3-50.視察準備
壊しちゃった剣をなんとかしないと・・・。
でも、ニーニャがいないと、
私一人でサイナス行っても意味無いんだよね。
「ニーニャ、助けて!」
「なんだ?今はいろいろ忙しいぞ。面白いことしか興味ないぞ。
お?クロ先生、王子とレナード殿とは面白い組み合わせだぞ。
話を聞くぞ。」
「この剣を直して欲しいの。」
「ん・・・。」
「どうしたの?」
「うむ・・・。」
「なんか変?」
「人族には申し訳ないが、ドワーフ族からすると、ちょっと・・・。」
「ニーニャ殿、これは私の剣です。何か言い難いことがあるのでしょうか?」
「王子、こちらの剣はどなたかの形見ですとか、王家の紋章が入ってるなど、特別な事情や思い入れのある剣なのでしょうか?」
「いや、そういう経緯はないが、自分なりに気に入っていた剣だから直せるなら直したい。そう簡単にこれに代わる剣が手に入るとは思えない。」
「つまり、同等の性能の剣であれば、新規に打ち直しても構わないのでしょうか?」
「ニーニャ!」
「ヒカリ、なんだ?」
「いつもと言葉遣いが違うよ!」
「うるさいぞ。余計なお世話なんだぞ。ヒカリのためにするんだぞ。」
「ご、ごめん・・・。」
「ヒカリ、王子はいつまで居られるんだ?今日中だと、大したものは出来ないぞ。2-3日あれば、王子に合わせた剣を作るぞ。」
「王子、どうなの?」
「母が治るか、ヒカリの戦争準備が終わるまで自由なんだ。なぁ、レナード。」
「どこぞの財務大臣は隣国の財務大臣と鉱山の長期視察中です。財務大臣もいなければ、王妃も休養中ですので、延期中の誕生会も予定が立ちません。」
「ニーニャ、フウマを待たせること以外問題はなさそう。」
「ヒカリ、本気出して良いのか?」
「是非!関所にあるものならなんでも使って。時間も材料もなんでもどうぞ。」
「王子、少々私の我儘にお付き合い頂くことは可能でしょうか。これでもドワーフ族のロマノフ家の血を引く者ですので、王子にとって、一生の友と成りうる剣を打たせて頂ければと思います。」
「レナード!金貨は持って来てるか!」
「いや、今回は革袋1袋で身軽な旅と・・・。」
「ロマノフ家のニーニャ殿、すまぬが持ち合わせが無い。先払いでの報酬を渡せない状況である故、完成までに用意することでも構わないだろうか?」
「ヒカリが頼んだのだから、ヒカリに礼をすればいいぞ。私は好き勝手にヒカリの頼み事を聞くだけなんだぞ。」
「ヒカリ、どういうことなんだ?」
「何がよ?」
「ニーニャ殿はお前のなんなんだ?」
「大切な仲間。」
「なんでそうなった?」
「私に協力してもらえるか聞いたら、仲間になってもらえた。」
「意味がわからない。お前は何をしたんだ?」
「『<こん棒>を自由に使って良い。つまらなく成ったらお別れでいいよ。』って。」
「それだけか?」
「もう、わかんないよ。ニーニャに聞いてよ。」
「いや、いい・・・。スマン。俺が悪かった。ニーニャ殿よろしく頼む。」
「夕ご飯を食べたら、すぐ始めるんだぞ。王子も来るんだぞ」
「わ、わかった。」
「ニーニャありがと。何か手伝えることがあったら言ってね。」
「アリアの炉を借りるぞ。ダマスカス鋼を作るにはあのくらいの熱で叩かないとダメなんだぞ。王子の体力次第ではミスリルやオリハルコンも考えるんだぞ。」
「ダマスカス鋼は判るけど、ミスリルってジュラルミンかな?オリハルコンはチタンとか。」
「ヒカリは好きに考えてていいぞ。王子を今晩借りるぞ。」
「は、はい。」
ーーーー
<<フウマ?聞こえる?>>
<<姉さん、久しぶりだね。こっちは<念話>しても大丈夫だよ>>
<<うん。いろいろあってね。このまま続けて話すね。
飛竜は助けた。族長からの支援も貰えることになったから、飛竜に関しては問題無いと思って。
それで、今、王子が関所に来ててね。>>
<<宣戦布告するのか?それとも誰かが倒れたとか?>>
<<私が魔力切れで倒れて、お妃様が気を利かせて呼んでくれたんだよ。>>
<<そうか。いろいろ大変だったね。王子が来たってことはレナードさんも一緒だろ?いろいろ動きにくいね>>
