エピローグ
はろはろ~お久しぶりだね~元気だった~?
ん?私は元気もりもりだったよ~メロンパンも食べてたしね。
いやいや、メロンパン以外も食べてるよ失礼だな。
え?喋り方が変った?いやいや、元々前から私は普通に喋れたよ。これは成長とかじゃなくてアレだよ。関西弁の人が敬語を使うことによって標準語を喋っているように見えているだけだよ。
あぁ、そうだそうだ。お話があるんだった。ごめんね?さっきまでリアンがヤバクって
昨日さ、ちょっと生き別れのお母様と出会ってね、その人が死ぬ間際にとんでもないことをリアンにぶつけたから、依存度が凄かったんだよ。
ん?あぁ、大丈夫だよ。2時間ぐらいは病みの末期だったけどすぐに乗り越えたよ。凄いよね、もうあの人はメンタルが超合金だね。人間じゃない。
え?あの日姿を消したのはリアンに監禁されたからじゃないのかって?違うよ!!全然違うって!リアンの海外芸能活動再開の為と……ほら、ちょっとスキャンダルやらかしてちょっとヤバかったじゃん?だから逃げたんだよ。
って!ぁああ!時間がないよ!ちゃんといいたいことがあるんだ。
あのね……
「佐吉、私結婚するんだ」
私は、目の前にいる佐吉にそういった。
結婚お相手はいわずもがな、リアンである。
まぁ、結婚の話は結構前からあったし大分意識されていたし、はぐらかしまくっていたのだが……そろそろ年貢の納め時という奴だろう。
「意外だな…お前はリアンとか嫌いだと思ってた」
「私も」
クスクスと私は笑った。
彼も少しだけ苦笑したあと……。
「…俺も結婚するんだ」
「相手は可憐さん?」
「そうだ。仕事も安定したしな」
仕事かぁ…あまり考えたことがなかった。
親の職業はハッピーホワイトパウダーとかいうあまり参考に出来ない奴だし、リアンと一緒に生活していたから仕事はない。
強いていうならば、リアンの世話係?うーむ。
あ、ヤバイ。もうすぐ飛行機の時間じゃんか。結婚報告以外にも、佐吉に伝えたいことがあるんだった。
「佐吉、いいたいことがあるんだ」
「なに?だいたいは想像つくけど」
「君が好きだったよ。愛してた…とてつもないくらいに恋してた」
「うん、知ってた」
知ってたとは…酷い男である。
いやね、冗談っぽくいっているけど……結構私いま、とんでもなく勇気いったんだぞ?
「俺も、お前を愛してたよ。俺の初恋はお前だったんだ」
「うん、知ってた」
知ってたよ。
けれど、私は絶対にいわなかった。
何故ならば、彼は私を愛していたとしても恋人になってくれなかっただろう。変化や更正を求め、一緒に導く道を選ぶのだろう。
私だってそうである。私は彼を選ばない。だってコイツ意外と面倒臭いんだ。今になって思えば、コイツは意外とクズな所がある。恋のフィルターの付けすぎである。
何よりプライドが許さなかった。
長年積み重ねてきた『友人』『幼馴染』というプライドを捨てられなかったんだと、今になってようやくわかる。
なくなるぐらいならば……死んだ方がマシとおもうくらい、私達はそれに価値をおいていた。
でも、今となってはいえる。
ちゃんと、過去のものにしていえるのだ。
「佐吉…愛してたよ。今はそんなでもないけど…でも、友人としてならいつでも相談にのる」
「俺も同じだ。親友として、いつでも助けよう」
「じゃあね」
「あぁ」
私達は互いに背を向けて歩きだしていく。
たった10分の会話でしかなかったが……君にあえてよかった。
「リアン、待った?」
「いや、大丈夫だ」
「ねぇ、リアン」
「なんだ?」
「愛してるよ。大好き……待たせてごめんね」
この話で、一旦終ります。
本当は色々と考えていたのですが、すみません。
色んな最終回を考えていました。