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異世界で気ままな研究生活を夢見れるか?  作者: tinalight


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2-06.二人の奴隷

奴隷小屋の奥に存在した2つの物体に接近することにした。


※気分を害する描写が含まれる恐れがあります

 具体的には身体拘束の類で、性的な描写は含みません。

「フウマ、ちょっと来て。あの二人を運び出したいの」

「うわ……。これは酷いね……。一緒に手伝うよ」


 1人目は身長140cmぐらいの女の子。

 左右の手首をUの字に切り欠いた2枚の板で挟んで止められている。

 左右の足首を別のUの字に切り欠いた2枚の板で挟んで止められている。

 仕上げに、手と足の板を別の板を縦に渡してつなげられている。

 手足を動かせないだけじゃなく、丸まった背中を伸ばすことすらできない。


 二人で運び出そうとすると、何かが引っかかった。首輪から伸びた鎖が地面の杭に繋がっていた。私は鍵の有無すら確認せずに、鎖を断ち切ることにした。


<<この杭と鎖の繋がっている鉄の輪を融かして>>

<<<ジュジュ>>>


 鎖が首から垂れ下がった状態のまま小屋から外にはこびだす。


<<板同士を繋いでいる釘類を接続部分のみ融かして>>

<<<ジュ、ジュ、ジュ、……>>


 何か所か板を止めている金属部分が融ける音がした。繋いでいた板から焦げる臭いがする。助け出した女の子の四肢から板を取り外すけど、本人は全く動かない。体温OK、脈OK、呼吸も安定している。生命維持活動は大丈夫っぽい。

 ……。まさか寝てる?この子は大丈夫そうだね。


 2人目は身長180cm近くある長身の女性。私より背が高いね。

 この人は頭に革袋が被せられている。口の辺りに穴はあいてるみたいだから、空気の取り込みはできるみたいなんだけど、呼気が革袋の中で籠ったらちゃんと新鮮な酸素が袋のなかに取り込めなくて酸欠に近い状態だろうに。これじゃ、呼吸が苦しくて意識が朦朧としてるでしょ。

 手は後ろ手で手錠のような短い鎖でつながれている。なぜか、手首から先がやっぱり革袋に包まれている。足は自由な様子なんだけど、なんか動く気配がない。ひょっとして窒息死寸前の状態?


 フウマと二人で引っ張ろうとすると、また何かが引っかかる。頭に被った革袋の中から鎖がつながっていて、杭に固定されている。鎖をさっきと同じように焼き切って、狭い中をフウマと二人でなんとか外へ運び出す。


 頭に被せられた革袋は紐をほどくと簡単に外せた。あれ?緑色の長い髪と尖った耳の顔立ちって……。エルフ族の人なのかな?

 それよりも……。口枷がついてる。口に横に太い棒を加えさせられていて、その棒の両脇に紐がついてる。その紐が首の後ろで縛られてる。棒を噛まされて、半開きの唇からは涎がたくさん垂れた跡がある。ひょっとして、詠唱をさせないための処置?こんなん、革袋と二重にされてたら呼気を取り込めなくて死んじゃうよ?


 一応、呼気と首の辺りの脈を確認して生存確認がとれた。次に後ろ手に縛られた革紐を切り離す。手首のところで縛ってある紐をほどいて手を包んでいる革袋を取り外した。そこには手のひらに粘土を握り締めた状態で丸められた手があった。


「これじゃ、詠唱も、印を結ぶことも、結界を貼ることもできなかっただろう……」


 と、フウマが教えてくれる。このエルフさん相当やばいの?てか、なんで、そんなすごい人が奴隷になってるの。挙句の果てに、この人も寝てるだけっぽいし……。


「フウマ、この人は他の人より、よっぽど元気そうだと。心配して損したね。鎖とかを元に戻せないし、裸のままになるけど、元居た場所に戻すの手伝ってくれる?」

「ああ。姉さんOKだよ」


「ユッカちゃん、お待たせ。関所の休憩所に行って執事長を待とうか。」

「うん……」


 やっぱりユッカちゃんの元気がないね。私も精神的に結構きたしね。領主って仕事を始める前に奴隷さんたちの扱いだけで十分大変なことだよ……。

誤字等の修正です。本ストーリーへの影響はありません。

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