<<うん、まぁ、地形効果を利用するために策を練って、その準備をしていることは皆に言ってある。飛竜を助けたことも皆知ってる。
それとは別に、ちょっとした問題が起きてね。>>
<<姉さんは、いつもいろいろな問題を抱えてて退屈しないね。>>
<<私が王子の剣を折っちゃってさ、ニーニャに新規に作って貰うことになった。2-3日掛かるらしい。>>
<<また姉さんか。
こちらの視察は終わってるから、あとは設計と工事方法と人集めぐらいだよ。
ニーニャと姉さんがそこを離れられないなら、俺はすることが無くなったな。>>
<<私も、ニーニャと王子が一緒だから、準備のしようが無いんだよね。
あと、フウマを待たせてるのが気になって連絡した。>>
<<倒れて無いとき以外いつも何かしてる姉さんが、すること無いって珍しいね。>>
<<お妃様、王子、レナードさんがいるから、秘密の研究とかできないじゃん!>>
<<なら、こっち来るか?川を越えて、ミラニアの街から城下町まですぐだよ。ここに来るまで馬車だと時間かかるけどね。>>
<<モリス、ステラ、ユッカちゃんに話を通したら、そっち飛ぶよ。>>
<<分かった。ランドルさんにも伝えておく。>>
<<あ、ゴードンさんが一般的な食糧とか関所で入用なものを持って来てくれる<御用聞き商人>を紹介して欲しいって言ってた。その辺も打診しておいて。>>
<<了解。じゃ、また後で>>
<<うん>>
ーーーー
「モリス、アルさんは元気?で、いまどこ?」
「彼は、フウマさんの所へ後から追いかけさせました。まだ合流できていませんか?」
「あ、確認してなかった。後で確認しておく。」
「何か、アルバートに御用でしょうか?」
「ちょっと、時間が出来て、サイナスからロメリアの城下町まで行ってこようかなって。」
「それはまた、急ですね」
「私がさ、王子の剣を折っちゃったんだよ。で、ニーニャが代わりの剣を作ってくれることになってね。ニーニャが王子の剣を打ち終わるまで、私はすることなくなっちゃったし、ドワーフの皆さんの移動が終わらないとフウマも向こうで待ちぼうけなんだよね。」
「なるほど。それでアルバートの知識を活用したいと。」
「うん。」
「他に同行される方はいますか?」
「ユッカちゃんとステラには声を掛けていくけど、今回は冒険でもショッピングでも無いし、美味しい物も勝手に作って食べられないからねぇ・・・。」
「いつからお出かけでしょうか?」
「私一人なら、今晩出るよ。」
「承知しました。緊急の要件以外はいつも通りに代行を務めさせて頂きます。」
「ありがとね。」
この後、ステラとユッカちゃんを訪問したんだけど、『冒険も美味しい物も無いなら行かない』って言われた。確かに、ステラはいろいろな技術をエスト達に指導する役目もあって大変だからね。ユッカちゃんもシルフやお妃様、ステラと一緒の方が楽しいだろうし。よし、最後にニーニャに声を掛けて出発だ。
「ニーニャ、暇になりそうだから出かけてきていい?」
「いいぞ。ヒカリが居ない方が集中できるぞ」
「そ、そうだよね。じゃ、終わったら、ドワーフさん達と一緒にサイナス集合で。」
「ヒカリ、どこへ行くんだ?」
「ロメリアの城下町辺りまで。」
「わ、分かったぞ。王子とそこらの散歩かと思ったぞ。大丈夫だから行ってきていいぞ。」
「うん。お願いね。」
ーーーー
<<フウマ、今、大丈夫?>>
<<聞くだけならできる。>>
<<アルバートさん、そっちにいるよね。3人でロメリアの城下町まで行こう。今から私一人で出発するから、今晩の宿よろしく>>
<<了解>>
よし、多少の金貨と食料は必要かな。
ユッカちゃんのカバンを借りれないから、
モリスからなんか借りて行こうっと。
いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。
今後とも頑張って続けたいとおもいます。
また、誤字・脱字の報告ありがとうございます。
作者自身も気が付いたときはなるべく直すよう、心がけます。




