した。工具さえあればこの程度の服は簡単に作れる。ちょっとガサガサするがな。

 そういえば、お前、金具を焼き切っただろ。金属が取り出しにくかったり、木の一部が焦げてたり、二手間ぐらい余計にかかったんだぞ」


「そ、それは、すみませんでした。自作した工具とか見せてもらって良いですか?」

「いいぞ」


 と、ニーニャさんが出した工具を確認する。これって、現代日本で売られている工具を超える勢いだよ。彫刻刀サイズのナイフ、キリ、やすり、そして糸鋸いとのこみたいなワイヤーソウ。ちゃんと焼き入れしたみたいな跡があるし、刃も立ってる。燃料とか金床かなとことか無いのに、金属加工が行えるって、魔術のような特殊スキルがあるってことかな……。


 その工具で作られた服は薄く板状に割った木を木簡みたいにつないである。つないである金属部品は工具を作って余った金属で作ったのかな。とにかく、金属を自由自在に操って、器用に木工ができることも証明されたね。


「すみません。先ずは私の仲間になっていただいて、その都度お願いするという形では如何でしょうか……」

「やることがツマラナイと感じたら仲間から抜けてもいいか?」

「はい。結構です」

「なら、後ろに立てかけてある<こん棒>を見せてもらいたい」


「あ、はい。どうぞ」

「私からの話は終わり。後は勝手にエルフと話してくれ」


「わかりました、ニーニャさんの許す範囲でこちらに住んで戴いて、明日はいろいろなお願いがあると思うので手伝いを願いします。先ほどの大部屋ではなく、メイドに別の部屋に案内させますね」


 ニーニャさんは、なんだか、<こん棒>に夢中で、話をしてくれなくなった。というか、<こん棒>をいろいろいじりながらブツブツ言ってる。こだわりのある研究者って、夢中になるとこうなっちゃんだよね。私からすれば、失礼でも何でもないからいいや。


 メイドさんにお願いして、客人待遇でお世話してもらおう。

誤字、ニュアンスの修正。本ストーリーへの影響はありません。

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