3-21.お妃様(1)
昨日の報告会の宿題の処理。
あとは、フウマがお妃様に冷蔵庫の話を通してくれたら、
新戦力が到着するのを待つばかりだね!
そしたら本格的に戦争の戦略が練れると思うんだよね。
朝の体操とピュアの後、今朝から本当にクロ先生の指導による体術強化のための訓練が始まった。基本はフウマの教えてくれたことの繰り返し。
あとは、構えっていうのかな?
基本的なナイフの動かし方を教わった。
相手に「こっちがナイフ使いだ!」ってばれないことが、ナイフ使いの基本とか。
ナイフを見せないで戦闘開始とか奥が深いね。
まぁ、良く判らないんだよね。そうなる前に魔術でなんとか片付ける方法がいい気がしてきてる。
で、特訓が終わってから、早速石の切り出しに行って見た。
こないだのユッカちゃんの切り出した周辺から切り出す訳だけど、ラナちゃんがコーティングしたナイフは凄いね~。ユッカちゃんの斬鉄剣で切り出していたのと変わらないよ。ザック、ザックと豆腐のように切り出してくれる。ちょっと多めに10個ぐらい切り出しておいた。
で、角に皮ひもを引っ掛ける穴をあけて、そこに紐をそれぞれ結んで、<<重力遮断100%>>を施すと、10個の大きな四角い風船が出来上がった。大きさが大きさなだけに、一度に2個ずつにしておく。農地の集合住宅建設予定地の辺りに、重力を99%カットに変えて、紐を近くの木に結わえておく。これを5回繰り返して作業終了だ。
結果をニーニャに<念話>で報告しておく。移動先が決まってから、元の重量に戻すことでOKになった。まぁ、重量1%だって、普通に動かそうとは思わないけどね。切り崩して使っていくなら、便利かなとは思う。
これだけの作業をしただけで、なんだかんだでお昼になっちゃった。
ステラをお昼に誘って、お茶をしながらクロ先生の印の解読でもしよう。そうしよう。
「ステラ~、お昼たべよ~。」
「あ、はい。ヒカリさんご機嫌ですね。いいことありました?」
「うん?石を運ぶ仕事が片付いたのと、あとは協力な助っ人待ちだからね。自由に考える時間が出来たのは嬉しい。」
「あ、でしたら、一緒にクロ先生の印の解読をするのはいかがでしょう?」
「いいね!私もそれを言いたかったんだよ!」
「是非是非~」
ステラとニコニコしながら食堂に向かう。軽めの昼食とお茶を貰いながら、さぁ始めるぞ!ってタイミングで・・・・。
<<姉さん!大変だよ!>>
<<フウマはいつも大変だね。どうした?>>
<<みんなは、そこにいる?>>
<<私とステラだけだね。基本、ランチは別行動だよ。全員集まるのは効率が悪いし。>>
<<そっか。じゃ、姉さんとステラに念話を通すね。>>
<<うん。>>
<<朝、王宮で、お妃様を訪問して、
(1)冷蔵庫の荷が届くこと
(2)ロメリアとの交渉はなるべく、ばれないように引き延ばして欲しい。当然王子の誕生会の話もあるので、王族の誰かが体調不良になったような理由が必要。
って、姉さんとの会話の内容を直接伝えたんだ。
そしたら、『わかったわ。ヒカリさんも大変だろうから、金貨を持って行って頂戴』って、この間の準備した金貨に相当する金貨2万枚をくれることになったんだ。
ここまではOK?>>
<<完璧じゃん!>>
<<で、姉さん、続きがあるんだ。
『私が病人として、長期静養するのが時間が稼げていいと思うの』って、言われて、『確かに、下手に国難と見なされるような王位継承者よりは・・・。』みたいな曖昧な返事をしてしまったんだ。>>
<<いつ来る?フウマとモリス達より後だよね?>>
<<え?>>
<<『え?』じゃない。お妃様がここに来るんでしょ?いつ来るの。なんか、金貨2万枚で重しを付けられた気がするんだけど!>>
<<あ、それは大丈夫だと思う。『こちらは王宮内の調整もあるし、準備に時間も掛かるだろう。フウマさん達は金貨もあるし、先に出発してヒカリさんに伝えておいて』って言われてる。>>
<<う~ん・・・。何かオカシイな・・・。>>
<<で、『ユッカちゃん、私と一緒に後から出発はどう?いろいろ美味しい物があるわよ』って言われて、ユッカちゃんはお妃様の所に残ることになったよ。その後、こっちは直ぐに戻って、ベッセルさんとランドルさん一家と出発準備を始めたよ。金貨を載せた馬車の積み荷に関してはランドルさん達には伝えてないけど。>>
<<今、なんて言った?>>
<<ベッセルさんと、ランドルさん一家と準備中だって。>>
こりゃ駄目だ。お妃様の怖さが全然判ってない。
あ、あと、ユッカちゃんの食べ物の恨みもね。
<<ユッカちゃん!今何してる?>>
<<王子のおかあさんと、アイスクリーム作ってるの>>
<<あれ?ステラから教わった?>>
<<ううん。ゴードンさん>>
<<ゴードンさんは念話使えないよね?>>
<<うん。だから、聞きに来たよ。>>
やられた・・・。
完全にやられた・・・。
私のミスだ・・・。仲間のフォローが足りなかった・・・。
くぅ・・・。
これは、あれか・・・。
これがお妃様が味わった感覚なのか・・・。
よく、怒らずに神器とかくれたもんだよ・・・。
「おねえちゃ~ん!アイスクリーム一緒に食べよ!あ、ステラさんも一緒に!」
ユッカちゃんが出来たてのアイスクリームのお盆を持って食堂に入ってくる。で、後ろからお妃様が付いてくる。
お妃様はパーティードレスの正装ではなくて、どちらかというとお忍びのための庶民向けの格好なのかな。私たちが普段狩してる格好に近い。装飾品もパーティー向けの化粧も一切ない。こうみると若く見えるんだね。化粧は威厳を与えるための物でもあったのかもしれないね。そして、腰にはちょっと長めの短剣が刺さってる。ショートソードって言うのかね。これはなんでだろ。冒険でもしたいのかな。
「あら、ヒカリさんお久しぶりですわね。
冷蔵庫の件、承知しましたわ。受け入れ態勢は万全にしておきましたわ。
また、ロメリアへの賠償請求と王子の誕生会遅延のために王族の一人を長期療養させる件も承知しましたわ。差し出がましいこと、申し訳ないですけど、フウマさんに金貨2万枚は手渡しておきましたわ。別に、彼に錘を付けた訳ではないのよ?
早口だったけど、ヒカリさんなら大丈夫ですわよね?」
「は、はい・・・。種々便宜を図って頂き、至極光栄の至りでございます。」
「驚かないのね?」
「王族の皆様への、これまでの数々の非礼申し訳ございませんでした!」
「今日は素直ね。どうしたのかしら?」
「私の軽挙妄動がエスティア王国への致命的な楔を入れるきっかけとなってしまっておりますこと、深く反省しております。また現状を打破すべく微々たるものですが全力を尽くして居る所存でございます。」
<<ステラ。皆にこの状況を念話で通知。あと、致死的な非常時以外の念話禁止、思考ガードの徹底も。>>
<<分かりましたわ>>
<<ナビ、お妃様の魔術ランク、魔力を測定して。>>
<<検知出来次第、報告します>>
「あら?王族も単純なバカではなくてよ?」
「いえ、そのような。私の浅薄な知識に基づく行動が皆様へ困りごとを提示することになってしまったことを只管恥じ入るばかりです。」
「ヒカリさん。」
「ハイ」
「私、ここに長く療養で滞在するの。」
「ハイ」
「私、元気になったら、王宮に戻れるの。」
「ひぃぃぃぃい」
「解って貰えたかしら?」
「ハイ」
「何をしてたの?」
「肺の病気の元を調査しました。肺の病気の元となる結界が見つかったので、それを除去するとともに、回収して冷蔵庫への応用を考えました。」
「私も見に行っても良いかしら?」
「良いですが、飛行術が必要なのと、地下最深部まで護衛が必要で2-3日掛かります。」
<<ぴろろ~ん>>
<<お妃様:魔術ランク5、魔力800、<審議>の魔術を使用可能、そして発動中。>>
<<魔術<審議>って何!>>
<<簡単に言うと、こちらの質問に対して、相手が嘘をついてるかどうか、その心理状態を表示させる魔術です>>
<<ありがと>>
<<ステラ。お妃様は<審議>の魔術を使える。皆に通知>>
<<了解>>
「そう。嘘は見当たらないわね。その結界が止められたのなら、この国の風土病の根絶に貢献したと考えてもよいかしら?」
「森や地面に過去より拡散・蓄積したものからの作用がどの程度残存しているか確認できておりませんが、今後徐々にそれらの影響も緩くなると考えられます。」
「よくがんばってるじゃない。」
「あ、ありがとうございます。」
これで終わり?
終わりで良いよね?
もう、無理だよ・・・・。
いつも読んでいただいている皆様には感謝しています。
今後とも頑張って続けたいとおもいます。
また、ブックマークや評価を頂けることはとても励みになります。
ありがとうございます。
感想や評価なんかもらえちゃったら、もっと頑張っちゃうかも!




